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じつはふつうの男子?「意識高い系」の男子の実態とは?

  • 2021.6.8
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わりとおしゃれで仕事もできて、LINEの返信もまあまあ早いという「意識高い系」の男子の実態についてお話します。

意識高い系の男子と付き合うのはむずかしいと思っている人も、お読みになると「なんか付き合えるかも」と思うかもしれませんよ。

じつはコンプレックスだらけ

意識高い系の男子って、わりとコンプレックスだらけだったりします。

たとえば……中学高校大学と、女子にあまり縁がなかったというコンプレックスを持っています。

「だから」彼は、社会人になったとたん、おしゃれしだします。女子から見られることを意識して洋服を選びます。内心は「女慣れしていない自分をおしゃれな洋服で粉飾しなくては!」と焦っています。女慣れしていないところを女子に見られたらモテないと、彼は知っているからです。

女子にあまり縁のなかった彼は、中高生から大学にかけて何をしていたのかといえば、お勉強だったりします。だから彼は仕事ができます。

「タスク」をスマホで管理しています。効率よく仕事ができるツールをいくつも持っています。業務効率化に寄与するであろうノウハウも、ビジネス書を読んでたくさん知っています。

これも、女慣れしていない自分を粉飾するためです。

かわいい女子がいたらどうしても委縮してしまう自分を粉飾しないとモテないと、彼は知っているのです。

かわいい女子を前に口ごもってしまうとモテない。ということは、口ごもらなくていいようにすればいいのだ、と彼は考えるのです。だから、仕事ができる人というイメージを身体中に巻き付けるのです。ようするに、身体中から「仕事の話題を持っている男」という雰囲気を醸し出すのです。

そうすれば、寄ってきた女子は仕事の話題を俺に振ってくるだろう。そしたら口ごもらずに済む。彼はこう考えます。

たいていの男子は自分の女性遍歴に絶望している

中高大学とずっと彼女がいて、まあまあ女子と戯れてきた男子なんて、ほんとに数えるほどしかいません。

多くの男子は女子とろくに口もきかずに大人になるのです。

だから、彼らは、女子がなにを考えているのか知りません。女子が「LINEの返信遅くない?」と思っていることを知りません。女子にも性欲があることを知りません。女子だってイケメンと見たらとりあえずお近づきになりたいと思っているということを知りません。

なぜ知らないのかといえば、彼らは自分の女性遍歴に絶望しているからです。これまでの女性遍歴にも、これからの女性遍歴にも絶望しているのです。

だから、女子のあれこれについて悩むことはあっても、考えることをしません。

これは絶望者に共通して言えることです。絶望している人は悩みますが考えません。

悩むと考えるのちがい

悩むというのは、同じところをぐるぐる回ることです。

たとえば「彼女とエッチしたいんだけど、なんて声を掛けるといいのかなあ」とずっと思うこと。これを悩むといいます。

他方、考えるというのは「問い」を適切なサイズにすることを言います。女子とエッチするためには、まずは仲良くならないといけない。ということは、彼女と俺の接点はどこにあるのかをまずは考えてみようか。こういった思考を考えるといいます。

中学生の頃から女子を見たら緊張するだけだった意識高い系の男子は、恋愛以外のところにおいて必死の努力をしています。モテたいから。

だから、彼の外見だけを見たら、「高嶺の花」みたいに感じる女子もいるでしょう。

でも、彼の実態は、恋愛に不器用な自分に絶望しているということです。

つまり、意識高い系の男子は、無言のうちに女子に迎合してしまっているのです。媚びてしまっているのです。

反対から言えば、女子はつねに、意識高い系の男子より上の立場にいるのです。

(ひとみしょう/作家・エッセイスト)

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