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蓮佛美沙子さん「大人の恋『好き』だけでは動けない」

  • 2021.4.23
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アラサー、次のステップを意識する年代

――「理想のオトコ」は32歳独身で美容店長の燈子が、出会ったばかりの漫画家・ミツヤス先生(安藤政信)と、久々に再開した高校の同級生・圭吾(味方良介)の2人の間で揺れる恋愛ドラマです。
蓮佛美沙子さん: ここまでド直球な恋愛モノの主演をやらせていただくのは初めてでした。オファーをもらって原作を読んだ時は「現場でどういう気持ちになるのかな」というワクワク感と、「知らない自分に出会えそうだな」というドキドキ感がありましたね。

朝日新聞telling,(テリング)

――“アラサー女性”には、どんな印象をお持ちですか?
蓮佛: イメージはあんまりないんですが、私自身、燈子と同じアラサー。仕事のこともある程度分かってくるし、“自分のサイクル”みたいなものができてくる中、ドラマにもあるように「結婚しないの?」って聞かれることや、将来について考える機会が増えました。まさに“次のステップ”を意識する年代だと思います。
恋愛に関しては、「好き」だけでは動けない難しさがあるように感じます。10代の頃って気持ちだけで突っ走れる“怖い物知らず”的なところがあったけど、大人になって色々知ってしまったからこそ、ある“本能的に動けないジレンマ”。多分、私が今30歳だから、より共感して表現できた部分はあると思います。

ドラマParavi「理想のオトコ」#2のワンシーン Ⓒ「理想のオトコ」製作委員会

――役作りではどんなことを考えましたか?
蓮佛: 恋愛が久しぶりで「どうしたらいいか分からない」っていうところから、悩みながら恋をしていく――。そんな燈子の気持ちに寄り添ってストーリーが展開していくので、「(お芝居で)投げられたボールを、ちゃんと受けて返していこう」って、最初に台本を読んだ時に思いました。
燈子がナチュラルな女性なので、見ている人に感情移入してもらえるよう自然体でいることは意識しましたね。ドキドキする気持ちを大事にしつつ、「楽しい」とか「キュンキュンするな」と思いながら、のびのびやれました。

ドラマParavi「理想のオトコ」#3のワンシーン Ⓒ「理想のオトコ」製作委員会

漠然と恋を求める気持ち、共感できる

――燈子と蓮佛さん、似てるところはありますか?
蓮佛: はたから見たら絶対、恋してるのに「私、本当に好きなのかな?どうなんだろう?」と考え過ぎてしまうところとか、「好き」と思い始めてから、どうしたらいいか分からなくなる感じは、すごく似てる。私は、燈子ほど鈍感ではないと思うんですけどね(笑)。自分のことって、分からなくなってしまうんですよね。
好きな人はほしいし、恋愛もしたいけど、焦りは感じてないところも似てますね。私自身、結婚に対して具体的な理想像があるわけじゃないので、恋を漠然と求める気持ちは共感できるなぁ、と。

――蓮佛さんは、恋愛に積極的ではないのですか?
蓮佛: どれくらいのことをしたら“積極的”と言えるのか分からないので、判断が難しいんですけれど……メールを送るだけで「頑張ったぞ」って気持ちになっちゃうので、ご飯も気軽に誘えるほうではないですね。

――燈子は32歳にして“モテ期”が訪れます。蓮佛さんのモテ期は?
蓮佛: 全然ないんですけど、強いて言うなら中学3年生の頃かなぁ。私、中学3年の時にオーディションを受けて芸能界に入ったんです。合格者としてワイドショーに出させてもらったら、同級生3人くらいから「実は好きでした」って言われて。「絶対好きだったわけじゃないよね、テレビ出たから言ったんでしょ!」みたいな感じの疑似モテ期がありました(笑)。「なんのこっちゃ」って感じだったので、お断りしましたけどね。

