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緑あふれる環境で、園芸に料理。楽しみを知人と分かち合う築28年1K、一人暮らしのインテリア

  • 2021.4.13
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自然と四季を感じられる生活。

inabauskさんが、今の物件を選んだ決め手は、学生時代に住んでいた好きなエリアと職場からも近い立地。不動産屋さんで紹介された住まいは、都心でありながら一見外からは分からない森の中のような自然溢れる空間にありました。

「家の窓から見える景色として、小さな窓からは春の時期に梅や椿、柑橘類も実っている景色を見ることができます。」

「もう1つの窓は地形の関係で山のような景色から、春は椿のピンク一色からヤマブキの黄色に、そこから初夏にかけてサツキのピンクが広がってと芽吹きの勢いがすごいんです。自然溢れる環境に猫や鳥はもちろん、ハクビシンやタヌキも出てきますよ。」

周りを緑の環境が想像を膨らませてくれると話す、inabauskさんは自称園芸家。

「小さい頃、母親と一緒にガーデニングをしていたのがうっすら記憶にあって、社会人になって働き始めると土日暇じゃないですか。何か始めようとした時にその記憶が蘇って買い始めたんですね。するとどんどんはまっちゃって。」

ベランダには端から、端までたくさんの緑が並んでいました。

「この家を離れられない理由の1つになってしまいましたね。1つ1つの鉢にどこで買ったのかという思い出が色濃くあって、大切に良い環境で育てていきたいという思いがあります。ここは周りの景色も良くて都内の中心地であるということを一切感じさせないんです。」

「加えて、この住まいは水道代が定額なんですよ。なので水をあげるのも気兼ねなくやれて、気づいたらここは園芸家のための家なのではと思うようになりました。」

花の中でも特に好きだと話されていたのが「クリスマスローズ」。お部屋での暮らしもこの花を中心に回っているそう。

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園芸を始められて、ご実家のご家族とのコミュニケーション機会も増えたそう。 「一緒に花を買いに行くことも多く、将来的には今の鉢植えから広い地元の土地で地植えして育てて行きたいですね。」 住まいから生まれや暮らしの変化が、家族との関係にまで影響を及ぼすとは、お部屋の可能性を改めて感じました。

好きな人のものに囲まれた空間作り。

inabauskさんが大切にされているのが、共感できる作り手の想いあるものや購入する時の思い出があるもので作る空間づくり。 お部屋でシンボル的な存在のアート作品は、ご友人の作家さんが住まいをイメージして描いてくれたという思い入れのあるものだそう。

「自分が家にアート作品をおきたいという話をした時に、ぜひ描かせて欲しいと言ってくれて、出来上がった作品もすごく良くて感動しました。いいものを買ってきて置くではなくて、好きな人とか気に入ってくれた人のものでお部屋が作れたら良いなとおもっています。」

細部まで見ると小さくお部屋の名前も描かれていました。

またキッチンにもこうした思い入れのあるアイテムがありました。

「昔、一緒に働いていた先輩が転職した釜浅商店で紹介してもらった鉄鍋は、カレー作りにとても重宝しています。これまではフライパンで炒めて、鍋で煮るという工程だったのですが、この鉄鍋だとどちらも行うことが出来るんです。一生使えると教えてもらった通り、手入れをしながら長く使って行きたいと思っています。」

同じく食事とともに使うアイテムとしてお話されていたのが器類。

「器も作家さんと実際に話をして良いなと思ったものを買うようにしています。特にマルヤマウエアさんの器は色合いやデザインが好みなことはもちろん、人柄も素敵で使うことができて良かったなと心から思えるものになっています。」

伺う前に割ってしまったという一皿もディスプレイされていました。

「これはこれで絵になるんですよね。もう少しして落ち着いたら金継ぎをして直せたらと思います。」

娯楽を日々の生活に、友人と共に。

inabauskさんが住まいを1Kにされたのは、趣味の料理の匂いが部屋に籠もらないようにするため。特にこだわりのカレーは、自宅で友人に振る舞い始めたところから、今では週末にお店で出すほどの腕前になっているそう。 「子どもの頃は嫌いだったカレーが好きな格闘家をきっかけに、最初はなんとなく格好いいなというイメージからハマるようになったんです。スパイスの効能が健康的にも、自分の体にも合っていたのもハマっていくことに繋がりました。」

「キッチンは光がたっぷり入る窓が気に入っています。築年数の浅い建物だと、この窓の設置は出来ないと思うのですが、ちょうど実家のキッチンも作業スペースの前に窓があり、なんだか馴染みある感じが心地よいです。」

「また、キッチンは使いやすいように、DIYで木のフレームを作り、調理アイテムを吊るすオープン収納を作成しました。」

ここではカレー以外にも料理全般、様々なものを作られるのだそう。特にカレーと共に日常的に作られているのが甘酒。1杯分頂きましたが後に引かないスッキリとした優しい甘さがとても美味しい甘酒でした。こうした料理をご自身だけでなくご友人を招いて振舞うことも多いそう。

友人を招いた際に使うのが、お気に入りだと話すダイニングテーブル。

「白い椅子とセットで、友人から譲り受けました。もらった時から使い込まれていて、天板の塗料が剥げていたりするんですが、それも味になっていていいんですよ。」

「このダイニングテーブルのおかげで、それまで床座だった生活から、目線も生活の水準も上がりましたね。

部屋も掃除しやすくなって、人も呼びやすくなったので正に生活を変えてくれたインテリアです。」

友人とも一人でも日々楽しまれているのがコーヒー。お部屋の中にもたくさんのコーヒーグッズがありました。

「コーヒーも元々はブラックコーヒーが飲めなかったのですが、大人になって実家で飲んだコーヒーが浅煎りで飲みやすく、日々飲む生活になったそう。地元に「珈琲工房ほろにが」という園芸と珈琲を教えてくれる師匠のような方がいて、その方からの情報でコーヒーによりハマっていきましたね。」

こうした娯楽もまた、バックグラウンドを理解して共感出来るもので揃えたいと話すinabauskさん。

「自分自身、退屈があんまり好きじゃないこともあり、手に入れた知識やものから、ガーデニングをやって、雨が降ってできないなら、家でコーヒーを淹れて、日が暮れたら料理をしてという風に思い入れのある品たちと、そして娯楽と共に過ごせたら良いなと思います。」

「またこうした生活に関心を持ってくれた方を招いて、食事を振る舞ったり、話に花を咲かせたり出来るような生活を送りたいですね。そういう面では、5年前から作っている梅酒や、まだやったことはないですが味噌、醤油などの発酵食品といった自分で作れる生活に使えるものはどんどん増やしたいなと思っています。」

住空間をベースに、暮らしを楽しむ仕掛けを自ら作り、またそれを周りの人にも提供されているinabauskさん。住まいの緑が広がっていくように、今後この空間から、どのような新しい娯楽や人との関係が芽吹いていくのか、とても楽しみです。

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