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ビビッドな色彩に引き込まれる! メキシコ拠点の画家、岡田杏里の展覧会

  • 2021.5.4
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ソニャル・デントロ・デ・ラ・ティエラ(土の中で夢をみる)。まるで歌や呪文のようにも響くスペイン語のタイトル岡田杏里さんの『Sonar dentro de la tierra /土の中で夢をみる』展は、日常とは異なるもう一つの風景の中へ、私たちを連れ出してくれるようだ。

プリミティブな色彩の世界に没入。幅10mの壁画作品も登場。

岡田杏里さんは1989年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科を卒業後、メキシコ、グアテマラへ留学。現在は日本とメキシコを拠点に制作しており、今回はポーラ美術振興財団の助成を受けた若手作家として、その活動を紹介するための場所「アトリウム ギャラリー」に絵画、立体作品が展示される。

目に飛び込んでくるビビッドな色彩は、闇を思わせる黒とのコントラストによっていっそう際立つ。そのモチーフはラテンアメリカの自然や古くから伝わる神話を連想させ、観る人を引き込んでいく。

メキシコはマヤ文明、アステカ文明をバックグラウンドとして、独自の世界観や死生観を育んだ土地。そのスピリットが彼女を通して現代に花開いたといえるのかも。

注目は縦3m、横幅10mに及ぶ壁画のインスタレーション。メキシコは20世紀初頭、メキシコ革命をきっかけに壁画運動が起こった地だ。岡本太郎氏による渋谷駅の大壁画《明日の神話》が制作された場所でもある。その系譜に連なろうとする作家がどのような物語を描き出すのか。期待とともに見届けたい。

《Sonar dentro de la tierra》2021年 アクリル/カンヴァス 45×106.7cm 作家蔵 ©Anri Okada

《ヒトの心の構造について》2019年 アクリル/カンヴァス 60×50cm 個人蔵 ©Anri Okada

『Sonar dentro de la tierra /土の中で夢をみる』 ポーラ美術館1F アトリウム ギャラリー 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285 開催中~9月5日(日)9時~17時(入館は16時30分まで) 会期中無休 無料 TEL:0460・84・2111

※『anan』2021年5月5日-12日合併号より。文・松本あかね

(by anan編集部)

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