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矢部浩之、“かなり前のめり”だった若手時代「当時はツッコミ=頭をたたくだったので」

  • 2021.6.6
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ナインティナイン・矢部浩之を直撃! ●ブルータス海田
ナインティナイン・矢部浩之を直撃! ●ブルータス海田

【写真を見る】元サッカー部らしく、きれいなキックのフォームを披露してくれた

自他共に認めるサッカー好きのナインティナイン・矢部浩之が、アニメ「さよなら私のクラマー」プロジェクトの応援隊長に就任。6月11日(金)公開の「映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ」に“矢部先生”役で声優として出演する。このほどそんな矢部を直撃し、久しぶりのアフレコ裏話や長年携わってきたサッカーへの思い、人生の師や自身の“若手時代”について、そしてタイトルにちなんで“さよなら”したいものなどを語ってもらった。

同作は、新川直司の人気同名コミックを原作に、主人公の女子中学生・恩田希が真摯(しんし)にサッカーと向き合う“部活ストーリー”が展開。映画版では中学生編、放送中のTVアニメ版では高校生編が描かれている。

アニメ「さよなら私のクラマー」プロジェクトの応援隊長を務める矢部浩之 ●ブルータス海田
アニメ「さよなら私のクラマー」プロジェクトの応援隊長を務める矢部浩之 ●ブルータス海田

――応援プロジェクトのオファーが来た時の率直な感想は?

「何すんの、俺?」って言いましたね、マネージャーに(笑)。宣伝応援隊長的な役割と言われてなるほどなって思いましたけど、アニメの本編にも出演するって知りましたから。そんなのできへんでって。

これまで、何回か企画ものでアフレコを経験して難しいなと感じていたんです。でも、今回は本人役でちょっとしたシャレというか本編ともつながっているストーリーだけど、別になくても成立する設定。もちろん、サッカーは大好きですし、関係者の皆さんによりよく考えていただいてありがたいなと思いました。

――まさか、ああいう登場の仕方だとは思いませんでした。

もし、矢部目当てで見に来たらちょっと怒られるかもしれないですけど(笑)、サッカーのアニメーションとしても面白いですし、個人的にも好きなお話でしたね。

――声のトーンがやや低めかなと思いましたが?

アフレコの時って、いろいろなパターンを求められるんですけど、今回は最初にやった低めの感じがすぐ採用されました。役作りは特にしていません(笑)。

――男の子たちの中に入ってサッカーと真摯に向き合う主人公・恩田希の姿はどう映りましたか?

すごく自分と重ね合わせて見ていました。線が細くてフィジカルが弱い。でも、ボールの扱いには自信がある。中学、高校と、僕にも似たような経験があったのでスッと感情移入しましたね、ノンちゃん(希の愛称)に。

ただ、ノンちゃんの方がつらいやろうなって思いました。男の子と女の子とでは、どうしてもフィジカル面で成長の差が出てきてしまいますからね。それは、ノンちゃんも分かっているんですよ。年齢を重ねていけばいくほど、男女で体力や体格の差が出てしまうことを。

自分にはもう時間がないから試合に出たい。監督もノンちゃんを出してあげたいけど、ケガをさせたくないという思いもあるし、女の子だから特別扱いするのかって言われるかもしれない。指導者として、すごく葛藤があったと思うんですよ。いろいろなメッセージが盛り込まれていて、今の時代に合っている作品だなと思いました。

――サッカーの試合もリアルに描かれていますよね?

そうなんです。ドリブルとかシュートとか、昔のサッカーアニメとは全然違うなと。当時のアニメも子どもなりに楽しんでいましたけどね。今回の作品は、しっかりとサッカーの映像になっていて見ごたえがあります。

矢部浩之 ●ブルータス海田
矢部浩之 ●ブルータス海田

――希はサッカーを続けていく中でいろいろな壁にぶつかりますが、矢部さん自身が何か大きな壁に直面した時、どうやって乗り越えようとしましたか?

若い頃は、自分より上の人と絡む時ほどツッコもうとしたりして、かなり前のめりでした。当時は“ツッコミ=頭をたたく”だったので。僕はそれを強く意識していました。

サッカーに例えると、タモリさんや(笑福亭)鶴瓶さんがボケはった時に僕が頭をはたいて笑いになれば1点なんです、ツッコミの感覚的に。

――1点を取るかどうかが勝負?

