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パートナーがずっと家にいるストレス、うつになる前に「分ける・区切る」

  • 2021.4.14
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コロナ禍で会社の業種に関わらず、全社員リモートワークとなった企業も少なくありません。そうなると、毎日通勤していたパートナーがずっと家にいる状態となります。

ある家庭では、多忙を極めていた夫が、仕事をしているとはいえ家にいてくれるという安心感があり、夫婦仲が良くなったという例ある一方で、夫の存在にプレッシャーを感じてしまう妻も少なからずいるようです。

それが長期間になればなるほど気持ちが沈み、「一生パートナーが家にいる」という事実に絶望感さえ感じる人もいるようです。

どうして、パートナーの在宅にプレッシャーを感じるのでしょうか? そうならない方法はあるのでしょうか?

■家族の目があると手を抜けない罪悪感とプレッシャー



例えば、家事・育児の多くを妻が担っている家庭の場合、妻は24時間365日働いているようなものでしょう。子どもが小さければなおさらです。

1人になれる時間があればホッと一息つける時間も持てるでしょうが、夫がリモートワークでずっと在宅となると気をつかいますよね。テレビをゆっくり観たり、友だちと長電話したりといったことに罪悪感を抱くこともあるでしょう。

また、夫が家にいることで、家事育児のルーティンも変わってきます。これまでは、簡単にすませていたお昼ごはんにも手が抜けない、好きな時に出かけていた子どもとの散歩も夫のオンライン会議に合わせるなど、自分の都合だけでは動けなくなるでしょう。

夫からこうしてほしいなど何か言われたわけでもないのに、感じてしまう罪悪感やプレッシャー。これまで通り、自分のペースで進められない家事や育児。とくに、育休中の方や専業主婦の方など、家で過ごす時間が長い方は、不自由さを感じることが多いと思います。

夫の定年後に訪れるはずだった「夫婦ともに家にいる生活」が、コロナ禍で急に何十年も前倒しになったことで、気持ちや生活の準備ができていないから、一層つらく感じるのかもしれません。まして今はまだ子どもがいて手もかかります。

しかし、裏を返せば、そういった問題が若い今のうちにわかって良かったともいえます。夫の定年後に夫源病(夫を原因とする妻の心や体の不調)に悩まされる妻は少なくありません。それを20〜30代で体験できたというのは、順応や立て直しもしやすく、定年後のギスギスが回避できるかもしれません。

逆に、共働きで以前から夫はリモートワークが多く、これまでは一人で家で仕事ができていたにも関わらず、妻もリモートワークが始まってしまったことによるストレスを抱えている場合もあります。仕事をしている家庭の場合、生活音がオンライン会議中にはいってしまったり、書斎をどちらが使うか考えたり…。少し休憩していると、仕事をしていないなら家事を手伝ってと言われてしまったり、小言を日中も言われるなんてケースも。それだけでなく、夫婦でずっと家にいることで、仕事と家庭の切り替えがなくなり、ストレスを抱えてしまいがちです。





■パートナーをストレスと感じないために「分ける・区切る」



家族の前では家事、育児、仕事に手を抜けないという罪悪感やプレッシャーは、多くの場合、自分自身の思い込みによるものが大きいのではないでしょうか。

パートナーがすぐそばで仕事をしているのだから、自分も休んでなんかいられない。相手に強制されたわけではないのに、自分で自分にプレッシャーをかけてしまうのです。

パートナーが家にずっといることをつらいと感じるようなら、自分で自分に「こうあるべき」と強いていないか、24時間365日、家族のために働くことが家族への愛情と思い込んでいないか、一度自分自身を見つめ直してみましょう。

そのうえで、家族がいてもオフタイムを積極的に設ける意識改革をしなければいけません。自分自身も気持ちを切り替え、パートナーにも切り替えを働きかける必要があります。

とはいえ、急に「気持ちを切り替えましょう」と言われてすぐできるものではありませんよね。そこで、まずは物理的、時間的に離れる方法をおすすめします。

ある定年後のご夫婦は、月水金と火木土で奥さんと旦那さんがそれぞれアルバイトを入れ、丸1日一緒にいるのは日曜だけという生活を送るようにしたそうです。週の半分は日中1人になれる時間が設けられるようになり、関係が良くなったといいます。

それをそのまま取り入れるのは難しいでしょうが、人間は1人になる場所・時間が必要です。近い環境を作るために、家の中ではパブリックスペースとプライベートスペースをきっちり分ける、ランチタイムや休憩時間をもうけ、それ以外はお互い話しかけないなど「分ける・区切る」ことを意識しましょう。そして、分ける・区切ることに慣れていくこと。

今後、コロナ禍が収束したとしても、リモートワークは日常になると思います。企業によっては、リモートワークを推進することで、社員のパフォーマンスは変わらず、交通費や会社の水道光熱費、賃貸料が節約できるというのが明らかになったからです。そう考えると、今後は家というプライベート空間に、仕事がどんどん入り込んでくるのは防げないでしょう。

そのため、仕事がプライベートを侵食していくストレスというのも生じると思います。例えば、始業時間や終業時間が曖昧(あいまい)になり、早朝や深夜にもオンライン会議が設定される、家族の声や音が邪魔をするかもしれないとヒヤヒヤしながらオンライン会議を行っている現状があります。

リモートワークの負担は、どちらか片方だけではなく、両者共に感じているのかもしれません。



だからこそ、物理的、時間的な区切りをもうける必要があるのです。仕事でも家事・育児でも、夫婦間で業務として取り決めをして、ルールを作ること。今それをしておけば、将来がグッと楽になり、そういう生活に慣れていくのも難しくなくなります。

これからは、家と仕事が同居するのがスタンダードになっていくこと、そのために空間と時間を分ける必要があることを、夫や子ども、家族で共通認識として持ち、ルールを決めることが重要となってきます。



(佐藤栄子)

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