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本当に大切にしたいモノと価値観を見つめなおす場所。日本橋馬喰町「DDDホテル」宿泊レビュー

  • 2021.5.28
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自分にとって、本当に必要なものって何だろう。

そんなことを考えさせられるきっかけとなるホテルに出会いました。

ホテルの名は「DDD HOTEL(以下DDDホテル)」。シックなレンガ造りの建物、空間を広く使ったラウンジスペース、そして上質なアメニティが豊富に取りそろえられた、シンプルな内装の部屋。

今回DDDホテルが、goodroomのホテルパスに新たに加わったということで、1泊のお試し宿泊をさせていただくことになりました。

 

騒がしくなく、落ち着いた雰囲気のホテル内は、長期で滞在していても心地よく過ごすことができそう。そんな気持ちで受付を済ませ、さっそく支配人の草野謙尚さんにお話を伺いました。

徒歩10分圏内に5駅ある、アクセスの良さ

JR浅草橋駅周辺には、飲食店などが豊富にあります

DDDホテルがあるのは、中央区の日本橋馬喰町。徒歩10分圏内に、JR総武本線「馬喰町」駅やJR総武・中央緩行線「浅草橋」駅、そして都営浅草線の「浅草橋」駅、「東日本橋」駅、「馬喰横山」駅があり、とてもアクセスの良い立地にあります。成田空港や羽田空港、東京ディズニーランドなどへも行きやすいため、新型コロナウィルス拡大前には、多くの観光客で賑わっていたのだそう。

馬喰町駅へは、ホテルの出口すぐの場所に地下道があり、ほぼ直結で向かうことができます

現在は日本人のカップルや、20代~30代の女性に多く利用されています。なかなか遠出ができない分、気分転換で利用する方も増えているのだとか。

リビングのように使える、カフェラウンジスペース「abno」

ホテルの受付は建物の2階にあります。エレベーターを降りてすぐに目に入る、大きな窓からは柔らかな光が差し込み、「今日からここで何かが変わるのかも」、そんな気分にさせてくれます。

受付にあった生花。「ようこそ」の気持ちが表れていてうれしくなりました

右手には受付と、カフェ「abno」があります。席数もとても多く、様々なタイプの座席が用意されているため、友達と談笑したいときは照明が少し暗めのソファ席、仕事に専念したい時は広々と奥行きのある窓際の席など、利用シーンに合わせてくつろぐことができそうです。

昼間仕事をするなら、絶対に窓際がいい!

ほかにもテーブル席や、ソファ席も

abnoでは、シングルオリジンの豆だけを使用したこだわりのコーヒーを、経験を積んだバリスタが一つずつ丁寧に淹れてくれます。またパンはフランスから直輸入されたもの。ショーケースに並ぶクロワッサンは本当に美味しそう!仕事に疲れてちょっと一息つきたい時。このスペースは重宝しそうです。(※宿泊者含めて、利用にはコーヒーやジュースなどを注文が必要です)

草野さん「DDDホテルでは、”クリエイターに活躍の場を提供したい”という想いを大切にしています。例えば1階のレストランのシェフやアートギャラリーの作家、abnoのバリスタもそうです。

そうした新しい価値観と、上質なものに触れる機会を提供することで、宿泊者の方々にも良いものを選ぶ面白さを感じていただければうれしいです」

上質なものに触れる機会を提供してくれる。こだわりのアメニティの数々

続いてはホテルの室内へ。廊下にはDDDホテルのキーカラーでもある、深いモスグリーンの色合いが使われています。ラウンジスペースで仕事をした後に、客室へと向かう。この間にどんどんとリラックスできるよう、考えて造られた設計なのだそう。

カードキーもシンプルでおしゃれ

今回宿泊させていただいたのは、goodroomホテルパスの中でも一番お手頃に利用できる、ミニマルダブルのお部屋。14㎡ほどのコンパクトな室内には、ダブルサイズのベッド、収納スペース、冷蔵庫が備わっています。

シャワールームとトイレ、洗面台は個室ごとに備え付けなのも長期滞在ではうれしいポイント。

そして驚いたことが一つ。実はDDDホテルには客室にテレビがついていないんです。

草野さん「お客様に一番驚かれるのは、テレビがないことかもしれません。でもこのホテルでは、極力余計なものをそぎ落として、厳選したクオリティのものだけを提供したいと考えています。

