自分の助言で誰かの背中を押すことができたら。占い師に弟子入りしてみた

編集部員がパラレルキャリアを探すために「仕事旅行社」を使って職業体験する「とりあえず、やってみた」企画。今回はアシスタントのタカギが「占い師になる旅」を体験してきました。

普段から周りからの相談にうまくアドバイスができず、解決するどころかただ話を聞くことしかできないともどかしく感じていました。そんなとき、後輩がタロットカード占いに背中を押されている姿を見て、もし私が占いを覚えたら身近な人たちの気持ちを前向きに変えるきっかけになれるかもしれないと思い、占いの旅を選択しました。

今回お世話になったのは、占い師歴18年の大ベテラン、ルビーL先生。占いといっても、西洋占星術や東洋占星術、タロットや手相まで、素人の私が知っているだけでも鑑定の方法はさまざま。ルビーL先生は、西洋占星術をメインに行いつつ、手相占いとタロットカード占いの、3つを組み合わせて総合的に判断するスタイルで鑑定を行なっているとのことでした。

「自分と向き合う西洋占星術」体験

まずは実際にルビーL先生に鑑定をしてもらいながら、占い師が鑑定で行う一連の流れを体験していきます。

ルビーL先生の鑑定のメインである西洋占星術からスタート。西洋占星術とは、生年月日・出生時刻・出生地から計算した10天体・12星座の配置を図にしたホロスコープから、その人の特徴や考え方、人間関係や相性、これからの運勢などを読み解いていく占いのこと。名前は聞いたことはありましたが、星の動きから思考や性格などパーソナルなところまで見えてしまうことに驚きました。

「星座にも、外の顔を表す太陽星座と、素の姿を表す月星座の、ふたつの視点からの読み方があります。この太陽星座と月星座が同じなら、自分のなかに葛藤がなく、他人から見ても性格が良いと思われがち。ところが太陽星座がスピーディさを求めているのに対して、月星座が慎重になったりすると、心のなかで矛盾が生じて葛藤する人もいたりします。この太陽と月の組み合わせを理解できるようになると、自分のことがより分かるようになります。この場面では太陽星座の性格を出そう、あのシーンでは月星座の性格の方が適しているなど、年齢とともに特性をコントロールができるようになれば少し生きやすくなるかもしれません」

先生が太陽星座と月星座を説明してくれたように、自分の人格や特性を知ったうえで行動すれば、何か物事を判断する際も少し先まわりすることができるのかなと思いました。

西洋占星術に対して複雑で難しいイメージがありましたが、月星座の違いによる自分の外面と内面の違いをコーヒーとミルクの混ざり具合の違いだと、先生がわかりやすいたとえを交えながらお話ししてくださいました。覚えることやルールが膨大にあり全て学ぶとなると時間がかかりそうですが、これができるようになったら相談者の背中を強く押すことができそうだと感じました。

脳からうまれる？ 手相占い

続いて、手相占いも体験。脳との関係性が深いといわれている手相です。

最初に見るのは頭脳線。手のひらの真ん中を横切る頭脳線から、現実的かロマンティックなタイプなのかなど、その人の思考を分析していきます。そのほかにも、これまでの経験や適職、適性、ストレスなどの心の状態を手相から鑑定していただきました。占いによると、私はロマンチックなタイプとのこと。あまり自覚がなかったのですが、過去を振り返るといくつか思い当たる節がありました。

自分の手のひらをこんなにもじっくり見られることなんて普段ないので、変に緊張しました。それぞれの線にはルールがあるようなので西洋占星術より覚えやすい印象。これなら何かで悩んでいる子をパッと見てあげることができたり、相手のことをより深く知ることができそうだなと思いました。

背中を押されるタロットカード占い体験

ひと通り鑑定の流れを教えていただいた後は、いよいよ私が占う番です。22枚のタロットカードを使って、先生から与えられたテーマについて占ってみました。

そのテーマは「オリンピックは開催されるのか、されないのか」

個人的には、世界でコロナが落ち着き、何も気にせず思い切り楽しみを共有できるようになってからの開催が望ましいのですが、果たしてどんな結果が出るのでしょうか。

まずはカードをシャッフルしていきます。このとき、邪念はすべて捨て、意識を空にすることが大事だそうです。先生によるとこの作業は、経験値が浅い新米占い師の方が占いに対する過去のイメージがついていないため、心がクリーンな状態で行うことができるのだとか。

カードが揃ったところで1枚ずつ順にめくっていきます。すると、何枚か逆さに表示されたカードがありました。タロット占いでは、このカードの向きも重要で、逆位置で出たカードは、本来のカードの意味とは反対の意味になるのです。

カードの意味を先生に解説していただくと「オリンピックは混乱状態の中、開催するのでは」とのメッセージが出ていることを指摘されました。あくまでタロットカードの結果にしかすぎませんが、確かに世の中のニュースを見ると開催する方向で動いているような気がします。自分の占いの結果の答え合わせができるのももうすぐなので、どうなるのかを心待ちにしたいです。

こうして約3時間半の体験が終了。先生が終始楽しそうに鑑定している姿が印象的でした。

些細な出来事からなんとなく興味の湧いた占いでしたが、「占いは有益」と先生が言うように、“怪しい”と遠ざけるのではなく、人や自分の悩みを解決したり、未来をより良くするためのヒントに大いに役に立ちってくれそうだと思いました。そして自分や相手をより知るための手段として占いを日常に取り入れてみたら、いつもより前向きに頑張れるような気がします。

【ルビーL先生】
http://www.ruby-tarotcafe.com/
https://ameblo.jp/tarottoruby/

取材・文：タカギ（Harumari TOKYO編集部アシスタント）