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ペルーのニット文化を、パリから世界中へ発信。

  • 2021.5.27

コロナ禍でファッション界はデジタルシフトが進むなか、実店舗のオープンにこだわったパリジャンたちも。ペルーの手仕事を生かしたクリエイションを届けるシンティアは、リアルとオンライン両方でコミュニケーションを続ける。

先の見えない中でも前を向き、ペルーの手仕事の温もりを伝える。

シンティア・ゲレロ/Cinthya Guerreroニットブランドを設立して10年目。8区にアトリエ兼ショールームを構えていたが、アトリエを北マレに移転し、そこに念願のブティックをオープンさせた。ブランド名の由来は、ニットを愛でていたおばあちゃんの名前から。Instagram:@cinthya_ _guerrero_ _

ペルーで生まれ育ち、9歳からパリに暮らすシンティア。生まれ故郷であるペルーの手仕事を生かして何かできないか……と考えた時、自然と幼い頃から見てきた光景を思い出した。

「祖母はいつもニットを編んでいました。ペルーではニットを編む文化が深く根付いていて、女の子は小さい頃から編みものを教わります。ペルーは85パーセントがアルパカ産業の国。上質なアルパカで編んだニットを通して、職人技術を守りたいと思ったのです」

人との繋がりに支えられて。

コロナの影響により、ペルーの工房で素材を選んだり、職人と直接会ってコレクションを開発する旅ができなくなってしまったという。

「いろいろとやりにくかったのは事実ですが、何事もポジティブに。今回のロックダウンは運命的なものと受け止めて、インスタグラムにも初挑戦。愛と生きる喜びを発信していこうと思いました。どんな状況下であっても、幸せになるための選択を忘れないこと。そのマインドこそが、私の原動力です」

店舗オープンはブランドにとって大きな一歩でもあるが、コロナ禍でのブティック経営に不安はつきもの。

「ロックダウンが終わっても、昨年11月には再びお店を閉めなくてはならなかったり、営業を再開したいまでも規制があったり。それでも、インスタグラムで繋がっている世界中のお客様や、地元で支えてくれているお客様……いろいろな形で人と人との接点があることに気づきました。こんな時代だからこそ、ステラ・パルドを通して、自分なりの美学を届けたいと思っています」

Stella Pardoステラ・パルド51, rue de Turenne 75003rerotel:09・67・48・13・98Ⓜ CHEMIN VERT営)10時30分~19時30分休)日、月https://stellapardo.com/frInstagram:@stellapardo

*「フィガロジャポン」2021年5月号より抜粋

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