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固定席、個人ゴミ箱…集中力を爆上げするために廃止すべきオフィス用品3つ

  • 2021.6.10
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謎解きゲームの企画、運営の傍ら、企業に業務改善のコンサルティングを行う岡田充弘さんは、社長でありながら自分の固定席がありません。さらに個人用のキャビネットやゴミ箱は廃止したほうがいいと指摘します。その理由とは――。

コロナで変わるオフィスの意味

各地で3度目の緊急事態宣言が発令・延長されたことで、また会社に行く機会が減ってきていることと思います。

そうなるとオフィスにスペースが空いてきて、「そもそもうちにこんなにスペースは必要なかった」と気づく会社も多いようです。

会社員時代(外資コンサル)の筆者のデスク周り。よく退社(転職)したものと勘違いされていた。
会社員時代(外資コンサル)の筆者のデスク周り。よく退社(転職)したものと勘違いされていた。(筆者撮影)

同時に浮き彫りになる課題がデスクまわりの“モノ”の存在です。モノといっても、紙資料や文具・備品のように仕事で使うものもありますが、中には趣味の雑誌や私的な衣類など仕事に関係のないモノまで溜め込んでしまっている人もいたりします。

オフィスは、ワーカーが生み出す付加価値が最大化するのを助ける場所です。

コロナ禍による混乱が収まるのはまだ少し時間がかかるかもしれませんが、収まった後にはオフィスのあり方も大きく変わっているはずです。より柔軟に利用でき、より機能的に使え、より空間としての快適さが求められるようになっているのではないでしょうか。

今回は、経営者とワーカーの間の目線に立って、生産性が上がるデスクまわりのあり方について考えてみたいと思います。

固定席という考え方を捨てれば、驚くほどモノが減る

ここ10年で、大企業の営業職などを中心に、固定席を決めないフリーアドレス制を採用する会社が増えました。

社長である筆者が出社したときによく座る席。
社長である筆者が出社したときによく座る席。(筆者撮影)

一方で中小企業では、職種に関わらず、いまだ多くの会社が島型に配置された固定席で勤務するスタイルが採られているようです。

固定席であることのメリットは、スペース効率上の問題のほかにも、担当者を探しやすいということや、管理者が部下の様子を把握するのに都合が良い、といった点が挙げられます。

デメリットとしては、人的な交流範囲が広がりにくいことや、個人の所有物が溜まりやすくなる、といった点が挙げられます。

一方でフリーアドレスの方はどうでしょうか?

会社によって事情は異なるとは思いますが、実際に固定席から離れて仕事をしてみると、いろいろなメリットがあることに気付かされます。

例えば偶然の出会いが増えることです。社内外に関わらず人との出会いは私たちに大きな機会をもたらしてくれます。

また、自分の席を離れることで気分転換にもなり、突然良いアイデアがひらめくこともあります。

そして、必然的に移動機会が増えるため、ノートパソコンへの情報の集約が進み、デスク周りの荷物や紙資料の削減にも繋がります。

社長の席がない会社

ちなみに謎解きゲームの企画業を営むウチの会社では、社長である私の座席は存在せず、その時に空いている席を適当に使っています。もちろん私個人の荷物や道具は会社にはありません。

社員の執務スペースについては、まだ人数が多くないため、フリーアドレスと固定席の中間の位置付けをとっており、共用スペースにいつも同じ人が座っているという運用をとっています。

実際は、それぞれの会社や職種の事情に合わせて、運用をカスタマイズすればいいと思います。大切なのは、個人に紐付くモノを減らすことなのですから。

つい溜め込む人は、個人キャビネットの利用をやめてみよう

島型にデスクを配置している従来型のオフィスでは、執務デスクに、文具や書類を入れるためのキャビネットが備えられている場合が少なくありません。さらに会社によっては、私物保管用のロッカーが備えられているところまであります。

筆者の自宅の仕事スペース。仕事に向かうときだけノートPCを開く。
筆者の自宅の仕事スペース。仕事に向かうときだけノートPCを開く。(筆者撮影)

恐らく良かれと思って会社側が用意したものだと思いますが、実はこの事が、オフィスからモノや資料が減らない大きな原因の一つになるのです。

人はなまじっかスペースがあると、つい気が大きくなってモノを溜めてしまう生き物です。ただ、個人のキャビネに、モノや資料がなんでもかんでも保管されてしまうと、物理的な場所に縛られてしまい、情報共有の面でもマイナスに作用するようになります。

既に個人キャビネットが浸透している会社が、その依存から脱却していくには、少しずつ文具や紙資料を減らすなど、段階を踏んで進めていく方法を採るのがいいでしょう。

ちなみに私の会社では、1人1個ではなく、まったく置かないのでもなく、ITキャビネや経理キャビネなど、部門毎に1個のキャビネット(あるいは専用の保管スペース)を共用することで、モノの増殖をちょうど良い量に抑えることができています。

個人でゴミ箱を持つと、かえってゴミが増える不思議

オフィスで発生するゴミを減らすことは、地球環境面での大きな課題です。またゴミの量が多いと、その処分に余計な手間やコストが発生することから、経営面での課題でもあります。

ただ実際には、オフィスから排出されるゴミはなかなか減りません。その原因として、個人キャビネットの理論とも似ていますが、“いつでも捨てられる状態”が、かえってゴミの増加につながっていると考えられます。

もしその説が、それほど外れていなければ、個人用のゴミ箱から共用のゴミ箱に切り替えるだけでも、ゴミの量や処分に関わる手間は、ずいぶんと抑えられることでしょう。

手元に時間とお金が残るようになる

「固定席」「個人キャビネット」「個人ゴミ箱」を辞めることが、直接的・間接的に生産性の改善に寄与すると論じてきましたが、実現の前提となるのは、やはりデジタルな労働習慣を身につけることです。

たとえば固定席から脱却するには、ノートPCやスマホを使っていつでもどこでも働けるようにしておく必要があります。

また、個人キャビネやゴミを減らすには、情報を紙ではなくデジタルのまま扱える技術や習慣が必要になってきます。

急に自分を変えるのは難しいかもしれませんが、少しずつ本連載で取り上げているようなデジタル活用の技術を磨いていくことで、やがて気がついた頃には、ずいぶんと手元に時間やお金が残りやすくなっているはずです。

岡田 充弘(おかだ・みつひろ)
クロネコキューブ代表取締役
外資系コンサルティング会社を経て謎解き企画会社『クロネコキューブ』を設立。700にもおよぶパソコン時短ワザを集めてマニュアル化している。著書に『その仕事1秒で終わります! 神速パソコン仕事術見るだけノート』(監修)(宝島社)『爆速パソコン仕事術』(ソシム)『結果もスピードも手に入る 神速スマホ仕事術』(すばる舎)『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)『やめるだけで成果が上がる仕事のムダとり図鑑』(かんき出版)ほか。

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