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コロナで注目の雇用調整助成金を解説!個人の働き方はどう変える?

  • 2021.4.14
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新型コロナウイルス感染症の流行によって、雇用や給与が安定せず不安が続く2020年~2021年。注目されているのが、事業主を助ける「雇用調整助成金」です。

本記事では、雇用調整助成金の仕組みや手続き方法などを解説。また、コロナ禍の今、改めて見直したい「給料が減額された際の個人の働き方」についても考えていきます。

雇用調整助成金って何なの?仕組みを学ぼう

まずは、雇用調整助成金がどんなものなのか確認していきましょう。

雇用調整助成金とは?

雇用調整助成金とは、経済的な事情により事業活動を縮小または休業せざるを得なかった事業主に対し、国が休業手当などの一部を助成する制度です。
雇用調整(休業)だけでなく、従業員を出向、職業訓練させた場合も対象となります。

雇用調整助成金は、あくまで企業に向けたものです。
従業員の雇用維持が目的のため、個人(従業員)に直接、この助成金が支払われることはありません。

しかしこの制度は、企業が従業員に支払った休業手当や賃金などの一部を助成するものなので、間接的に個人に関わる制度ともいえるでしょう。

雇用調整助成金の支給対象事業主の条件とは?

雇用調整助成金の支給対象事業主は、以下のような条件、要件を満たす必要があります。

・雇用保険の適用事業主である
・雇用調整を実施している
・必要な書類を整備、保管、提出できる
・労働局などの調査を受け入れられる体制をとっている
・生産指標(※)、直近3カ月の平均値が、前年度より10%以上減少している
・雇用保険被保険者数(または派遣労働者数)の直近3カ月の平均値が、前年度より一定数以上増えていない(中小企業は4人以上かつ10%以上、その他の企業は6人以上かつ5%以上)
・事業主が提出した労働協定に添った、休業、出向、職業訓練がされている

その他にも、暴力団と関わりがある、支給申請日、決定日に倒産している、労働保険料を滞納しているなど、助成対象外となる条件がいくつかあるため注意しましょう。

(※)生産指標…雇用数の変動の影響を受けて変化する数値のこと(生産量や販売量、仕入れ量など)

支給期間はどうなっているの?

雇用調整助成金の支給期間は1年間です。
ただし、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業主の助成対象期間は、2021年6月30日までとなります。(※休業日の初日が2020年 1月24日~2020年6月30日の期間内の場合)

緊急対応期間中の雇用調整助成金の特例措置とは?

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業主に対し、2020年4月1日~2021年4月30日までを緊急対応期間とし、特例措置が講じられました。

主な変更点は以下の通りです。

<通常の雇用調整助成金>
対象者:経済的な事情により、事業活動が縮小または休業せざるを得なかった事業主
対象の従業員:被保険者
生産指標数減少率:3カ月10%以上
助成率:中小企業 2/3、大企業 1/2
日額上限:1人当たり8,370円
その他の条件:事前に計画届の提出が必要。また、支給期間が終了後、1年経過しないと再度申請できない。

<特例措置>
対象者:新型コロナウイルス感染症の影響を受けた全事業主(業種問わず)
対象の従業員:雇用保険被保険者でない労働者も対象(パート、アルバイトなど)
生産指標数減少率:1カ月5%以上
助成率:中小企業 4/5、大企業 2/3(雇用維持した企業は助成率が10/10になるケースもあり)
日額上限:1人当たり15,000円
その他の条件:計画書、1年間の申請待ちが要らない。

この他にも、いくつか変更点があります。詳しい内容は、厚生労働省のホームページで確認しましょう。

続いては、雇用調整助成金の申請方法を見ていきましょう。

雇用調整助成金を支給してもらうための手続き方法とは?
雇用調整助成金の申請から支給までの流れ

申請から支給までは以下の4ステップです。

1.休業計画、労使協定
具体的な期間、手当の支払い率を決め、休業協定を労使で締結
2.計画を元に休業する
3.必要書類を添付し、支給申請する
4.労働局で審査後、支給額が支払われる

新型コロナウイルス感染症の特例措置により、緊急対応期間中は事前の計画書提出の必要がありません。緊急対応期間が終了した場合は、以前と同じく計画書の提出が求められる可能性があります。

手続きはどこで行えばいいの?

事業主の会社がある地域のハローワーク、または都道府県労働局で行います。郵送する場合は、配送記録の残る簡易書留などを利用しましょう。
申請期限は、支給対象期間の最後の日の翌日から数えて2カ月以内です。

申請に必要なものは?

雇用調整助成金の申請には、以下の書類の提出が求められています。

・様式特第4号 雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書
・様式特第6号 支給要件確認申立書・役員等一覧
・様式特第7号または10号(休業等)支給申請書
・様式特第8号または11号 助成額算定書
・様式特第9号または12号 休業・教育訓練実績一覧表
・休業協定書
・役員名簿や労働者名簿など、事業所の規模を確認できる書類
・タイムカード、出勤簿など、労働・休日の実績の書類
・給与明細、貸金台帳の写しなど、休業手当・賃金の実績の書類

緊急対応期間に雇用調整助成金を申請する場合は、特例用の様式を使い提出しましょう。また、追加の確認書類として売り上げや収入名簿の写しも必要です。
申請に必要な書類は、厚生労働省のホームページでダウンロードできます。

雇用調整助成金は企業向け。給与が減額になったら個人の働き方はどうする?

雇用調整助成金は労働者には支払われません。では、給与が減額された際、個人はどう働くべきなのでしょうか?

給料が減額された際の、働き方とは?

新型コロナウイルス感染症の拡大により給与に影響が出た人も多いでしょう。2021年になっても終息の見込みはないため、現時点で減給されていない場合でも、いつ影響が出るか分かりません。

もし、勤め先の会社が休業または、あなたの出勤日数を調整した際は、空いた時間を有効活用してみると良いでしょう。
例えば、資格取得の勉強をしてスキルアップを目指したり、自分の能力を活かした副業をしたりなどです。

スキルアップで自分自身の能力を高めておけば、万が一リストラされた際も、スムーズに転職、再就職できるでしょう。副業をすれば、給料が減額されても他での収入が見込めるため、安心です。

また、新型コロナウイルス感染症の影響だけでなく、今後はAI化が進むことから、人間がしていた仕事をAIに取られていくことも考えられます。
どんな状況になったとしても、対応できる力を身に付けておくことは、自分の将来のためになると言えるでしょう。

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金も活用しよう

勤め先の企業が申請条件に該当しない場合や、経営状態や悪い場合、休業しても休業手当が貰えないケースがあります。
その際は、個人で申請できる「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」を利用しましょう。

これは、新型コロナウイルス感染症の影響や蔓延対策によって休業した企業から手当てがもらえない労働者が、国からの支援金を受け取れる制度。パートやアルバイトでも申請できるのがメリットです。

勤め先が中小企業なのか大企業なのかによって対象や期限が異なるため、申請する際は事前によく確認してください。

雇用調整助成金は企業向け。何があっても困らないよう、働き方を考えておこう

雇用調整助成金は企業を助ける制度です。しかし根底には、企業に勤める労働者を守るという考えがあります。しかし、この制度があってもあなたが企業で働く側ならば、いつ何時、出勤日数や給料が減ったり職を失ったりするか分かりません。どんな状況になっても対応できるよう、スキルアップの勉強や副業などをして自分自身の力を磨いておきましょう。

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