朝日新聞telling,(テリング)

恋愛したら、みんな可愛い

――理想の男性像について、他のキャストと話しましたか?
蓮佛: “作品の中でどのキャラクターが好きか”については話しました。漫画とドラマで描かれ方が違って、漫画のほうの話になってしまうのですが、私は作家のミツヤス先生のアシスタントをしている最賀くん(平井亜門)が好き。ミツヤス先生も好きなんですけど、最賀くんはひたむきな感じが可愛くて、キュンキュンしましたね。
理想という理想は、今も昔も明確には持っていないんです。だから今回、「理想って何だろう」と考えながら撮影に臨んでいました。
漠然としているんですけど、“私のことを好きでい続けてくれる人”がいいってことは、ずっと変わらないです。思いって言葉とか態度とか、すべてに出るじゃないですか。だから私のことを大事に思い続けてくれる人が、理想の相手なのかなって。その気持ちさえあればいいっていうくらい、大切かも。

――理想の結婚のイメージみたいなものはありますか?
蓮佛: ドラマの中で、燈子は「守ってほしい」という思いから徐々に変化していきます。「されたい」から「してあげたい」という能動的な感情に変わっていくことは、このドラマの面白さの一つであり、私自身すごく共感できる部分でもある。
平たく言うと「お互いに支え合う」みたいな関係が大切なのかな。どっちかが弱っているときは、どっちかが引っ張ってあげる。型にはまらず、ちゃんと思い合う関係性を築けるのが一番理想の形です。一緒にいる意味って、そういうことなのかなって。

朝日新聞telling,(テリング)

――ドラマを通じて伝えたいことは?
蓮佛: 受け取るメッセージは見る人それぞれに委ねたいのですが、演じていて感じたのは、「若い」とか「若くない」とか関係なく「恋愛したら、みんな可愛い」ってこと。大人でも“好きな人と付き合うか、付き合わないか”みたいな時ってドギマギするし、どれだけ経験を重ねていても、すれ違いやジレンマがある。「大人になったって、それでいいんだ」って思えるドラマです。自分と重ねながら見たり、「この大人たち可愛いな」ってクスクス笑いながら楽しんでもらえたりしたら嬉しいです。

●蓮佛美沙子さんのプロフィール
1991年、鳥取県生まれ。2006年、映画『犬神家の一族』で女優デビュー。初主演の映画『転校生 -さよなら あなた-』(07年)で、キネマ旬報ベスト・テン日本映画新人女優賞と第22回高崎映画祭最優秀新人女優賞。主な出演作にドラマ「37.5℃の涙」(15年、TBS系)、NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」(16年)、「恋はつづくよどこまでも」(20年、TBS系)などがある。現在放送中のNHKよるドラ「きれいのくに」にも出演中。

●ドラマParavi『理想のオトコ』
■4⽉7⽇(水)開始の連続ドラマ テレビ東京、テレビ⼤阪、テレビ愛知、テレビ北海道、テレビせとうち、TVQ九州放送で毎週水曜深夜0時40分~
動画配信サービス「Paravi」では水曜夜9時より毎話独占先⾏配信
■原作:チカ『理想のオトコ』(講談社パルシィ所載) 単行本のほか、漫画アプリ「パルシィ」でも読める)
■出演:蓮佛美沙⼦、藤井美菜、瀬戸利樹/ 味方良介、安藤政信ほか

hair&make:宮本愛(yosine.)
stylist:佐藤遥菜(crêpe)
アイテム(ブランド/問い合わせ先):イヤーカフ(warmth/株式会社ユーストン 03-6413-0156)

■奥 令のプロフィール
1989年、東京生まれ。不登校・高校中退から高卒認定を取得し大学へ。新聞の記者・編集者を経て、2020年3月からtelling,編集部。好きなものは花、猫、美容、散歩、ランニング、料理。

■齋藤大輔のプロフィール
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。

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