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長谷川奈央&市原綾真、初主演映画『美しき誘惑-現代の「画皮」-』で「重圧を2人でわけ合った」と感謝

  • 2021.5.13
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ヒューストン国際映画祭をはじめ、海外11カ国の映画祭で64もの賞を受賞している映画『美しき誘惑-現代の「画皮」-』(5月14日公開)。本作で長谷川奈央と市原綾真がダブル主演として映画初主演を果たした。プレッシャーと闘いながらも「その重圧を2人でわけ合うことができた」と声を揃える彼らだが、あらゆる表情を見せる難役を演じるうえでは、特別な役作りにも挑んだという。外見の美しさに目を奪われがちな世の中にあって、「本当の美しさとは?」と問う本作に情熱を注ぎ、長谷川と市原はどのような成長を遂げたのか。笑顔いっぱいに撮影を振り返ってもらうと、周囲への感謝があふれだした。

【写真を見る】長谷川奈央と市原綾真が挑んだ、“特別な役作り”とは?

「作品に取り組まれている方、一人一人の姿をきちんと見て、感謝の想いを込めながら演じようと思いました」(長谷川)

映画『美しき誘惑-現代の「画皮」-』は、美と愛の真実に触れる物語 [c]2021 IRH Press
映画『美しき誘惑-現代の「画皮」-』は、美と愛の真実に触れる物語 [c]2021 IRH Press

長谷川が演じたのは、大手銀行の副頭取秘書として働く舞子。才色兼備でありながら、実は“九尾の狐”に取り憑かれ、自分の美しさによって周囲を滅ぼすことで満足感を得る“妖魔”であるという役どころ。市原は、そんな舞子に心を奪われるが、あるきっかけで彼女の裏の顔に気づいて葛藤する、将来の総理大臣候補、太郎役に扮した。

ーーお2人共、本作で映画初主演を果たしました。最初にオファーを受けた時の感想は、どのようなものでしたでしょうか。

長谷川「主演をやらせていただくことが夢でもありましたので、すごくうれしかったです。でもやっぱりプレッシャーも感じてしまって。“ダブル主演”だと聞いて、ちょっと気持ちが和らいだんです。とはいえ台本を読んでみたら、想像以上にセリフが多い(笑)。またそこでプレッシャーを感じてしまいました」

市原「僕は、クランクインの半年ほど前に今回のお話を聞いて…。その事実を受け止めるのが精一杯で、実感があまり湧いてこなかったというのが正直なところです。役作りのための準備期間に入っていくなかで、『これはしっかりとやっていかなければいけないぞ』と徐々に思うようになっていきました」

「“ダブル主演”だと聞いて、ちょっと気持ちが和らいだ」という長谷川奈央 撮影/興梠真穂
「“ダブル主演”だと聞いて、ちょっと気持ちが和らいだ」という長谷川奈央 撮影/興梠真穂

ーーそのプレッシャーを乗り越えられた理由があれば、教えてください。

長谷川「『主演なので、絶対に失敗してはいけない』『たくさんの方に“感動した”と言ってもらえるような演技をしなければいけない』など、自然と『どのように自分をよく見せるか?』という方向に考えがいってしまっていた部分もありました。そんな時にプロデューサーから『舞子は人をたぶらかす妖魔だけれど、あなた自身が妖魔になってしまったら成り立たなくなる』とアドバイスをいただいたんです。自分の美しさだけに固執する妖魔になるのではなく、(赤羽博)監督をはじめ周りのスタッフ、キャストの皆さんのことをどれだけ考えられるかが大事。その言葉をいただいてからは、作品に取り組まれている方、一人一人の姿をきちんと見て、感謝の想いを込めながら演じようと思いました」

市原「僕も長谷川さんと同じような心境でした。撮影前は、『求められる役作りに追いつくことができているのか?』という焦りもありましたし、『“演技が下手だな”と思われたらどうしよう…』など、やはり自分のことばかり考えてしまっていたと思います。監督やプロデューサー、事務所のスタッフの方々にもたくさんのアドバイスをしていただいたことで、『この作品が届けようとしているものを背負っていきたい』と、できる限りのことをやろうと奮起することができました。また、『この映画を通して伝えられることはなんだろう』と本作を観ていただく方のことも考えながら、丁寧に演じました」

「僕、『初主演が奈央さんと一緒でうれしいです!』と泣いてしまったことがありました(笑)」(市原)

市原綾真は、涙したことを告白した 撮影/興梠真穂
市原綾真は、涙したことを告白した 撮影/興梠真穂

ーーダブル主演ということで、お互いの存在が励みになったこともありますか?

長谷川「たくさんあります!一人ではないということが、大きな支えになりました」

市原「僕、『初主演が奈央さんと一緒で本当にうれしいです!』と言いながら、泣いてしまったことがありました(笑)」

長谷川「あったね!びっくりした!でもうれしかったです(笑)。現場で、弱音を吐いたり、『緊張する』と言い合える相手がいるということが、こんなにも助けになるものなんだなと思いました。同じ立場で闘っていると思うことが、一番の心の支えになりました。私より年齢も下だし、事務所の後輩でもあるんですが、市原さんはとても頼りになる方なんですよ」

市原「奈央さんは、毎日の撮影が終わって解散する時に必ず、ひとつ褒めてくれるんです。『今日のあのシーン、めちゃくちゃよかったよ』とか、ものすごくポジティブな言葉をかけてくれるんです」

