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「この日、僕たちは夫夫になった」本当にあったBLの物語

  • 2021.4.22
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累計4300万PVを突破した「文春オンライン」のノンフィクション連載がついにコミックスとなった。

元ゲイ風俗・ゲイバー従業員でTwitterでの人気をあつめる作家・もちぎさんも絶賛した、本当にあったBL(ボーイズラブ)の物語だ。

『僕が夫に出会うまで』(文藝春秋)は七崎良輔さんの原作を、『俺でいいの、水戸くん』『愛せよバケモノ』など数々のBL作品を手掛けてきたつきづきよしさんがコミカライズした作品だ。

原作者の七崎さんは、1987年北海道生まれ。高校卒業後に上京し、2015年、パートナーシップ契約公正証書を結んだ夫と共に「LGBTコミュニティ江戸川」を立ち上げた。翌年、LGBTのためのウエディングプラニング会社「合同会社Juerias LGBT Wedding」を設立。2016年10月、築地本願寺で宗派公認、史上初の同性結婚式を挙げた。

文春オンラインで七崎さんの連載エッセイが始まったのは2019年2月。築地本願寺ではじめての同性結婚式を挙げるまでの七崎さんの半生を振り返った連載は大きな反響を呼び、連載開始からわずか3か月あまりで単行本として出版された。

コミック版ではその内容をつきづきよしさんの繊細なタッチのマンガで楽しめる。

「七崎が女だったら、俺たち付き合ってたよな」

「男のお前とは付き合えない」と、はっきりと告げられた瞬間だ。本作では、学生時代の初恋や初めての出会い系サイト、さらに好きな人とのドキドキの共同生活なども含むほろ苦くも前向きなラブストーリが描かれる。つまづきながらも「運命の人」を求めて奔走する青年から目が離せない。

また、本書には、SNSで大反響を呼んだ母親へのカミングアウトを描いた番外編も収録されている。息子からのカミングアウトを受けた母親は動揺して「それって治らないの」と問う。どうしても受け入れられない母親だが、7年の時を経て世の中とともに変わっていく。ついに、母親が七崎さんとパートナーのことを受け入れたシーンは自分ごとのように嬉しくなってしまう。この番外編もTwitterで5万RTされて大きな話題となった。

本作品は、BLの要素だけでなく、一人の青年が他の人と同じように幸せをつかむために葛藤する様子がありありと描かれている。LGBTQに関するニュースを頻繁に目にする今、多くの人に読んでもらいたい作品だ。

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