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村上春樹がDJをつとめるラジオ「村上RADIO」 レイ・チャールズ名盤&カバー楽曲を大特集!

  • 2021.5.31
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作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMの特別番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。5月30日(日)の放送は、「村上RADIO~RAY CHARLES SONG BOOK~」と題して、アメリカのソウルシンガー、レイ・チャールズの楽曲に焦点を当てた特集をお送りしました。村上さんが選曲したレイ・チャールズの名曲や、さまざまなアーティストによるカバーバージョンもオンエア。この記事では、オープニングトークと、前半2曲についてお話された概要を紹介します。

村上RADIO

こんばんは、村上春樹です。村上RADIO、今日から月に1回の放送になりました。毎月最終日曜日の夜、こうしてお届けしています。カレンダーの最終日曜日に印をつけておいてくださいね。さて、今日は「RAY CHARLES SONG BOOK」をお送りします。

レイ・チャールズは1930年に生まれ、6歳のときに病気で盲目になりました。幼い頃からピアノを学び、独特のソウルフルなスタイルを持ったシンガーとして人気を得て、白人からも黒人からも等しく支持される、歴史的なスターになりました。

僕はこのあいだ彼の伝記を読んで。マイケル・ライドン(Michael Lydon)の書いた「Ray Charles:Man and Music 」という本なんですが、いろいろと感じるところがあり、特集をしてみようと思い立ちました。彼がヒットさせた曲を、いろんな歌手がいろんなふうに歌います。楽しんでください。

◆Ray Charles「Hit the Road Jack」

◆Shirley Horn「Hit The Road Jack」

「ヒット・ザ・ロード、ジャック」を、まずレイ・チャールズご本人の歌で、それからジャズ歌手シャーリー・ホーンが、ピアノの弾き語りで歌います。僕が10代の頃は「旅立てジャック」というタイトルで、日本でヒットしました。素敵なタイトルですよね。「可愛い子には旅をさせよ」みたいな感じで。でも内容的にはちょっと間違っています。

“Hit The Road”というのは辞書を引くと、確かに「旅に出る」という意味が最初に出ていますが、この歌の場合は「さっさと消えちまいな」という意味です。ジャックは固有名詞じゃなくて、「あんた」みたいな感じの呼びかけですね。要するに、女の人が稼ぎのないぐうたら男を家から追い出す歌です。「ヒット・ザ・ロード、ジャック」、みなさんもいけないことをして家から追い出されたりしないように気をつけてくださいね。

◆Bobby Darin「What'd I Say」

「What'd I Say」、この曲、日本でもずいぶん流行りましたけど、僕が最初に聴いたのはレイ・チャールズじゃなくて、ボビー・ダーリンが歌うバージョンでした。当時はレイ・チャールズよりボビー・ダーリンのほうが日本では有名だったんです。ボビー・ダーリンの「What'd I Say」を聴いて、かっこいいなあと思っていました。レイ・チャールズの歌を聴いたのは、もっとあとなんです。

僕はまだ中学生だったので、「What'd I Say」というタイトルの意味がよくわからなくて、英語の先生に質問しました。「この『What'd I say』は『What did I Say』ですか? それとも『What would I Say』ですか?」って。「そんなもん知らん」とすげなく言われました。まあ、先生はレイ・チャールズなんて聴きませんよね。正解は「What did I say?」です。「今おれ、なんて言った?」ですね。「ヒット・ザ・ロード・ジャック」もそうだったけど、男女の間の「call and response」、つまり「呼びかけと応答」の歌です。

<番組概要>

番組名:村上RADIO~RAY CHARLES SONG BOOK~

放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット

放送日時:5月30日(日)19:00~19:55(※放送日時が異なる局があります)

パーソナリティ:村上春樹

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

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