長谷川「なんだか偉そうで恥ずかしい(笑)!」

市原「偉そうだなんて、まったくそんなことはありません!いつも自然に褒めてくださる。本当にうれしかったです」

ーーベテランの俳優陣の方々とも共演がかないました。

長谷川「私はクランクイン初日が、永島敏行さん、矢部美穂さんと一緒のシーンでした。永島さんは今回、元総理大臣の役を演じているのですが、現場に入ってこられた瞬間から、総理大臣のオーラを放っていらして、圧倒されました。また『こういう座り方をするといいんじゃないかな』など、仕草に関する細かいアドバイスもしてくださって。本当に優しい方だなと思いました」

元内閣総理大臣で、太郎の父である塩村歩役を永島敏行が演じている [c]2021 IRH Press
元内閣総理大臣で、太郎の父である塩村歩役を永島敏行が演じている [c]2021 IRH Press

市原「僕は芦川よしみさんとも、ご一緒するシーンがありました。芦川さんは今回、太郎の心の師である女性教祖の役を演じているのですが、芦川さんと向き合うと、実際に心を見透かされている感覚がするんです。驚きでした。本番以外でも『主演、おめでとう』『努力を重ねて、長く活躍できる俳優さんになってね』と声をかけてくださって、本当に感謝しています」

太郎の人生の師を、芦川よしみが演じている [c]2021 IRH Press
太郎の人生の師を、芦川よしみが演じている [c]2021 IRH Press

「妖艶さを出すために本作の主題歌からイメージを膨らませるなどしました」(長谷川)

舞子は、巧みな仕草や言葉で、出会う男性を虜にする [c]2021 IRH Press
舞子は、巧みな仕草や言葉で、出会う男性を虜にする [c]2021 IRH Press

ーー長谷川さんは、昼は秘書、夜は高級クラブのホステス、そして裏の顔は“妖魔”という、いろいろな表情を持つ役柄を演じました。変化を演じるうえでも、難しい役どころだったのではないでしょうか。

長谷川「とても難しかったです。お昼の舞子は仕事のできるバリバリのキャリアウーマンなので、背筋をピンと伸ばして、なんでもテキパキと行動することを心がけました。“夜の顔”を演じるうえでは、妖艶さを出すために“ゆらめき”をイメージして演じました。また本作の主題歌『美しき誘惑』の歌詞やメロディからイメージを膨らませるなど、音楽に助けられた部分も大きかったです」

ーー役者さんとしても、新しいチャレンジがたくさんできた役柄になりますね。

長谷川「本当にそう思います。これまで、ここまでダークな役柄をいただいたこともありませんでした。人をたぶらかそうとしている舞子を演じていると、どうしても自分本位になってしまいそうになるんですが、舞子の思考回路に引っ張られないよう、自分の良心を見失わずにいることを心がけていました。舞子を通して、ダークな役を演じる際の心構えができたように思います。役の幅といった意味でも広がりを持つことができたので、たくさんの学びがあった役柄です」

ーー市原さんが演じた太郎は、将来の総理大臣候補でありながら、悟りを開いた名僧と縁の深い人物という役どころ。僧侶姿で登場するシーンもありますが、とてもきれいな坊主頭でした。

太郎は、高い悟りを得た名僧と縁の深い人物だった [c]2021 IRH Press
太郎は、高い悟りを得た名僧と縁の深い人物だった [c]2021 IRH Press

長谷川「そうなんですよ。みんな『きれいな頭!』と褒めていました」

市原「あはは!ありがとうございます!髪の毛を剃りまして、坊主にしました。坊主頭も、僕にとって初挑戦です。役柄としては、政治家と僧侶という2つの顔を演じることになりましたが、実際に政策担当秘書をしている方にお会いして、政治家がなにを考え、どのような生活をしているのかなどを伺うことができました。また僧侶の面では、『仏の道を求める人はどのような生き方をしているんだろう』と考え、“空海の生涯を追う”というところから、役作りしていきました。生誕地の善通寺や悟りを開いた場所である室戸岬など、空海ゆかりの地をめぐるなど、太郎という役柄を通して、いろいろな勉強をすることができました」

「“本当の自分を探していく”ことができたのは、確実に僕の成長につながっていると感じています」(市原)

【写真を見る】長谷川奈央と市原綾真が挑んだ、“特別な役作り”とは? 撮影/興梠真穂
【写真を見る】長谷川奈央と市原綾真が挑んだ、“特別な役作り”とは? 撮影/興梠真穂

ーー特別な役作りに挑んだのですね。本作を通して、どんな成長ができたと感じていますか?

市原「太郎のセリフで、『本当の美しさとは?』と問う場面があります。相手の心の醜さ、美しさを問う役柄を演じるには、自分自身が心の美しさを宿していなければいけないと思っていました。『太郎と同じように、僕も心を磨きたいな』と思い、その過程では自分の心を見つめる作業をすることができました。“本当の自分を探していく”ということができたのは、確実に僕の成長につながっていると感じています。また葛藤する太郎を見つめることで、“誰にでも良心や、相手を思いやる気持ちがあるんだ”と思うことができました。たくさんの学びもあり、本作との出会いは、僕にとってものすごく大きなものとなりました」

長谷川「私と舞子はまったく違う人物ですが、私のなかにも相手からもらうことを望んでしまったり、幸せを外に求めていたところがあるなと気づくことができました。それは本当に大きな気づきです。求めるばかりではなく、与えられる人になりたい。そして周囲に感謝できる自分になりたいと思うことができました。私にとっても、とても大切な作品になりました」

取材・文/成田おり枝

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