今、思い出したんですけど、昔日テレの特番でコーナーMCをやらせてもらったことがあるんですよ。相方(岡村隆史)はいなくて(ビート)たけしさんとコンビを組んでいたんです。たけしさんがかぶりものをしていたので、これはチャンスやなと。僕はメガホンを持たされていましたから。これはたたけってことやなって思ったんです(笑)。

もちろん、ここぞという時にたたかないとたけしさんに失礼ですから。今しかないというタイミングでたたいたら笑いが取れたんです。ただ、その時にたけし軍団の皆さんが僕のことをすごい目で見ていたんですよ。あんなに怖いことはなかったですね(笑)。たけしさんには、喜んでいただけたみたいだったのでホッとしましたけど。当時はそんな感じでしたね。

ただ、ある時に何か違うなって違和感を覚えたんです。ナインティナインの矢部って、これ? みたいな。その辺から少しずつ変わっていったような気がします。

――作品のタイトルにもなっている“クラマー”は「日本サッカーの父」ことデットマール・クラマー氏のことを指しているそうですが、矢部さんにとって人生の師と呼べるような人は?

サッカーで言うと、中学の時のサッカー部の顧問ですかね。3年間しかいなかったんですけど、僕に自信をつけさせてくれた人。いつもほめてくれました。

――熱血タイプの人だったんですか?

大学の時に日の丸をつけてプレーをしていた人で、どちらかというと理論と経験で指導するタイプ。けなされたことはほとんどないです。吹田選抜に出るとなった時に、僕ともう一人の選手が顧問に呼ばれたんです。結果的に僕は選ばれなかったんですけど「矢部はまだ体ができていないから、高校で頑張れ」と、理由をちゃんと説明してくれて。僕の将来を考えてくれているんだと分かって、すごくうれしかったことを覚えています。

この世界(お笑い)に入ってからの一番大きな出会いはフジテレビのスタッフ。片岡飛鳥さんにはテレビを教わりました。言われたことがスッと入ってきたんですよね。もちろん、こっちも経験を重ねていく中でそれは違うかなって思ったりしてぶつかったこともありましたけど、いろいろなことを学びました。

矢部浩之 ●ブルータス海田
矢部浩之 ●ブルータス海田

――タイトルにちなんで、今“さよなら”したいものは?

これは周りにも言われるんですけど、タバコかなぁ。なかなかやめられないんですよ。タバコの時間にとらわれているのはアホらしいなと思っている自分もいるんですけどね。

――でも、それは矢部さんにとって大切な時間?

そうなんですよ。分かっていらっしゃる(笑)。うちの兄貴は2つ違いなんですけど、禁煙外来でやめられたんですよ。僕の中ではお医者さんに「ヤバいですよ」って言われたり、病気になったらやめると決めていたりはするんですけどね(笑)。

――やめていた時期はあるんですか?

(小声で)全くないです。禁煙しようと思ったこともない。

――では、このインタビューを機に…。

やめられたら楽やなと思います。ヘビースモーカーだったのに完全禁煙できた人は尊敬に値するので、僕もそういう人間になりたいんです。ぜひ、記事にしてください(笑)。

――しっかりと「禁煙宣言」の証拠が残りますからね。

僕がタバコをやめたら、マネージャーも楽になりますよ。いつも初めての場所に行くと喫煙所がどこなのか最初に聞いているので。メイクさんも「矢部さんがやめたら僕もやめます」て言っていたので、このコメントも載せてください(笑)。

――承知しました。それでは、最後に読者の皆さんにメッセージを!

応援隊長も声優も、サッカーが好きというだけでやらせていただきました。世の中的にまだまだ大変な状況が続きますけど、これからも強い日本代表を見ていきたいですし、僕のワールドカップ現地観戦記録も伸ばしたい。Jリーグも含め、日本のサッカーのレベルが上がってどんどん強くなってほしいなと思います。

今回の映画を見てサッカーを始めてもらえたらうれしいし、サッカーをやっているけど何かに悩んだり、壁にぶち当たっている人にとってもヒントになるシーンがたくさんあると思います。

◆取材・文=月山武桜

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