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淡路島なのに鳴門の名が付く幻の柑橘、島土産として着々と

  • 2021.4.18
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柑橘類では珍しく、他品種と交配せず今に伝わる原生種のひとつ「淡路島なるとオレンジ」。淡路島でしか栽培されていない稀少なオレンジだが、現在もさまざまな形に加工されて島内で愛されている。

淡路島でのみ栽培され、品種改良がされていない数少ない原種の柑橘類「淡路島なるとオレンジ」

発祥は約300年前の洲本市南部・由良で、武士の陶山(すやま)氏が、自庭に育つ柑橘で特においしいものを密かに育てたのが始まりとされる同オレンジ。

今でこそ淡路島は兵庫県だが、廃藩置県前は徳島藩の領地であり、陶山氏が仕えていた藩主が「鳴門みかん」と名付け、戦後になって「鳴門オレンジ」の名称として定着した。

昭和の最盛期には、高級柑橘として東京で取引されるほど人気を誇ったものの、生産者の高齢化などにより、生産量が減少。島内でも入手困難なことから、今では「幻の柑橘」と呼ばれている。

このオレンジ、旬は4月中旬から初夏で、一番の特徴は何と言っても独特の豊かな香り。そこに着目した飲料メーカーの「ダイドードリンコ」(本社:大阪市北区)が、「淡路島なるとオレンジ」を自販機で復活させるべく、ボタンを押せば誰でも香りが楽しめる機能の付いた自販機を設置した。

ダイドードリンコが開発した自動販売機。芳香機のボタンを押すと「淡路島なるとオレンジ」の香が噴霧される

直売所「美菜恋来屋(みなこいこいや)」(兵庫県南あわじ市)に設置した1号機(2020年3月)を皮切りに、島内の公園や道の駅など、これまでに全11台。担当者は「利用者から『さわやかなオレンジの香りを楽しめて新鮮』と好評いただき、今後もニーズがあれば増やしていきたい」と語る。

また、島内の各店舗などでは、果実を生かした商品の開発も進む。人気のカフェ&ショップ「星の果実園」(兵庫県洲本市)では、すっきりとした酸味と上品な甘さ、ほろ苦さを生かしたマーマレードを発売(1320円)。同商品は、『第1回ダルメイン世界マーマレードアワード日本大会』(2019年)で最高賞を受賞した。

淡路島の鳴門オレンジを使った「鳴門オレンジのコンフィチュール」がマーマレードの世界大会で最優秀賞を受賞

さらに瀬戸内の特産物を集めた通販サイト『島と暮らす』で販売されるのは、予約販売の「淡路島産 鳴門オレンジケチャップ」540円。淡路島産の玉ねぎをベースに、淡路島なるとオレンジやレモンでフルーティーな酸味を加え、ドレッシング感覚でサラダにかけたり、魚介のグリルにもよく合う1品だ。

こうした島内外での活動が実を結び、おいしさや希少性に再び脚光が集まり始めた「淡路島なるとオレンジ」。各所で淡路島土産としての存在感を増しているようだ。

取材・文/みやけなお

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