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【これがワタシの生きる道】【ぼる塾・田辺智加】好きなものを突き詰めたら、仕事も友達も増えた

  • 2021.6.4
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「ひとりでも前に出られる」ことを評価してもらえた

――ぼる塾って、現在、テレビでは3人で出ている姿を観るけれど、 実は産休中の酒寄さんとの4人組なんですよね。猫塾としんぼるが合流した話はけっこう聞くんですが、猫塾の相方となる酒寄さんとの出会いはどんなものだったんですか?

田辺「酒寄さんとの出会いについては、はっきりと覚えてますね。NSC(吉本興業が運営するお笑い養成所)に入りたての頃、私はあんまり群れてなかったので、友達もいなくてコンビも組んでなかったんです。ネタ見せの授業のときも、ひとりでネタを見せたほうがいいのか、もう少し待って相方ができてからのほうがいいのか悩んだんですけど、ひとりでも一旦、ネタ見せしてみようと思って、その授業に参加したんですね。でも、始まったらものの10秒でネタを忘れてしまって、先生に怒られてしまったんです。その様子を酒寄さんが見ていて、『この人はひとりでも前に出られる子なんだ』って思ってくれたみたいで、それで声をかけてくれたんです」

「ひとりでも前に出られる」ことを評価してもらえた

――そのとき、酒寄さんもネタ見せをしていたんですか?

田辺「別のコンビでネタ見せしてました。ただ、そのときの相方が、別の学校に行きながらお笑いをやっていて、お笑いに集中できなかったみたいで。その解散をきっかけに、私と組むことになったんです」

酒寄さんは、旦那さんより私を助けると言ってくれる人

――酒寄さんは、同期の中でどんなタイプでしたか?

田辺「すごく大人しいんですけど、内に秘めたものがあるというタイプでした。私たちがコンビを組んだときから、酒寄さんはお笑いに対してストイックで、『組んだからには一番になろう』って言ってました。私にはそういうところがなかったので、『この人についていこう』って思いました。最初のうちはクラスでの飲み会とかも多かったんですけど、私も酒寄さんも、あんまり行ってなくて。私と酒寄さんは、二人の絆を作ろうとしてたところが大きかったのかもしれないですね。それと、たぶん私たちだけ浮いてたということもあったのかも……」

――二人の絆のほうがNSCのときから重要だったんですね

田辺「そうですね。今も、私たちは誰よりも仲がいいと思います。前に、私と旦那さんが崖から落ちそうになったら、酒寄さんは迷わずに私を助けるって言ってました。その頃、私がまだ実家で暮らしてて、売れてない頃だったんですけど、酒寄さんが家を建てるときは、屋上に田辺さんの部屋を作るって(笑)。旦那さんもそうだねって言ってくれたみたいです」

益若つばささんに憧れて27歳で109で働くことを決意

――田辺さん自身は学生時代には芸人になるということは考えてなかったんですよね。

田辺「まったく考えてなかったですね。私の人生、いきあたりばったりで。短大時代は某テーマパークでバイトを始めて、楽しくて7年間も働いていました。27歳で益若つばささんを見て、急にギャルになりたいと思って。それで、バイトを辞めてギャルになって。109で働きたいと思ったけど、年齢制限もあって働けなかったんです。それでも毎日渋谷に通ってました」

益若つばささんに憧れて27歳で109で働くことを決意

――ギャル時代が終わってからはどうしてたんですか?

田辺「ちょうど働いてなかったときに、友達と連絡を取っていたらアニメを薦められて。そこから声優さんや歴史にも興味を持つようになりました」

――聞いてもよければなんの作品ですか?

田辺「『薄桜鬼』にハマったんです。そのアニメで沖田総司さんが好きになってしまって。そのまま史実の沖田さんのことも好きになったので、沖田さんの終焉の地に、『薄桜鬼』を薦めてくれた友達と行こうということになって、浅草に遊びにいったんです。浅草のお寺にも行ったんですけど、そしたらそこのお寺の方が、『これからテレビの収録があるらしくて、ここで待ってたら占ってくれるみたいだから、もしよかったらここにいて』って教えてくれて、そこで島田秀平さんに占ってもらったんです」

フルーパフェ

――それが、芸人になるきっかけになったんですよね?

田辺「そうなんです。ミーハーだったんで、そのお寺で待っていたら、島田さんが手相を本当に見てくれて『人気者になる』と言ってくれて。その言葉を信じて芸人になりました」

――芸能界に入ってから島田さんには会われたんですか?

田辺「それはまだなので、このことを伝えられていないんですよ」

ジュニアにハマって亀梨くんと出会う。アニメ、スウィーツとの出会いも友達のおかげ

――そうだったんですね。そのときNSCを選んだのは?

田辺「お笑いに関して無知だったので、お笑いイコール吉本で、ほかの事務所のこともぜんぜん知らなかったんです」

ジュニアにハマって亀梨くんと出会う。

――いろんなことにハマってきたことが今につながっているんですね。

田辺「いろんなものにすぐに飛びついちゃいますね。中学2年のときはV6が好きになってライブに行くようになって、ジュニアにもハマって、それで亀梨くんにも出会えたし。27歳でアニメにもハマったし、『美男<イケメン>ですね』とかBIGBANGで韓国にもハマって韓国語も勉強をはじめたりして(編集部注:韓国語検定1級を取得)。そういうことって、いつも友達がきっかけをくれるんです。アニメのことを教えてくれたのも、おいしいスウィーツ のことも、あと、いろいろな考え方だったりについても。いつも連絡を取り合っていて。その子は今、ちょうど妊娠していて、家にいる時間が長いので、ほぼ毎日くらい連絡を取り合っています」