その上で『自分にとって生活に必要な、こだわりってなんなのか』ということを考え、何か気づきを得るきっかけになればいいな、思うんです」

草野さんが「上質なもの」とおっしゃるアイテムはどんなものなのでしょう。一つ一つ見ていくことにしましょう。

まずはベッド。日本の老舗ベッドメーカーの「フランスベッド社」の協力のもと、すべて特注品で製作されたものだそう。高密度のスプリングマットレスで、畳ほど硬くなく、柔らかすぎず、身体が沈み込みすぎないのが特徴で、ぐっすりと眠りにつくことができます。

シーツは100%綿素材のもので、こちらもすべてオリジナルで製作。デュベ(布団)や枕は京都にある老舗企業「大東寝具」と共同で開発したもの。枕は硬さの異なる2種類が用意されています。

一晩泊まっただけですっかり魅了されてしまったのは、ルームウェアとドライヤー、そしてシャンプーなどのアメニティです。

ルームウェアは肌触りの良いコットンの素材を使用しています。ユニセックスなデザインの、ワンピースタイプのもの。ズボンがなくても心許なさを感じず、リラックスして過ごすことができました。部屋の中にいる着心地を外に持ち出せる、ポータブルな空間としての衣服を提案するファッションデザインレーベル「HATRA」によるデザインです。

ドライヤーは「Nobby by TESCOM」のイオンを含んだ大風速の風が特徴。ショートカットの私でも、自宅で使用しているものの半分の時間で乾いてしまったと感じるほど、あっという間にサラサラの髪に。これはすぐにでも購入したいくらい!

そして「Aid社」製のアメニティは、敏感肌の方でも安心して利用できる素材でつくられたもの。敏感肌用とはいえ、泡立ちはとても良く、香りも豊か。ドライヤーと合わせて使えばより一層効果が表れるのだそう。私は極度の敏感肌で、ホテルに置いてあるものを使用するのは躊躇しがちなのですが、安心して使用することができました。市販はされていないものとのことで、とても残念……。

最後にタオル。ラグジュアリーリネンブランドの「Decamps(デキャン)」製のものを採用。厚手だけれど、ふんわりとしていて、吸水性もバツグン。薄いものだと翌日になっても湿っていて使い心地が損なわれることもありますが、翌朝にはしっかり乾いていました。長期で泊まる際にもうれしいですね。

ここまでご紹介してきた通り、DDDホテルの客室にあるもの全てには、一流のブランドが作ったこだわりのアイテムばかりが揃っています。「上質なものを使用して体感してみてほしい。これは必要だと感じたら、ぜひご自身の生活にも取り入れて、より豊かな生活を送れるようになればうれしい」という草野さんたちホテルスタッフの想いが伝わってきます。

そして長期滞在するうえで気になるのが、荷物を置くスペース。こちらのタイプのお部屋では、横幅50センチほどのハンガーラックと、ベッドの足元、出入口付近に荷物が置けそうなスペースがありました。

ベッド横にある、収納スペース。右側は開きません

ベッド下の収納スペース。機内持ち込みサイズのトランクは楽に入り、まだ余裕があります

廊下側にも荷物を置けるスペースはあります

冷蔵庫はビジネスホテルによくあるサイズのもの。冷凍機能はありません。スライド式の冷蔵庫のため、わざわざ腰をかがめる必要がないのが便利だなぁと思います。写真のヒダの部分は柔らかく、ペットボトルや小さめの食事は収納できそう

また湯船はなく、シャワースペースのみ。シャワーの水圧も程よく、持ち込んだメイク落としなどのちょっとしたモノを置くスペースもありました。足を延ばして湯船に浸かり、疲れをとりたいときには、ホテルから徒歩8分程の場所にある銭湯「弁天湯」を活用してみましょう。

他にも細かなレビューを。枕元には計4つのコンセントがありました

枕元のライトは調光が可能です。夜読書をする明るさにしたり、リラックスできる間接照明のような明るさにしたり。生活スタイルに合わせましょう

個人的にはこのふわふわのスリッパもお気に入り。なかなかこの質のものを出してくれるホテルには出会ったことがありません……。長く過ごすからこそ、細部に心地よさを感じたいものです

