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服から服を作るーー永久リサイクル可能なブランドBRING

  • 2021.6.10
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服から服を作る⁉――完全に、そして半永久的にリサイクルができるブランドがあります。日本で唯一、素材の回収からリサイクルまで手掛けるブランドBRING。エコなだけでなく、着てみると驚く素材感と着心地も目を見張るブランドです。編集部員も惚れた注目のBRING、その魅力とプロダクトを紹介します。

画像: シンプルでベーシック。それでいて触れてみると、驚くほどの風合いが特徴のBRINGのアイテム 出典:ftn
シンプルでベーシック。それでいて触れてみると、驚くほどの風合いが特徴のBRINGのアイテム 出典:ftn

日本で唯一のサステナブル洋服ブランド

「えっ!これ再生ポリエステルなの??」――BRINGの製品を見たとき、私が最初に言ったコメントです。約20年近くファッション製品を見てきましたが、BRINGのプロダクトはそのくらいユニークな風合いです。

すべての商品が再生ポリエステル生地で出来ているBRINGの服。ポリエステル生地は、スポーツウェアなどに使われるツルっとしていて、光沢感のある素材です。でもBRINGの服に触れると、コットンのようにふっくらとした優しいテクスチャーで、過度な光沢感もありません。上質な綿を、ゆっくりと織り上げたビンテージのカットソー服のような落ち着き感があります。

理由は、ポリエステルで綿のような糸を作れるBRING独自の製法によるものです。再生ポリエステルでこのような綿と見まがう素材を生み出すのは、日本でBRINGにしかできないことです。

洋服リサイクルの第一人者が作ります

BRINGを作るのは、もともとアパレル製品のリサイクルを専門にした会社・日本環境設計。捨てられる洋服リサイクルの第一人者で、彼らが作った初のアウトドアアパレルブランドがBRINGです。着なくなった服を原料にしているとは思えない、驚く風合いの服が出来ています。

BRINGの服作りは、廃棄される洋服の回収から始まります。例えば「無印良品」や「ジーユー」など様々なファッションブランドと連携し、店頭で“捨てられてしまう服”を集めます。それを日本環境設計がリサイクルします。

なぜポリエステルなのか?

世界の繊維生産量の約6割超がポリエステルと言われ、結果的に捨てられる衣服の素材も、ポリエステルが最も多いとされます。そこでBRINGはポリエステルの再生が短期的には優先順位が高いと考え、リサイクルに取り組んでいます。

回収した洋服からまずその服の素材のポリエステルを抜き出し、脱色・精製を行い、真っ白な液状にまで戻します。このプロセスを自社工場で出来るのが、日本環境設計ならでは。そこから再度、ポリエステル素材を作り、糸に紡ぎ、生地にします。

半永久的にリサイクルできるのはBRINGだけ

ここでBRINGがワン&オンリーな存在である理由を、もう一つ。と言うのは、ペットボトルなどから再生ポリエステルを作ることは、世の中にかなり広まっているのですが、BRINGが日本で唯一なのは、“何度でも”再生できるところです。

例えば、再生したポリエステルで赤いTシャツを作ったとします。ここまではBRING以外でも行われていることですが、その赤Tシャツは普通、無色に戻すことができず、次のリサイクルが難しくなります。

これを変えたのが、BRING。BRINGであれば、どんな色のポリエステルでも、真っ白に戻して再生できます。だから、何度でも別の色のポリエステルに戻して、リサイクルの服にする循環を半永久的にできるのです。ある意味で究極のサステナブル[沖田 愛子5]
服の実現です。これが、今までのポリエステル再生とは根本的に違うところです。

最強のエコ日常着

現在BRINGのコレクションは、無地のカットソーTシャツやスウェット、ポロシャツなどのベーシックなコレクションです。すべてオールジェンダーのデザインで、レディス・メンズ・キッズのサイズと各5~6色が揃っています。

コットンのような風合いがありながらポリエステルなので、吸水性・速乾性が高く、洗濯してもとても乾きやすいです。コットンよりも、縮みやクタリが起きにくい素材でもあります。

無地のTシャツやスウェットってたくさんあるけど、ベストな1枚はなかなか見つからないですよね。そんなときに、BRINGは“有力候補”なので、一度試してもらいたいブランドです。サステナブル
な上に、着心地が良くて機能性も◎なため、デイリー使いにピッタリです。

エコな商品は高いと思われがちですが、BRINGは回収のみならず、自社の技術を自社の設備でリサイクルするなどサプライチェーンをまとめているので、かなりリーズナブル。半袖Tシャツで¥4,730/スウェットで¥10,780。

オリジナルコレクションのBRINGに加えて、BRINGマテリアルという形でBRINGと同じ素材を他のファッションブランドにも提供しています。例えばジーユーでは、BRINGマテリアルの糸を採用したTシャツも販売しました。身近なブランドでもBRINGに出会うことができるかも。

BRINGブランドも、全国でポップアップショップを開いていて、そこでは衣服の回収もしています。また、すぐに買いたい人は公式オンラインショップも検索。

いま衣服の廃棄は大きな問題になっています。その解決に少しでも参加できて、何より上質コットンの風合いとポリエステルの機能性のいいとこ取りの日常着。そんな魅力の詰まったBRINGの服。ファッションの世界の次の主役になるかもしれない魅力を秘めたブランドです。

Chief Editor:Tatsuya Murashige

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