――昔だと、女性は結婚や出産とかでライフステージが変わると、今連絡したら悪いかな、みたいなことを思いあって疎遠になるということもよくありましたが、そういうこともなかったんですね。

田辺「その子は、うちに閉じこもっていると気分が暗くなるから、私と連絡をとるのが楽しい、癒しになるって言ってくれてます」

同居しているはるちゃんとは会話がなくても“二人でいる”って感じ

――今は、相方のはるちゃんと二人暮らしをしてるんですよね。生活が変わっても、そういう以前からの友達や、趣味に対する向き合い方も変わらずなんですか?。

同居しているはるちゃんとは会話がなくても“2人でいる”って感じ

田辺「ほんとにはるちゃんとはお互い干渉しあわないので、一緒にリビングにいても、ほぼ無言です。気を使わない程度のいい距離感です。はるちゃんはだいたい、お酒を飲んでYouTubeを見てて、私は傍らで『コナン』を読んだり、雑誌を読んだり。お互い、自分の部屋はあるけど、部屋にいるよりは、リビングにいて、会話なくても二人でいるって感じなんです」

――いい関係性ですね。

田辺「食べるものも違いますしね。はるちゃんは自炊しないんですけど、わたしは一人分作るのもあれだから、『いる?』って聞くんだけど、『いらない』って。でもそれくらいがいいんです。あんりは、また別の同期とシェアハウスしてるんですけど、あんりは、わたしたちがぐうたらしてるのを見たら、いらっとしちゃうかもしれないから(笑)」

――ぼる塾でやってるYouTubeもいいですね。

田辺「YouTubeを始めたきっかけは、ぼる塾は4人だよってことを伝えるためだったんです。最初は企画っぽいものも考えたけど、私たちっぽくないねってことになって。で、私たちは普段何やってるんだろうって考えたら、食べてるなって(笑)。最近はホットプレートを買ったから、それでもんじゃ焼きを作ったり。私たちは誰も見ていないくらいの気持ちでやってるから、アンケートやコメント欄で反応が返ってきて、たくさんの方が見てるとわかると震えるっていう(笑)。最近は街中で声をかけてもらうときもYouTube見てますって言ってくれる方が増えてきましたね」

ぼる塾結成前から「あんりに怒られたい」と全員が思っていた

――最近はテレビからYouTubeにという動線の反対もありますもんね。テレビでは、あんりさんのつっこみが無双状態だったりもして、それも見ていて気持ちがいいですね。

田辺「今のぼる塾は4人ですけど、この4人になる前から、私たちはあんりに怒られたいってのがあって。最近は、そういう空気を出すと、あんりから『もう、なんて言われたいんですか!』って怒られます(笑)」

――テレビを見ていても、あんりさんのべらんめえ口調のつっこみに夢中な人も多いようで。オードリーの若林さんとか。

田辺「ヒロミさんも、あんりを養子にしたいって言っているくらいです(笑)」

ぼる塾結成前から「あんりに怒られたい」と全員が思っていた

好きなことを突き詰めたら芸能界でも友達ができた

フルーツパーラーフクナガ

――今、田辺さんはスウィーツで番組に呼ばれることも多いですね。

田辺「そうですね。ただいろんなものを食べてきただけなんで。友達も食べ物がきっかけでできることも多かったですね。これは昔っからなんですけど、高校の頃から食べ物で友達が増えてきて。芸能界も、常にぼる塾でいることが多いので、なかなか友達ってできないのかなって思ってたんです。でも、最近は食べ物のことで、芸能界でも指原莉乃さんや水卜麻美さんとも一日で仲良くなれて。『コロナが終わったらご飯にいこうね』って言いあって。これも好きなことを突き詰めてたからだなって」

好きなことを突き詰めたら芸能界でも友達ができた

――番組では、スウィーツ の記憶もすごく克明に覚えてる感じがしますけど、メモをとったりしてるんですか?

田辺「それが仕事になってきてるってことは、メモをとったりしたほうがいいのかもしれないんですけど、やってないんです。ノートだけは一丁前に買ったんですけどね。今後も続けたいので、その努力はしないといけないかもしれないです。私は努力が嫌いで、今まで何かに対し努力をしてきたと胸を張って言えることはありません。そんな中、今、お笑いだけで食べていけてる状態は、周りの人に感謝しないといけないなって。自分はいるだけなんで。本当に周りに助けられています。ただ、努力はしてないんですけど、好きなものは突き詰めてきたという自信はあるんですよ」

――自分の「好き」があるから、ノートなしでもやれてるのかもしれないですね。

田辺「そうですね。好きなものに対してはなんでも苦にならないです」

後編に続く

ロケ場所は、フルーツパーラーフクナガ
田辺さんのオーダーは、フルーツパフェ。店主おすすめのマンゴパフェも絶賛&完食!

ぼる塾 田辺智加

ぼる塾 田辺智加
profile
「猫塾(酒寄希望、田辺智加)」と「しんぼる(きりやはるか、あんり)」でそれぞれ活動していた2組が、酒寄の産休をキッカケに2019年「ぼる塾」を結成。ぼる塾のボケ担当。スウィーツ、アニメ、アイドルなど、いろいろな推し活にも注目が集まっている。

聞き手/西森路代(にしもりみちよ)
コラム、インタビューを中心に、ユリイカ、GALAC、リアルサウンド、現代ビジネス、&M、CINRA、朝日新聞、ハフポストなどで執筆中。近著『韓国映画・ドラマーーわたしたちのおしゃべりの記録2014〜2020』『「テレビは見ない」というけれど』(ともに共著)
Twitter:https://twitter.com/mijiyooon

撮影/山本佳代子
HP: https://www.kayokoyamamoto.com/

ヘア&メイク 神谷真帆(ROI)

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