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凪沙、徳川慶喜…草なぎ剛、映画にドラマに“無双”状態の今

  • 2021.4.26
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草なぎ剛さん(2020年2月、時事通信フォト)
草なぎ剛さん(2020年2月、時事通信フォト)

昨年公開の映画「ミッドナイトスワン」で「第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞」に輝いた草なぎ剛さん。作品自体も最優秀作品賞を受賞するなど、その高い評価とともに数多くの映画賞を獲得し、草なぎさんの新たな代表作になりました。

映画やドラマ、CMのみならず、近年はYouTubeや配信番組などに活動の場を広げている草なぎさん。最近は特に俳優やエンターテイナー、タレントとして多方面での活躍が目立ち、アカデミー賞の受賞も相まって大きな注目を集めています。

「ミッドナイトスワン」で新境地

草なぎさんは元々、目の鋭さを生かした任侠味のある役柄や、穏やかな目つきが印象的な優しさのある役柄など持ち前の特性を生かした役を演じてきました。中でも、シリーズ化されるほどの大ヒット作となったドラマ「僕の生きる道」(関西テレビ・フジテレビ系)や「銭の戦争」(同)では、それぞれ異なる役柄を自身のたたずまいや特性を生かしつつ、それぞれの役、独特の機微や表情の変化なども含めて見事に体現していました。

どんな役を演じていても、役に憑依(ひょうい)しているイメージが強い草なぎさん。その特徴が、今まで演じてこなかった役柄でもしっかりと感じられたのが「ミッドナイトスワン」での凪沙役でした。

同作は、どこか孤独を感じ、1人で生き抜いていくことを覚悟しているトランスジェンダーの凪沙が、親からDVを受けて愛情を知らずに育った桜田一果(服部樹咲さん)と生活を共にすることで、お互いに親子としての愛を知り、育んでいく物語です。

自分に強く、厳しく生きてきた凪沙は一果にもつい、厳しく接してしまい、2人の距離はなかなか縮まりません。しかし、凪沙が母として生きることを覚悟することで、強さだけでなく優しさが芽生えていき、それに呼応するかのように一果も凪沙のために奮闘し、2人の間で積み上げられていく愛の物語に強く感銘を受けました。

草なぎさんはそんな凪沙の、自分にも他人にも強く厳しい姿から、母親としての優しさが芽生えていく姿まで、そして、トランスジェンダーとしての葛藤を表情の変化も含めて体現していました。

役に対して憑依できる草なぎさんの特徴が生きた集大成となりつつ、役柄としては新境地となる役を演じ切り、名実ともに評価される俳優となったのではないでしょうか。

新たな“徳川慶喜像”確立へ

さらに、現在はNHK大河ドラマ「青天を衝け」(毎週日曜 後8:00)で徳川慶喜役を演じています。個人的にもこれ以上ない配役だと感じていて、これまでイメージしていた徳川慶喜像をいい意味で変えられる迫力を感じている一方、人間味もしっかりと感じられるのが印象的です。

徳川慶喜は同作でも重要な役どころになっていて、今後さらに必要不可欠な存在になっていくことが予想されます。尊王攘夷を目指す討幕派と幕府の地位を守ろうとする佐幕派の対立関係が激化していき、それらが最高潮となっている際の将軍だからです。

現段階でもすでに存在感が際立っていますが、これからさらに、いろいろな表情や言動を見せるであろう徳川慶喜を草なぎさんがどう演じられるのかにも注目です。

また、今年3月には、東日本大震災から10年たった被災者の心の葛藤や復興への歩みが描かれたNHK・宮城発の地域ドラマ「ペペロンチーノ」が放送。女優・吉田羊さんと夫婦役を演じた同作は視聴者から多くの反響の声が寄せられ、今月17日にNHK総合で全国放送がされるなど大きな話題を集めました。

それ以外にも、昨年1月に上映された舞台「アルトゥロ・ウイの興隆」の再演が今年11月に決定。テレビCM「メルカリ」では、長年親交のあるタモリさんとの共演が話題になるなど映画やドラマに限らず多方面での活躍が目立っています。

稲垣吾郎さん、香取慎吾さんと共に「新しい地図」として独立以降、地上波で活躍する姿を目にする機会も徐々に増加し、音楽活動に加えて、YouTubeや配信番組など新しいことにも挑戦。俳優としての活動もより積極性が高まっているように感じます。それらが次第に花開き、結果的に地上波で目にする機会も増えてきているのでしょう。

ライター 岡田拓朗

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