1. トップ
  2. sumika、両A面シングル「Shake & Shake/ナイトウォーカー」リリース!「多面体であることを伝えないと気が済まない癖がここ数年ずっとあって(笑)」

sumika、両A面シングル「Shake & Shake/ナイトウォーカー」リリース!「多面体であることを伝えないと気が済まない癖がここ数年ずっとあって(笑)」

  • 2021.6.2
  • 128 views
両A面シングル「Shake & Shake/ナイトウォーカー」をリリースするsumika 撮影=後藤壮太郎
両A面シングル「Shake & Shake/ナイトウォーカー」をリリースするsumika 撮影=後藤壮太郎

「Shake & Shake/ナイトウォーカー」ジャケット

TVアニメ「美少年探偵団」(テレビ朝日系)オープニングテーマであるアップテンポでウキウキするような曲調の「Shake & Shake」と、アーバンソウル調の「ナイトウォーカー」。この対極的な2曲を両A面シングル「Shake & Shake/ナイトウォーカー」としてリリースしたsumika。

TVアニメ「美少年探偵団」(テレビ朝日系)は作家・西尾維新の小説シリーズ「美少年シリーズ」が原作となっている。

片岡健太「sumikaを組んで割とすぐの時期に、メンバーの隼ちゃん(黒田隼之介)が、物語シリーズの本を『好きな作家さんなんです』って渡してくれたことがあって。いつか何かできたらいいなあっていう出会いだったので、今回このようなお話をいただいて、メンバーから教えてもらったことが自分のやりたいこととして実現することにすごく夢があると思いました。もちろん西尾維新先生へのリスペクトもあるので、いろんな角度の喜びを持って曲の制作に臨ませてもらいました」

黒田隼之介「僕は、自分の今回のオープニング曲についてつぶやいたツイートが西尾維新アニメプロジェクトのアカウントにリツイートされた画面をめちゃくちゃスクショしました(笑)。うれしかったです」

「Shake & Shake」は歌詞にある通り“最高のパレード”が具現化したような、とても賑やかで華やかな楽曲だ。

片岡「sumikaは多幸感があってハッピーな気持ちになる楽曲というのを一つの武器としてやってきていたんですが、ここ数年封印してたところもあって。だけど自分たちの美学をもう一度リビルドするのであれば、『美少年探偵団』というとても美学が感じられる作品のタイアップとして出すのが一番腑に落ちる気がしたんです。

ただ、昔やっていたことをリビルドして『ネタがつきたのか』って思われるのはクリエイターとして悔しいところがあるので(笑)、何か進化や誇れる部分がないとこのアプローチをする気にはならなかった。それで分かりやすく二番のBとかガチガチに打ち込んだり。あと、このテイストにニュージャックスイングをぶち込んだり、ピアノソロに行くところも、サビと同じコード進行でいくのが定石ではあるんですが、ちょっとロカビリーっぽい演奏にして。そういう新しい要素を取り入れて、最新のsumikaにアップデートされてますって言いきれる曲になったと思います」

荒井智之「こういう方向性の楽曲がちょっと久しぶりで。帰ってきた感じが自分たちでも、『なんか良いな』と思いました」

両A面シングル「Shake & Shake/ナイトウォーカー」をリリースするsumika 撮影=後藤壮太郎
両A面シングル「Shake & Shake/ナイトウォーカー」をリリースするsumika 撮影=後藤壮太郎

MVは、総勢29人が出演するワンカット映像になっている。

片岡「監督が夏目(現)さんっていう方なんですけど、今までやったことないことをやらないとぐっとこないよねっていう話をして。その上で二番に“紆余曲折ノンカットでショータイムに口上してさ”っていう歌詞があるんですけど、それを地でいってみるのはどうかってことになったんです。切れ目を感じさせないというのは、この時代だからこそなのかもしれないけど、すごく大事な気がしていて。それでワンカットにこだわって作ったので、撮影が終わったときにはみんなでゴールテープ切ったみたいな感動がありました(笑)。作っていく過程にもいろんな発見があって、行程も含めて楽しめたのは、監督との以前からの関係性や自分たちの過去の作品へのライバル心も大きかったと思うので刺激的でした」

