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音読はすべての教科に絶大な効果あり!中学受験にはこう活用しよう

  • 2021.4.22
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小学校の宿題では、必ずと言っていいほど音読が出されます。音読は、字や文を読めるようになるだけではなく、国語や全ての教科に有効であり大人にもさまざまな効果がある最適な学習法です。中学受験を考える子どもにも、学力向上に役立ちます。
音読の効果とはどんなものなのでしょうか。そして学力に結びつく音読とはどのような方法でしょうか。

音読の効果を知ろう

音読にはさまざまな効果があります。黙読とは違い声に出して発音することで、脳に良い刺激を与えてくれるのです。どんな効果があるのでしょうか。

・読解力を鍛える

読解力とは、相手の言葉の意味を理解する能力です。音読することで漢字の読み方や文章の切れ目を理解することができ、記憶力や空間認知力が高まります。読解力が高くなることで、頭の回転も速くなっていきます。

・記憶力が上がる

音読する時は、視覚・聴覚など複数の感覚器官を使います。自分の声を聞きながら読むので、黙読よりも内容をインプットしやすくなります。黙読しただけよりも、読んだ内容を後々まで覚えていることが多いため、記憶力の向上にもつながっています。

・語彙力が増える

分からない単語や漢字を調べることで語彙力が向上します。黙読だと分かったつもりで理解しないまま読み進めてしまいがちですが、声に出すことでその曖昧さを解消したくなるものです。

英語の学習でも声に出した方が覚えやすいと言われており、音読により活発化した前頭前野の影響で単語や文章をより理解できるようになります。自然と語彙が増えるため、話すことが楽しくなってきます。

・ストレス解消になる

音読は脳の前頭葉を活性化します。前頭葉を刺激すると「セロトニン」という幸福ホルモンが分泌されます。このホルモンは、イライラや落ち込みを和らげる効果を持っています。また、セロトニンは女性ホルモンと深く関わっており、増えることで自律神経のバランスが良くなります。気分がふさぐ時には音読することでセロトニンを分泌させましょう。

・コミュニケーション能力の向上

発声に慣れることでスムーズに人に話しかけられるようになり、コミュニケーション能力が向上していきます。普段からあまり声を発しない人ほどコミュニケーション能力が低く、話すことへの苦手意識を持っているものです。普段から発声する練習を行っていると、自分から人に声をかけることができるようになるかもしれません。

このように音読には、勉強だけにとどまらないさまざまな効果があります。大人のストレス解消や、認知症予防に活用されることもあります。外国語学習においても、スピーキングのみならずリスニングやライティングに効果があるため多く取り入れられています。

受験勉強にオススメな理由とは

音読にさまざまな効果があることは分かりましたが、「時間がかかるから」「面倒だから」という理由で避けている人も多いようです。受験勉強するにあたっては、具体的にどんな効果があるのでしょうか。

・黙読の時に「音読する感覚」をもてる

音読を推奨すると「実際の試験の時は声を出して読めないのだから意味がない」という人がいますがそうではありません。日々音読を繰り返すことで、黙読する際にも音読しているような感覚で読むことができるのです。

どういうことかというと、ただ黙読をするだけでは活字を目で追っているだけになり内容が頭に入ってきづらくなります。内容を正確に意識しながら読むためには「頭の中で声を出すように読む」ことが大切であり、その音読感覚を養う為に普段からの音読が役立ちます。

つまり普段から音読をしていることによって、黙読している時でも音読のように内容を意識しながら精読することが出来るようになるのです。

・言葉をアウトプットすることができる

記述問題を解く際に「これはどんな言葉で言えばいいのだろう」と適切な言葉が浮かばない時があります。しかし、普段から書き言葉を音読していれば、言いたい内容にぴったりな言葉がすぐに口から出るようになります。それはいつもそういった言葉を口に出しているからです。記述問題だけではなく面接など実際に話す際にも、「言葉が思い浮かばずにしどろもどろになる」ということが減っていくようになります。

・正しく整った文が作れるようになる

せっかく適切な言葉が頭に浮かんでも、流れのおかしい文章や日本語として正しくない構成になっていれば記述問題を解くことは出来ません。正しい文章を身につけるためには、正しい文章を真似することが一番です。

