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ワンダーウーマン、ジャスティス・リーグ、マルチバース…ジム・リーが語るDCの未来

  • 2021.4.21
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「長年つづくキャラクターは、アクションやアドベンチャー以上のなにかを象徴するものだと思います。ワンダーウーマンがDCコミックスでデビューしてから80年。いまでも多くの人々に愛されているのは、慈悲心や平和、品位や真実といった現代社会が希求する崇高な価値観を体現しているからではないでしょうか」。

【写真を見る】『ワンダーウーマン 1984』のBD&DVDは発売中!

全世界で興行収入8億ドル突破した『ワンダーウーマン』(17)の続編として、コロナ禍の昨年末に公開され話題を博した『ワンダーウーマン 1984』のブルーレイ&DVDが発売中だ。それを受けて、アメコミ界のレジェンドとして知られるジム・リーはその人気の理由について自身の見解を語る。

「パティ・ジェンキンス監督には、とても感謝しています」

【写真を見る】『ワンダーウーマン 1984』のBD&DVDは発売中! WONDER WOMAN and all related characters and elements are trademarks of and [c] DC. Wonder Woman 1984 [c] 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
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1980年代にマーベル・コミックスでキャリアをスタートさせたリーは、1991年にクリス・クレアモントと共同で「X-MEN」の新シリーズを手掛け、一躍アメコミ界で脚光を浴びる。その後マーベルを離れ、「スポーン」や「ザ・ウォーキング・デッド」といった人気作を生み出すアメコミ出版社イメージ・コミックの創設に携わると、期間限定でマーベル・コミックスに復帰。「アイアンマン」や「ファンタスティック・フォー」など往年の人気作のリブートに参加する。そしてDCコミックスに移籍後はアーティストの一人として、コミックからゲームまで多くの作品に携わってきた。

1941年にDCコミックスに初登場を果たしたワンダーウーマンことダイアナは、外界から隔絶された島で育ったアマゾン族の王女にして高い戦闘能力を持つ最強の戦士。バットマンをはじめとしたDCヒーローたちが世界観を共有するDCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)では『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16)で初登場。「ワイルド・スピード」シリーズで高い身体能力を発揮したガル・ガドットが同役を演じ、時代を象徴する女性ヒーローとして大きな注目を浴びることとなった。

BD&DVDにはメイキングなど約95分の映像特典も収録されている WONDER WOMAN and all related characters and elements are trademarks of and [c] DC. Wonder Woman 1984 [c] 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
BD&DVDにはメイキングなど約95分の映像特典も収録されている WONDER WOMAN and all related characters and elements are trademarks of and [c] DC. Wonder Woman 1984 [c] 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

『ワンダーウーマン 1984』の舞台は1984年。スミソニアン博物館で考古学者として働くダイアナの前に、禁断の力を手に入れた邪悪な実業家のマックスと、正体不明の敵“チーター”が立ちはだかり、やがて人類の滅亡の危機を止めるための壮絶なバトルが繰り広げられていく。

「実写版のキャラクターを作りだしてくれたパティ・ジェンキンス監督にはとても感謝しています」と語るリーは、「生身の三次元キャラクターとして大スクリーンに現れ、世界を救うその姿は広い世代に訴求した。きっと次の世代にも引き継がれていくことになるでしょう」と、いまやDCヒーロー屈指の人気を誇るワンダーウーマンが、今後さらに活躍することへの期待をのぞかせた。

「マルチバースの神話を拡大させていくことは、とても楽しい」

そんなワンダーウーマンをはじめ、複数のDCヒーローたちが集結した『ジャスティス・リーグ』(17)は、作品の完成間近にザック・スナイダー監督が降板し、後任を務めたジョス・ウェドン監督によって当初想定されていたものとは異なる作風へ大幅な変更が加えられることとなった。そのため多くのファンからスナイダー監督の構想通りの“スナイダーカット”を求める声が相次ぎ、「#ReleaseTheSnyderCut」という嘆願運動が勃発。その効果もあって先日、北米ではHBO Maxで約4時間にも及ぶ大作『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(5月26日よりDL&デジタルレンタル配信開始/6月25日4K UHD&ブルーレイ発売)が公開されることに。