MVにまつわるエピソードからも、sumikaにとってチーム力がとても重要であることが伝わってくる。

片岡「音楽って一人でやれないと思っているので。誰かと合奏する──それは音楽だけじゃなくて映像もそうですし、スタッフの方との関係性もそうですし、関わっている全員と表も裏も関係なくいられるからこそ、作り上げられているもので戦わないといけないと思っています。特に去年とか、家から出られない状況がすごく多くて。オンラインでつながれることが武器ですって思えた部分もあったんですけど、やっぱりそれを超えるような感動を作るのはフィジカルでつながれるチームなんじゃないかなって思って。今一度、そこがやっぱり最強なんだよっていうのを証明したい気持ちはあります」

コロナ禍において、一リスナーとしての嗜好の変化も感じたという。

片岡「『全員で何かを作り上げました』っていうものが全面に押し出されている音楽を聴くのが辛い時期が去年長くあったんです。この大変な状況の中、無理やり頑張らなきゃいけない気になってしまって。音楽界でも、べッドルームに合う、ゆったりとしたテンポで音数も少なく、声もあまり張らないものがトレンドになりましたよね。それを重々理解した上で、去年みたいな状況を乗り越えて、最初に聴く音楽はsumikaであってほしいという思いが音楽好きの一リスナーとしてあったんです。

だったらそういう曲を自分たちで作ってテンションをあげるのが正しいんじゃないかと思って、こういう賑やかで元気が出るような方向性の曲になりました。今はライブで一緒に歌えないっていう制約がありますが、それを乗り越えた先にそういう光景があるなら、そこに向けて頑張っていける気もしていて。そういう希望や祈りや願いを込めて作ったところもあります」

両A面シングル「Shake & Shake/ナイトウォーカー」をリリースするsumika 撮影=後藤壮太郎
両A面シングル「Shake & Shake/ナイトウォーカー」をリリースするsumika 撮影=後藤壮太郎

一方「ナイトウォーカー」は、作曲は小川、作詞が片岡。艶やかでメロウなラブソングだ。

小川貴之「先に『Shake & Shake』ができあがって、もう一サイドに何を入れるかという話になったときに、こういったテンポの曲で、というやんわりとした到達点が出てきて。それで僕がこういう曲が得意だったので狙い撃ちで作っていきました。元は、ドライブをきっかけに恋したいなって思ったんです(笑)。そのテーマを見つけた瞬間、サックスのメロディーやコーラスの感じがおりてきて。それで骨組みを片岡さんに伝えたら、『面白い』って言ってくれて、自分でドライブに行って、世の中でドライブで恋は始まっているのかっていうのを実際見てきてくれたっていう(笑)」

片岡「3日間車に乗りながら他の車の中をジロジロ見るっていう市場調査に行ったんですけど、ソロドライバーが多くて(笑)。歩道を見たらカップルがちゃんといて、ここにリアルがあるって思って、何組かぼーっと見てましたね。小川君が曲を作った経緯も聞いていたので、ちょっと背伸びした感じがある方がリアルだなって気がして。『Shake & Shake』はフィクション感があるので、『ナイトウォーカー』は対比として、歌詞もノンフィクションにしたいなって思いました。だからこそ自分の体験を引っ張り出してくるよりも、誰かの今のノンフィクションにしたいと思ったんです。その方向で書ききったのは久しぶりかもしれないです」

黒田「聞いたときに『大人の曲』っていう印象があって。それで自分の中の大人な要素を探しながら、ギターを弾かせていただきました。リズムの取り方がこれまでと違ったので、ギターも新しい挑戦として色々試行錯誤しました。それでみんなも良いって言ってくれたので、『よし!』みたいな」

小川「音から感じられる年齢感はちょっと上がっていると思います。ここまで落ち着いてるアーバンな感じは、今までのsumikaにはなかった曲ができたのかなって思います」

荒井「sumikaの対照的な武器の2曲が入ったシングルになった気がします。お互いが引き立たせ合う素晴らしいバランスだなと」

片岡「過去作からひも解いても、一回表みたいなのができたら一回の裏を作りたくなるみたいなところがあります(笑)。一面知ってもらえたら、違う面も知ってもらえたらもっと楽しいのになって思うので、多面体であることを伝えないと気が済まない癖がここ数年ずっとあって(笑)。バラバラの曲があって、『本当に全部同じバンドなのかな?』と思われるのはすごくいいことだと思うんです。

いろんな表現をするのが、自分が自然体で音楽をやれる秘訣だったりするのかなって思ったりします」

取材・文=小松香里

元記事で読む
の記事をもっとみる