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仲條正義が一冊に。『仲條 NAKAJO』でタイムレスなデザインを知る

  • 2021.5.7
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つねに新たなデザインをつくり続けるグラフィックデザイナー・仲條正義。1960年代から現在までの代表作をほぼ網羅した作品集『仲條 NAKAJO』(株式会社ADP)が刊行された。その創造性をもって世の中に訴えかけてきた作品を見れば、デザインに携わる人でなくとも感性を揺さぶられることは間違いない。

50年以上に及ぶ、錚々たる作品の数々

1933年に東京都で生まれた仲條正義は、東京藝術大学美術学部図案科を卒業後、資生堂に入社。今でもファンが多い『花椿』のアートディレクションを40年以上にわたって務めた。1960年にはフリーになり、ザ・ギンザ/タクティクスデザインのアートディレクションとデザインを担当。そのほかにも松屋銀座、ワコールスパイラル、東京都現代美術館、細見美術館のCI計画などのグラフィックデザインを手がけてきた。中でもトラヤあんスタンドと資生堂パーラーのロゴタイプやパッケージデザインなどは目にしたことがある人も多いだろう。

「トラヤあんスタンド新宿店」壁画 2016年虎玄Harumari Inc.
左ページ 花椿 上 1972年4月号 資生堂 下 1977年7月号右ページ 花椿 上 1976年7月号 photo:村上征雄 下 1976年3月号 photo:大森 忠Harumari Inc.

今回刊行されたのは、それら仲條の膨大な仕事をほぼ網羅する、640ページに及ぶ分厚い作品集。葛西薫と服部一成を編集委員とし、そして服部一成がデザインを手掛けた、隅から隅まで”仲條愛”に満ちた待望の一冊に仕上がっている。

年代ごとにセクションが分けられ、それぞれの冒頭には仲條にまつわる年譜も掲載。まさに包括的に仲條正義を知ることができる。付属する冊子には早川良雄、細谷巖、仲條正義、編集委員の葛西薫、デザインを担当した服部一成のテキストも収録されている。

また、刊行を記念した展覧会を6月1日から6日まで銀座・森岡書店の他、7月に京都ギャラリー、10月に福岡市・本屋青旗でも開催予定。収録されている作品のなかから、選りすぐりのポスターを展示、販売するほか、「M.NAKAJOグッズ」の販売も行われる。
(編集注:状況に応じて変更の可能性あり。詳細は会場HPなどをご確認ください)

人々の記憶に残り、タイムレスに評価され続ける仲條正義の作品を一気に見られるこの本は、極めて貴重な資料だ。ゆっくりとページをめくりながら、デザインの可能性やデザインに触れる意味について考えよう。

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