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なかなか告白してこない男子は頼りないダメ男?【ひとみしょうの男ってじつは】

  • 2021.5.25
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お互いに両思いだろうとわかっているにもかかわらず、なかなか告白してこない男子のホンネについて、今回はお届けしたいと思います。

こういう男子と、同様の女子のカップリングがもっとも不幸ですよね。どっちも奥手という不幸……。

反対に、彼は奥手だけど、彼女は行動派という組み合わせだと、女子から誘い、話がポンポンと前に進みますよね。

さて、なかなか告白してこない男子は頼りないダメ男?

繊細な男子

いきなりカフカの話をします。あの、作家のフランツ・カフカです。カフカは、奥手でした。好きな彼女に声を掛けられなかったのです。それがなぜか自分ではわからない、とカフカは日記に書いています。同時に、僕が彼女に声を掛けられないことについて、彼女にはなんの責任もないのだ、とも書いています。

そのような片思いの結果、彼女はどうなったのか?

<他の男がやすやすと、なんの障害もなく>彼女に近づき、付き合った、とカフカは書いています。

なんかもう、読んでいて、胃のあたりがキリキリと痛む日記です。

おなじような男子は、今の世の中にも大勢いますね。カフカはおおむね100年前の人ですが、100年前も今も、「繊細な」男子を取り囲む恋愛事情はさほど変化していないのでしょう。

そう!なかなか告白してこない男子は、ようするに繊細なのです。

男子が繊細である理由

なぜ男子は繊細なのか?

生まれつき繊細だから、というのが答えです。

いま、男女平等と言われているのは、男女が不平等な扱いを受けている(受けていた)からですが、それはなぜか?

「ふつう」にしたら、男子は繊細で傷つきやすく、奥手になりがちで、前に出ない。

対照的に女子は、現実的な問題を現実的かつ公正に処理する能力を「ふつう」に発揮する。

だから、先に男に「下駄をはかせる必要がある」。すなわち、先に権力とお金を与えてやって、みたいな。

つまり、男って、ふつうにさせたら、シャイだし、自意識が過剰だし、へんなところにいつまでもこだわるし、女子にろくすっぽ口もきけないし、いいことなんかなにひとつない(言いすぎか?)ということなんですね。

もっとも、だからといって、女性を蔑視していいはずがないのは言うまでもないことですが、でもまあ、男女が不平等な扱いを受けるにいたった背景とは、ざっとこういうことなのかなと、文学作品その他を読みつつ思ったのです。

繊細な男子のことが好きな女子・苦手な女子

ところで、繊細な男子、言い方を換えると、いつまでも告白してこない「女々しい」男子のことが好きな女子と、そうではない女子がいますね。

繊細な男子のことが好きじゃない女子は、見ていると、「男らしい」男子がお好きなようですね。筋肉質の身体で、セックスしたければしたいとはっきり言う、みたいな男子がお好きなようですね。(ここにも「男女不平等」がありますね。「男らしい」という男の見方が不平等です。が、そこは一旦まるっと無視して話を続けます)。

反対に、女々しい男子のことが好きな女子は、いわゆる「男らしさ」など、べつにどうでもいいと思っている節があります。好きならわたしから好きと言うし。寝たいと思えばわたしから言うし。みたいな感じ。

問題は、その中間にいる女子です。「男らしさ」が好き。でも自分から「男らしい」男子に行けない。それどころか、なとなく「女々しい」男子に気が向く。でも彼は「女々しい」からいっこうに告白してこない……もう泥沼。

「なかなか告白してこない男子問題」における本当の問題とは

とりあえずの結論。

なかなか告白してこない男子それ自体が問題なのではありません。

「女々しい」男子は、それはそれで個性であって、それでいいんです。

「男らしい」男子だって、それはそれで個性なのだから、それでいいのです。

問題は、あなたが、男子がもつそういった個性を活かせていないところにあります。

相手が女々しい男子で、その男子のことが好きなら、あなたが彼の腕を引っ張っていかないと話が始まらないでしょ?ということです。

男女反対のケースも同じです。

奥手な女子を好きになった男子は、あるていど彼女を引っ張っていく器量がないと恋愛になんかならないですよね。

積極的な女子を好きになった男子は、とりあえずは「僕はあなたについていきます」という姿勢を見せないと恋愛に発展しないですよね。

ともすれば「男女平等」という言葉だけが先行しがちな今の世の中ですが、男女ともに、「相手の個性を活かすこと」を考えると、恋愛を楽しむことができるのではないでしょうか。

「なかなか告白してこない男子はちょっと……」とか、「やっぱ男らしい彼氏がほしい」とかといつまでも言っていると、それこそ「女尊男卑」だと言われかねないと思いませんか?

ぼくのように、なんの権力にも守られることなく、かつ女々しく生きていると、ふとそう思うのです。(ひとみしょう/作家・コラムニスト)

※参考・引用 『絶望名人カフカの人生論』頭木弘樹(新潮社)2014

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