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アメリカ人が日本画にしびれた! 江戸の人気絵師たちの超ハイレベルな作品が里帰り

  • 2021.6.5
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アメリカ国内最大級の日本美術コレクションを所蔵するミネアポリス美術館から、現在、多くの絵画作品がサントリー美術館に里帰り中です。若冲や写楽など、江戸時代の人気絵師たちによる作品はどれも一級品ばかり。アメリカ人を魅了した超ハイレベルな日本画をご紹介!

アメリカ人がしびれた!

【女子的アートナビ】vol. 207

サントリー美術館 開館60周年記念展『ミネアポリス美術館 日本絵画の名品』では、アメリカ・ミネソタ州にあるミネアポリス美術館(通称Miaミア)の日本美術コレクションから約90点の名品を紹介。江戸時代の狩野派や琳派、人気の若冲や北斎、写楽など有名どころの作品が集まっています。

1883年にミネアポリスの市民や実業家が美術協会を設立したことからはじまったMiaは、現在、世界各地の美術作品を約9万点所蔵。そのうちの約9,500点が日本美術です。

これらのコレクションは、日本の絵画や浮世絵に魅了され作品を集めたアメリカのコレクターたちが、多数の作品を美術館に寄贈して築き上げました。

本展では、その膨大なコレクションのなかから選び抜かれた名品が来日。アメリカに渡ってから、はじめて里帰りをする作品も多く展示されています。

名品が続々登場!

会場では、日本美術の流れがわかるような展示構成になっています。

まず「第1章 水墨画」では、室町時代に活躍した雪村周継(せっそん しゅうけい)の個性的な水墨画《花鳥図屛風》からスタート。

一見ちょっと地味な水墨画ですが、よく見ると鳥や鯉が生き生きと描かれて、表情もユニークです。この作品は、Miaの日本絵画コレクションのなかでも名品のひとつです。

続く「第2章 狩野派の時代」の注目作品は、狩野山雪(かのう さんせつ)の《群仙図襖(旧・天祥院客殿襖絵)》。

もともとは京都の妙心寺にあった襖絵で、中国の仙人の姿が描かれています。江戸時代の初期に描かれ、由緒ある京都のお寺からアメリカに渡ったこの作品、これまでどんな人たちに愛でられてきたのか、想像するだけでわくわくします。

キリギリスの恋バトル!

「第3章 やまと絵―景物画と物語絵―」では、ぜひ《きりぎりす絵巻》をご覧ください。やまと絵とは、中国の絵画様式を日本化したもので、優美な風景や物語などが描かれています。

虫を擬人化した恋愛物語《きりぎりす絵巻》では、美しい玉虫姫をめぐり、セミの右衛門督(うえもんのかみ)、キリギリスの紀伊守、ヒグラシの備中守が恋のバトルを繰り広げます。

美しい着物を身につけた虫たちが描かれているのですが、よく見ると顔はネズミのような動物顔で、なんともユニーク。優美な絵巻とゆるいストーリーのギャップに、アメリカ人もしびれたかもしれません。

貴重な写楽や北斎も!

続く「第4章 琳派」では、酒井抱一や鈴木其一などの絵画、「第5章 浮世絵」では喜多川歌麿や東洲斎写楽、葛飾北斎などの錦絵、さらに「第6章 日本の文人画<南画>」では与謝蕪村の掛け軸などを展示。特に写楽の作品は保存状態のよいものがあり、見ごたえがあります。

若冲や渡辺省亭もあります!

また、「画壇の革新者たち」と題した第7章では、18世紀に活躍した人気絵師、伊藤若冲の質の高い作品を3点展示。

最後の「第8章 幕末から近代へ」に行くと、大正時代までの作品が登場し、今話題の画家、渡辺省亭の作品も展示されています。

アメリカで大事に保管されてきた日本美術の里帰りとなる本展は、サントリー美術館のあと福島県立美術館、滋賀・MIHO MUSEUMほかに巡回予定です。ぜひお見逃しなく!

Information

会期 :~6月27日(日)
会場 : サントリー美術館
開館時間 : 10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)*入館は閉館30分前まで
休館日 : 火曜日
観覧料 : 一般¥1,500、大学・高校生¥1,000

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