川に囲まれた、下町の風情のこる街並み

その後しばしホテル周辺を探索してみることに。このあたりは問屋街で賑わった街だということもあり、幹線道路沿いや路地裏に、老舗の卸問屋企業から、ITベンチャーまで、多くの企業が集まっています。それでいて騒がしさを感じることはなく、下町の落ち着いた雰囲気の残る街並みです。

DDDホテルから徒歩1分のところには、コンビニがありちょっとした買い物には困りません。ほかにも「肉のハナマサ」や「マルマンストア」などのスーパーも徒歩圏内です

DDDホテル裏手、歩いてすぐのところにはコインランドリーも。ホテル内にランドリー機能がないため、長期滞在の際には重宝しそうです

飲食店は個人経営の洋食屋、居酒屋からチェーン店など、歩けば一通りのものはありそう。おすすめは美味しい和食が食べられる、「フクモリ」。緊急事態宣言中は飲食店が休業していることも多いので、野菜やタンパク質をたっぷりとれる、テイクアウトのお弁当はありがたいんです

ホテル内にあるabnoだけでなく、最近はこだわりの豆を使用したコーヒーを提供しているカフェも増えています。DDDホテルのすぐ近所にある「ブリッジコーヒー」もその一つ。散歩がてら、コーヒーを片手に街を散策してみるのもいいですね

ホテル近くは神田川と隅田川が流れています。隅田川は遊歩道もあるので、ランニングや散歩をしながら雄大な景色を楽しむ人が多くいました。川の近くにある街で暮らす、ということをちょっとだけ堪能することができたような気がします。

ラウンジは24時間利用可能

食事を済ませて、夜は少しだけabnoでコーヒーをいただきながら仕事をすることに。宿泊者は24時間利用可能だというのも、ありがたいサービスです

ミニマルダブルのお部屋にはデスクがないので、「リビングと寝室を分けて、ホテル全体を家のように捉えて生活してほしい」と話す草野さん。たしかに夜は昼間とまた違った印象で、落ち着いた雰囲気の音楽と、静かな環境でリラックスできます。

お部屋に戻ったら、備え付けのタブレットで周辺情報をチェック。DDDホテルセレクトの音楽がspotifyにまとまっていました

良質な豆を使って淹れられたコーヒーと共に、1日が始まる

翌朝はabnoの窓際の特等席で朝食をいただくことに。美味しいコーヒー、3種のパン、たっぷりのサラダをいただけば、元気に1日がスタートできそう。お値段は1,650円と少々お高め。長期滞在する際には、週に1度のごほうびにちょうどよさそうです

部屋の中ではだらけてしまう、という方もまずはパソコン片手に、ここに来てみてはいかがでしょう。バリスタの方が淹れてくださった美味しいコーヒーを飲むだけで、体がシャキッと目覚めますよ。

*

今回一泊の取材を終えて。「自分にとって本当に必要なもの、大切なものってなんだろう」と改めてゆっくり考えながら過ごしました。

上質なものに触れることで気が付いた、モノに対する「使い心地の良さ」という視点。使い勝手が悪くても、「まあいいや」とおざなりにしていたことを見直すきっかけにもなりました。そして機能性は高くても、値段を考えて先送りにしていたものも、こんなにも気持ちよく使えるのであれば、長い目でみて悪い買い物にはならないはずだ、と実際に使用することで確信することもできたような気がします。

そして「テレビ」の圧倒的な存在感。普段はあっという間に時間が過ぎて「もう寝る時間!」と時間に追われる生活をしているのに、DDDホテルではシャワーを浴びて寝る準備をしても、まだ21時くらい。こんなにもテレビから影響を受けていたのかと感じました。

空いた時間は読書をしたり、音楽を聴いたり。窓から外をぼんやり眺めながら、ゆっくりと時間を過ごすことができました。無駄なことをせずにすぐにベッドに入ったことで、いつもより早起きができたことも、新たな発見です。

一度、自分という名の風呂敷の中にあった荷物をすべて取り出して、本当に必要なものや大切にしたい価値観だけを、改めて包み直していくような感覚。ここで得た気づきは、今後の私の暮らしをより一層豊かなものにしてくれそうです。

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