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ステイホームで知った“一汁一菜”の考え方。/『コロナ禍を経て、サステナブルになった毎日のこと。』vol.3 湯浅加奈子さん

  • 2021.6.8
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新型コロナウイルスの流行によって訪れた、日常の変化。それがきっかけで始まった習慣が、自分や社会、地球の明るい未来へ貢献することも。4人の変化をフォーカスした。今回は、〈une〉へアスタイリスト・湯浅加奈子さんにお話を聞きました。

おこもり時間にものづくり。人やものの大切さを実感。

眠らせていた刺しゅう道具。施したら、愛着が湧いた。〈無印良品〉のエコバッグに、自分で思いついた下絵を描いて刺しゅうを施した。「完全に自己流ですが、気に入っています。勤務先が休業になり一番不安だった頃、買っただけで手付かずだった刺しゅう道具を取り出し、無心で縫い始めました」

絵や裁縫に興味があった、湯浅加奈子さん。2020年5月頃の緊急事態宣言時の休業要請で仕事が休みになり、黙々とものづくりに精を出す家時間を経て、改めて身近な人やものの大切さに気がついた。

現在製作中の巾着への刺しゅうは、以前名刺に入れていた自作イラストを図案にしている。

「2020年のステイホーム期間にぽっかり時間ができ、先行きと健康に不安がある中で、まずは手当たり次第やりたかったことをしました」1つが刺しゅう。レジ袋有料化が始まる頃だったので、エコバッグにチクチク。この時間は無心になれた。

そして2つ目が、干し野菜。「無農薬野菜を買うようにしていますが、一人暮らしで余らせないよう、たくさん買うのは敬遠しがち。でも干せば日持ちがし、太陽の恵みで栄養価も上がり、一石二鳥です」切った野菜をざるに並べ天日干しするのは、家にいたからこそできたこと。そうして手をかけると、より慈しむ気持ちが大きくなり、食品に関わる人への感謝も深まった。

「そんなときを経て、当たり前にあるものや人の大切さに気づきました。仕事がなくなるかもしれないと感じたとき、私がお世話になっているものだって、ずっとあるかどうかもわからないと思い、無農薬野菜を作る農家さん、いいものを扱う販売店へ、感謝と応援の気持ちを還元して、つながりを大切にしなくては、と。それからは、少し高くてもいいものを選びたい気持ちや、その後ろ側にいる人たちを応援したい気持ちが、より強くなったんです。買い物は意思を伝えられる投票だから、お金の使い方を考えるようになりました」

干し野菜づくりで、自分、商店、生産者にいい循環を。

有機野菜を〈つきじ常陸屋〉の干しかごとざるで1日干し、〈WECK〉などのガラス瓶で保存。
干し野菜は、みそ汁などの具材に。本で読んだ“一汁一菜”の考え方を取り入れ、土鍋で炊いたご飯といただくと、それだけで豊かな食事に。
食材は、応援する気持ちから、個人経営の肉屋さん、八百屋さん、米屋さんで購入。

信頼できる食材を選んで、余すことなくいただき、その感謝を販売店や生産者へ還元するようにしている。

十分豊かで健康になれると知った“一汁一菜”の料理哲学。

忙しくてもできる健康食のヒントは『若杉友子の「一汁一菜」医者いらずの食養生活』(主婦と生活社)と土井善晴著『一汁一菜でよいという提案』(グラフィック社)から。コロナ禍に読み返したら、以前より響くものが。

Profile…湯浅加奈子(ゆあさ・かなこ)

表参道にあるヘアサロン〈une 〉で働く。三重県で古民家暮らしをする弟夫婦からもエコライフの刺激をもらい、インスタグラム(@kanko.une)では、干し野菜のほか、フルーツシロップやピクルスなど、季節折々の自家製保存食を紹介することも。

(Hanako1197号掲載/photo : Akiko Baba text : Kyoko Kashimura edit : Nao Yoshida)

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