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80年代好きライターの純喫茶巡りVol.6 大森「ルアン」で堪能する薔薇のコーヒーゼリー

  • 2021.4.30
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昭和の喫茶店を紹介しつつ、その店をイメージして聴きたくなる80年代の名曲を80s好きライターの水原空気がレコメンド。Vol.6は大森のフランスとも呼ばれる珈琲の名店「ルアン」。

前回訪れたのは池上「エノモト」

大森「ルアン」

大森にある「ルアン」は珈琲亭と言うだけあって、珈琲のバリエーションを喫茶店ならではのスタイルで楽しめるのが魅力。

まずはアイス・ウィンナーの味わい深さと美しさに心打たれてほしいです。脚長い!

ブレンド、ウィンナーコーヒー、イタリアンコーヒー他、1971年の開店当初からハイカラなコーヒーメニューがズラリと並ぶ。淹れ方も、ブレンドはサイフォン、アイス・ダッチは水出し、イタリアンはエスプレッソポット、アイスコーヒーはネルドリップと、珈琲の味わいを引き出す最善の方法が現在もずっと引き継がれている。

チーズケーキにはあっさりしたアメリカン・コーヒーを。レアチーズの酸味がたまらない。

イタリアン・コーヒーは小さなカップに目の前で注がれる。そのパフォーマンスも嬉しい。

いわゆるエスプレッソだが、あえてイタリアンと呼ぶのも「ルアン」のこだわり。

なかでも薔薇の形の生クリームがのったコーヒーゼリーはシロップが別添で、ビターな大人味を存分に楽しむことができる逸品。珈琲のアロマがまろやかな生クリームと共に口の中に広がりなんともいえない芳醇さ。その姿もフォトジェニックだ。


上:美しいコーヒー・ゼリー。添えられたスプーンも魔法が使えそうな意匠。下:アイスクリームを載せたクリーム・ゼリーも、ユーモラスな球体のハーモニーがインプレッシブ。

オープン当初はすぐ近所に映画館が4つあり、このエリアは大森一番の繁華街だったそう。「ルアン」という店名はフランスの地名にちなんだもので、欧州の街角にあるような外観は今でも大森の中でひと際目を引く存在だ。

窓の外に港があると言われてもうなずけそう。このシートはよくドラマや映画にも登場している。

まさにフランスの片田舎のような趣のあるインテリア。

実は7~8年前に変えたという薔薇のカーペットもコーヒー・ゼリーにぴったり。足元にも口元にも薔薇を。

禁煙化したのでもう目にすることはないが、オリジナルマッチのタイポグラフィーもしゃれている。

3年前から時代の流れに合わせていち早く禁煙化に踏み切った。当初は一部の常連客が去ったが、いまや喫茶店好きがあちこちから集まる人気店に。それもそのはず。雰囲気ある佇まいは映画やドラマのロケ地としても有名。ふとした瞬間に目にすることも多いのだ。かく言う私も最近、国生さゆりさんがおばあさん役(!)を演じた最新版『ヤヌスの鏡』で発見。このドラマ自体も面白いので観てね。


ミックスサンドやホットドッグなど、喫茶店らしいパンメニューも健在。

この店の帰り道に聴きたい80年代の名曲

『白い港』
大滝詠一

そんな「珈琲亭 ルアン」で聴きたいのは大滝詠一の『白い港』。『ナイアガラ トライアングルVol.2』に収められたこの曲は、映画のようなシーンが満載。コーヒーにはいつもドラマがつきものですが、異国のカフェにいるような気分で心の旅人になれること間違いなしです。こんな時間をくれる大滝さんと松本隆さんに(珈琲で)乾杯!

水原空気のひとこと
紅茶派の人には「ベルサイユのバラ」を。ミルクティーにトッピングされた薔薇の形のクリームが広がりゆく様もドラマティック! 『ナイアガラ・トライアングルVol.2』をスマホで急に聴きたくなったらAmazon Musicで買うのがおすすめです。

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