それを目で読むだけではなく音読することで、意味や流れの正しい文章をインプットすることができ、試験の際に正しく書くことができるようになるのです。音読することで耳でも聞いているので頭に残り、いざという時にアウトプットすることができるようになります。

・速読できるようになる

中学受験では、制限時間内で膨大な量の文章を読み問いに答える必要があります。国語に限らず、理科や社会、学校によっては算数でも長い問題文が出されることがあるため、素早く読み取れなくてはいけません。1分間に400文字読むスピードが要求されるとも言われています。音読をすることは、理解力が高まる為速読にも効果があります。

受験に効く、音読の素材と方法

音読が良いことは理解し、やってみようと思っても、どんなものをどの様に行えばいいのか分からないという方も多いと思います。受験勉強に効果が出る音読の方法をご紹介します。

・何度も繰り返す

「読書百遍、意自ら通ず」という故事成語がありますが、これは難解な文章でも繰り返し読むことで意味が分かってくるという意味です。実際、同じ文章を何度も繰り返し読むごとに文章の理解度が高まります。ただ100回というのは忙しい受験生には現実的ではないかもしれません。無理のない範囲で反復しましょう。30回で十分効果が出ると言われていますが、難しければ10回、15回など無理のない回数を設定しましょう。

・読むものについて

音読に慣れるまではどんなものを読んでも構いません。本人が興味を持てるものを読ませ、何もなければ国語の教科書などが良いでしょう。
中学受験に通用する読解力を身に付けたいということであれば、塾のテキストや受験問題集、過去問の問題文などがおススメです。他には記述問題の模範解答も最適です。

・毎日10分音読

毎日10分程度音読することが望ましいでしょう。文章の長さが異なると思いますので、回数で調整します。継続するためには無理をしない方が良いですが、国語が不得意で早く力をつけたい人は1日30分など時間をとっても良いでしょう。

・継続した後は復習もする

毎週1文章を読むと1年で50文章になります。そのくらい続けていくと、初見の文章でも理解度がどんどん高まり、成績にも反映される様になります。読み終わった文章も翌週3回、翌々週3回など復習として読み続けることで、理解度が上がり読解力も上がります。最初に読んだ時よりも理解度が増しているのを実感出来るでしょう。

・内容理解を深める

「回数をこなそう」として棒読みになっては意味がありません。読む際にはキーワードとセンテンスを確認し、筆者の言いたいことが何かを頭に入れながら読んでいきましょう。
物語であれば「登場人物の心情とその根拠」や「場面の移り変わり」、説明文であれば「話題は何か?」「筆者の主張は何か?」という根拠を意識しながら読みましょう。子どもが自ら根拠を考えながら読むことで読解力向上につながります。

週末などの時間がある時に、意味の分からない単語を辞書で引いたり文章の要約に取り組んだりしてみましょう。

・理科や社会の勉強にも活用する

音読としてテキストや問題集を毎日読む以外にも、理科や社会の教科を勉強する際にも音読を取り入れましょう。前述した通り記憶力向上にも効果があるため、テキストを読む際に必ず声に出すようにします。音読することで理解が深まり、内容が整理され、頭にも残りやすくなります。

筆者の4年生の息子にも、1月から音読を行わせています。素材は塾のテキストで、1度読むと10分程となりちょうど良い量です。音読と合わせて、読み終わった後に内容を口頭で言ってもらうようにしています。

始めの頃は要点が定まらず長々と話していましたが、「大事なことを意識しながら読む・短くまとめる」ことを毎回伝えるうちに少しずつ要点を意識出来るようになってきています。物語は苦手で主人公の気持ちを汲み取ることが難しいようですが、繰り返すことで大事なところを意識出来るようになるといいと思っています。

最初の1週間くらいは嫌々行っていましたが、毎晩寝る前に行っているので今ではやらないと気持ち悪いようです。音読にはたくさんの効果があるので、受験勉強のためだけではなく今後も継続してほしいと思います。

読むことが苦手という子にこそ、簡単なものや短いものからで構わないので音読を取り入れてみてはいかがでしょうか。親子で一緒に取り組んでみるのもいいですね。

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