『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』は5月26日デジタル配信 JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements and trademarks of and [c] DC. Zack Snyder's Justice League [c] 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』は5月26日デジタル配信 JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements and trademarks of and [c] DC. Zack Snyder's Justice League [c] 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

「DCユニバースはとにかく広大なので、ファンの希望を叶えるだけの器がある。なので今回のような『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』に対するファンの熱烈なサポートには声援を送りたい」とにこやかに語るリーは、「キャラクターを愛するファンがいることは、クリエイターたちにとってとてもうれしいこと。いまは多くの監督たちがさまざまなキャラクターとストーリーラインを練っているので、まだまだ語れるストーリーはあると信じています。今後もDCの歴史を愛するファンの皆様の期待に応えられるはずだとワクワクしています」と、DCファンの熱量あふれる行動力を支持した。

今後のDCEU作品を占う一つのキーワードとして挙げられるのは「マルチバース」。複数の並行世界が存在し、これまで異なる世界線のなかで展開していたヒーローたちの物語が一つの世界線に集められていくというものだ。その起点として2022年に公開が予定されている『The Flash』では、DCEU作品でベン・アフレックが演じたバットマンと、1990年代に人気を博したティム・バートン監督版でマイケル・キートンが演じたバットマンが登場することが報じられている。

こうしたマルチバースは、今度のDC作品にどのような影響を与えていくのだろうか?

6月25日発売のBD&DVDには、ジム・リーが作画を担当した28Pのコミックブックも同梱 JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements and trademarks of and [c] DC. Zack Snyder's Justice League [c] 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
6月25日発売のBD&DVDには、ジム・リーが作画を担当した28Pのコミックブックも同梱 JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements and trademarks of and [c] DC. Zack Snyder's Justice League [c] 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

「マルチバースはDCユニバースにおいて欠かせないベースになっているということは確実に言えます」とリーは強調する。「そもそもマルチバースを導入して広めていったのはDCが最初でした。それはたしか1961年のことで、それ以前にも並行世界への言及はあったかもしれませんが、我々がたったひとつの地球を生きているわけではなく、いまいる時空と少しだけ違うパラレルワールドが存在し、そこに複数のスーパーマンやバットマンが存在するという神話を確立させたのです」と、DCとマルチバースの歴史を振り返っていく。

「その神話を拡大させていくことはとても楽しい作業で、DCはそれをもう60年継続してきた。僕がマルチバースを知ったのは8歳か9歳の頃で、“アース2”や“アース3”の存在や、そこには違うバージョンのジャスティス・リーグが存在することを知ってかなりの衝撃を受けました。映画の世界でもこれが繰り広げられたら、世界中のDCファンに相当なインパクトを与えることになるでしょう。これからそれを発見する方々をとてもうらやましく思います」。

最後にリーは、6月25日(金)より日本で初開催される特別総合展「DC展 スーパーヒーローの誕生」についてメッセージを寄せる。

「僕が日本の漫画を発見したのが1980年代。それまではアメコミしか知らなかったので、アメコミの原理から大きくかけ離れた日本の漫画を知ったときには、新たな言語を学ぶかのような感覚を味わい、人生を変えるほどの衝撃を受けました。逆に日本の漫画しか知らない方々にとっては、アメコミのビジュアル言語やストーリーテリングの法則が新たな発見をもたらしてくれることでしょう。僕がかつて日本の漫画から感じたことと同じような驚きを、今度は日本の皆様にも感じてもらえたらうれしいです」。

「DC展 スーパーヒーローの誕生」は6月25日より開催! TM&[c]DC Comics
「DC展 スーパーヒーローの誕生」は6月25日より開催! TM&[c]DC Comics

取材・文/久保田和馬

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