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『リコカツ』ついに離婚撤回で新展開!? 北川景子×永山瑛太に学ぶ“理想の夫婦像”

  • 2021.5.8
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『リコカツ』(c)TBS

「やっぱり寂しいね。戻る家がなくなるって。本当にひとりぼっちになっちゃう」
「もういい、離婚はやめよう。君が傷つく姿をもう見たくない。君を一人にはしない」

離婚に向けた活動(離婚活動)がテーマの『リコカツ』(TBS系)第4話ラストで、緒原紘一(永山瑛太)が両親の離婚危機に傷つき涙する水口咲(北川景子)を抱きしめながら前言撤回する。前話から、もはやそんじょそこらのラブストーリーよりもストレートな愛情表現が見られてきた本作、強がりな2人ゆえあと一歩のところですれ違い、どうしても言えなかった一言がようやく聞けた。父親も自衛官という厳格な家庭で育ち、現在も規律正しい集団生活の中に身を置いている紘一は、“集団の和”や“チームワーク”を何より重んじることが身体に自然に染みついている節がある。そんな紘一が“自分の気持ち”に突き動かされ一歩踏み出した瞬間でもあっただろう。

元々、紘一にとって咲は「例外」なのだ。あれだけ国家機密だと仕事の話を一切他人にしない紘一が、咲との出会いについてだけは職務中のことなのに詳細を母親・薫(宮崎美子)に話していたようだし、そもそもあれだけ職業倫理観とプロ意識の高い紘一のことだから、仕事中に出会い救助した相手をこれまで恋愛対象としては見ることなど一度たりともなかっただろう。それが、「彼女に出会うために、彼女を守るためにこの仕事に就いたと思える」なんてことを紘一にさらりと言わせてしまえるのだ。かなり出来上がった自己完結型の紘一の生活や人間性にまで咲は入り込めて、あれだけルーティーン化された紘一の日々に変化をもたらし、規律外、枠外に押し出してくれる、そんな存在なのだろう。

そしてきっとそれは咲にとっても同じで、そんな2人が一つ屋根の下、一緒に暮らすことで最初は不協和音ばかり目についてしまっていたのが、互いへの理解が深まり本音に触れられた今、良い“化学反応”が見られるようになった。“予定調和”にいかない部分やお互いの“違い”こそ面白がり、楽しめるようになっている2人の姿が本当に自然で、互いに無理をしておらず素敵だ。最初はダサいと一蹴していた紘一からのライト付きのボールペンを咲は今やとても大切にしているし、“誰にどこから狙われているかわからない”からと紘一がホームセンターで慌てて調達したスカイブルーのカーテンにも咲は本気で拒絶反応を見せていたのが、今やそれを突っ込み愛でることができる余裕が出てきている。さらに、あれだけ身の安全のためにカーテン取り付けにこだわっていた紘一も、たまたま2人で窓から見られた朝焼けの美しさに「カーテンがないのもいいもんだな」ととても素直な感想をこぼす。“私はこれが好き。でもそっちもおもしろいね!”そんな風に、互いの差異を認め合いシェアし合うこと。何も夫婦関係だけに限ったことではなく、あらゆる人間関係をストレスフリーに、かつ円滑に楽しめる秘訣だと思う。

もしかしたら、新婚早々に離婚を検討した2人だからこそ、取り繕うことなく互いの素を出し合えたのと同時に、下手に相手に“期待しなくなった”のも彼らが現在の良好な関係性を築けた要因として大きいのではないだろうか。

夫婦も“他人”に違いないのに、ひとたび“身内”だと思ってしまうと、どうしたって人は相手に期待してしまうし、自分の希望通りに動くことを望んでしまい、良かれと思ってあれこれ口出ししたくなってしまうものだ。

紘一と咲はいろいろな点で正反対なところが目立つが、咲の母・美土里(三石琴乃)が離婚を決意した理由に挙げていた「超えてはいけないライン」を互いが超えることはないのだろう。“ここだけは絶対に目をつぶれない、譲れない”というポイントさえ合っていれば、それで十分なはずで、それこそが結構難しかったりするのだ。

第4話ではなんと言っても咲の父・武史役のキャスト交代があり、第3話までを演じた佐野史郎の体調不良を受けて、平田満が代役を務めることになった。大手広告代理店を退職後もいまだ会社員時代の名刺を持ち歩く“バブルを味わった広告代理店マン”の何とも言えない胡散臭さや軽薄さ、傲慢さとその中に共存する小物感を佐野は見事に体現してくれていた。そこから朴訥な役どころ、あるいはかなり個性的な役柄を演じることが多い平田へのバトンタッチはどんなふうになるのか見当もつかなかったが、さすがはベテラン同士のお仕事だ。平田は初回登場回にして妻に離婚宣告を受けることになるわけだが、佐野が作った能天気で自分都合に物事を解釈しがちな夫・父親像を踏襲したまま、とうとう妻より三行半を突きつけられうろたえる情けなさや哀愁、滑稽さを見せてくれた。

登場初回にして、その背中で夫婦2人の“35年間の結婚生活”を感じさせられるのだから、本当にお見事としか言いようがない。

本当の意味での“新婚生活”リスタートとなった紘一と咲の行手を阻む要因として、次話から咲が編集担当になった恋愛小説家・水無月連(白洲迅)の存在感が増してきそうだ。次なる壁を2人は乗り越えられるのか、必見だ。 (文=佳香(かこ))

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