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初夏の京都で「カルティエ ロワイヤル」の豪奢な世界に包まれた一夜。

  • 2015.6.22
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1847年の創業以来、時代や流行を超越して、世界中で愛されるカルティエ。
その卓越した技術や精神性を極めたハイジュエリーコレクションの受注イベント「カルティエ ロワイヤル」が、6月2〜7日に京都国立博物館で開催された。6月1日のプレビューイングから古都の煌めく夜をお届け!


今回の「カルティエ ロワイヤル」は、昨年パリで発表された最新のハイジュエリーコレクション「カルティエ ロワイヤル」をはじめ、各王室から着想を受けた新作ハイジュエリーや、アンティークピースなど約400点を一堂に集め、世界中から特別な顧客を招待して販売するビッグイベント。日本にこれほど多くのハイジュエリーが揃うのは初めてのこと。中心価格帯は5千万円〜1億円で、中には最高額の14億円というピースも!

その重要なイベントの舞台として選ばれたのが、京都国立博物館の明治古都館。「ロワイヤルな都市であること、ハイジュエリーにふさわしい場所であること。このふたつの要件を満たす会場として、ここしかないと考えました」と、プレジデント&チーフ エグゼクティブ オフィサーのカルロ・ガリリオ氏。ネオ・ルネッサンス様式の壮麗な建物に、まばゆいハイジュエリーがずらりと並び、夢のように贅沢な空間が誕生した。


会場は煉瓦造りが印象的な明治古都館。片山東熊が設計し、1897年に開館した。国の重要文化財指定。

夕刻から開催されたプレビューイングは、3人の登壇者のスピーチで幕開けに。右から、カルティエ イメージ スタイル&ヘリテージ ディレクターのピエール・レネロ氏、カルティエ プレジデント&チーフ エグゼクティブ オフィサーのカルロ・ガリリオ氏、京都国立博物館 副館長の伊藤嘉章氏。

パリにワープしたかのような優美な空間。ハイジュエリーを前に、会場のあちこちでため息や感嘆の声が。

サファイアのハイジュエリーを集めたショーケース。濃く純粋なブルーが、高貴なオーラを放っていた。

高級機械式時計や、調度品に使う工芸の技術を取り入れた芸術性の高い時計をディスプレイしたコーナー。

8部屋設けられた商談ルームのうち当日は3部屋を特別公開。こちらは「ダイヤモンド」という部屋。


イベントの目玉となったのが、メインフロアの会場の中央に展示された最新コレクション「カルティエ ロワイヤル」をはじめとする絢爛華麗なマスターピース。世界各地から厳選された希少な宝石を、芸術品のように仕上げた比類なきクリエイションに圧倒される。

また、顧客からのリクエストが多く、できるだけ数を揃えたというのが、アンティークピースのコレクション「カルティエ トラディション」。100年以上の時を経て、いまなお洗練された輝きを放つハイジュエリーの数々が、カルティエの真髄である「今日のクリエイションが、明日の宝に」を雄弁に物語っていた。


クチュールの世界にインスピレーションを得たドレープネックレス。センターのルビーは15.29カラットのモザンピーク産。ルビービーズとダイヤモンドドレープの間で取り外し、3通りに着用可能。制作時間は約3,300時間!

来場者の目を釘付けにしたピースがこちら。ペアシェイプ ダイヤモンドは30.21カラット。その純粋さ、稀少さから「アブソルート ピュア ダイヤモンド」と呼ばれる。

メゾンのアイコニックなモチーフのひとつ、パンテールをセンターにあしらったネックレス。こぼれ落ちるような35.80カラットのサファイアやグラフィカルなチェーンなど、官能的な美しさに魅了される。

古代エジプトで知恵の象徴とされたトキがモチーフ。イエローとホワイトのダイヤモンドを散りばめた羽に、ブラックオニキスのくちばしを持つトキが、神秘的に輝く47.38カラットのオパールを抱くかのよう。

こちらは「カルティエ トラディション」からの1点。ダイヤモンドとパールが織りなす、リボンモチーフのフェミニンなデザインにうっとり。センターのボウ部分を取り外せばブローチに。1907年の作品。


プレビューイングに集まったのは約150名。かつてないイベントに参加しようと、忙しい中、東京から駆けつけたプレス関係者や、京都国立博物館が招待したゲストたちで、会場は華やかな熱気に包まれた。

(写真左)京都国立博物館の文化大使を務める女優の竹下景子さん。初夏の風になびくタダシ ショージのシルクドレスが優雅。(写真右)3年前、京都に移住した女優の本上まなみさん。7月放映予定のBS朝日のカルティエの番組にナビゲーターとして出演されるそう。「アミュレット ドゥ カルティエ」のペンダントがロイヤルブルーのドレスに映える。ドレスはシーエイチ キャロリーナ ヘレラのもの。

京都の伝統工芸を新しい感性で国内外に発信する若い後継者たちによるプロジェクトユニット「GO ON」の面々。左から、金網つじの辻徹さん、開化堂の八木隆裕さん、細尾の細尾真孝さん、公長齊小菅の小菅達之さん。帯ときものの老舗メーカーである細尾でそれぞれ誂えたというきもの姿が、会場でも目を引いた。


イベント会期中、世界各国から招待された顧客は、ラグジュアリーホテルや名旅館に宿泊 。雛人形の工房見学&市松人形着付け体験や、西陣織の老舗・細尾の工房見学など、京都の伝統や文化を体験できるカスタムメイドのオプショナルプログラムも用意されたという。4日、5日に開催された京都を一望する青蓮院門跡境内 将軍塚青龍殿でのガラディナーもには、両日合わせて約200名が招待され、特別な京都の夜を楽しんだ。

プレビューイングが終わる頃、会場の外に出ると、明治古都館の壁はカルティエレッド、正面の噴水はゴールドでドラマティックにライトアップされていた。後の受注会は昼間なので、ライトアップはこの夜限り。

明治古都館とコントラストをなすモダンな建築の平成知新館は、谷口吉生の設計。その壁にロゴが浮かぶ。

「王の宝石商、宝石商の王」と讃えられるカルティエの、まさに"ロワイヤル"な魅力に満ちた一大イベント。パリとは縁の深い京都という地で、メゾンの長い歴史に新しい伝説が刻まれた一日となった。

イベントの様子は動画でも公開中。歴史に残る壮大で優雅な世界をぜひその目で確かめて。

photo:SHIN EBISU, texte:NATSUKO KONAGAYA

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