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庵野秀明総監督、「エヴァ」初の舞台挨拶に登壇!「直接お礼を言う最後のチャンス」ラストカットの裏話も披露

  • 2021.4.11
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『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(公開中)の大ヒット御礼舞台挨拶が4月11日に新宿バルト9で開催され、総監督の庵野秀明、監督の鶴巻和哉と前田真宏、シンジ役の緒方恵美が登壇。庵野総監督が「僕が『エヴァ』関連で表に出るのは、最初の制作発表の時と、1本目が間に合わなかった時の謝罪会見以来。今日はスタッフ代表として、皆さんに直接お礼を言う最後のチャンスだと思って出ることにしました」と挨拶。「本当にありがたい」と何度も観客にお礼を伝えながら、「ラストカットの実写にはものすごくお金をかけて、好きなものを入れている」と裏話も明かし、会場から大きな拍手を浴びた。

【写真を見る】庵野監督、『シン・エヴァ』ラストカットの貴重な裏話を披露!

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の大ヒット御礼舞台挨拶が開催された
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の大ヒット御礼舞台挨拶が開催された

1995年にテレビシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」の放送が開始。庵野秀明が原作、脚本、総監督を務め、25年にわたり人気を拡大し続けてきた。本作は、2007年からスタートした「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの最新作にして完結編。4月7日発表時点で、累計興行収入は70億円、累計観客動員数は460万人を突破する大ヒットを記録している。この日の司会は、緒方が務めた。

【写真を見る】庵野監督、『シン・エヴァ』ラストカットの貴重な裏話を披露!
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庵野総監督は「(興行収入が)もう『:Q』を超えている。80(億円)ちょっといったら、『シン・ゴジラ』を超えてくれる。そこにいったら、僕のなかではレコードになります」と触れ、「100億円いってくれると、アニメ業界の活性化にいい。『鬼滅の刃』とかは、100億をねらって当然の作品。ジブリもそうで、宮さん(宮崎駿)のところも100億いくでしょう。でも『エヴァ』ってロボットアニメなんです」と冒頭から率直なコメントで会場の笑いを誘い、緒方が「ロボットアニメだったんですか!」と声を上げると、庵野総監督は「有名なロボットアニメで『ガンダム』というのがありますが、『ガンダム』ですら100はいっていない。ロボットアニメで100を目指せるというのは、本当にありがたいことだなと思っています。“こういうものでも100億円いく”というのは、アニメ業界に本当にいい」と力を込めていた。

さらに制作を終えた時の心境を聞かれると、「安堵です。終わった、終わった」と答えた庵野総監督。「感謝ばかりだった。お礼を言ってまわった。こういうところをNHKは撮っていない」と先日放送されて反響を呼んでいる「プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル」について触れ、会場も大爆笑。番組では随所までこだわり抜く庵野総監督の姿が映しだされていたが、「各セクションに頭を下げて、『ありがとうございました』と言うのが僕の終わり」と語りながら、「無茶のように見えて、無茶はしていない。やれることしかやっていない。その辺を誤解しないでください」と呼びかけていた。

小ネタを教えてください!
小ネタを教えてください!

ミニチュアセットやモーションキャプチャーも使いながら、本作を完成させた。庵野総監督は「そういったものがなくても、アニメはできる。でも『:序』のころから、手で描いて済むだけのものにしたくないという思いがあった。いろいろな技術が上がって、ようやく今回それができた」と告白。「頭のなかでできた画面ではなくて、実際に存在するものを切り取ることで、アニメーションを作る。時間もお金もかかる。本当に大変なので、やらないほうがいいです」と続けると、緒方も大きな笑顔を見せる。

庵野総監督は「自分の頭のなかでできたものって、おもしろくない。自分だけで作りたくないんです。いろいろな人の意見を重ねて、やっていきたい」と熱弁しつつ、実写とアニメのハイブリットの手法を使ったことについて、「『:序』からちょっとずつそういったものを増やしながら、『:Q』と『シン・エヴァ』の間が空いて、その間に『シン・ゴジラ』ができたので、そのノウハウを全部生かせた。『シン・ゴジラ』を作っていなかったら、『シン・エヴァ』はこういうふうになっていない。あの映画をやらせていただいて、本当によかった」としみじみ。あらゆる積み重ねによって本作が完成し、「やっぱり進化はしたいのでね」とあふれる創作意欲を明らかにしていた。

何度もお辞儀をした
何度もお辞儀をした

また上映後のトークイベントとあって、緒方から「小ネタを教えてください」と聞かれるひと幕も。庵野総監督は「『エヴァ』の画面は、物語上で必要なものと、絵として美しいものと、僕自身の人生において関わりのあるものと、スタッフの好みで構成されている」と切りだし、「アニメーションって、自分の好きなものだけで構成できる。実写だと『あそこのビル、どうにかならないかな』ということもある。アニメならば描かなければいい。それができるのがアニメーションのいいところ」と吐露。

「そのなかには小ネタもいっぱいある。僕のなかでは宇部新川駅とか、クモハ42とか。モデルになっている駅の周辺は電化されていないので、電車があるのはそもそもおかしいんです。あれは僕が子どものころに見ていたり、乗っていた電車なので、思い出の場所として、あの画面が構成されている。クモハ42も僕の妻の絵も、大好きなもの。自分の人生にものすごく関わりのあるもの」と愛情を傾けるものをあげながら、「ラストカットの実写は、ものすごいお金をかけて、好きなものを一つ入れている。それは気づいていただけると幸いです」と笑顔を見せていた。

最後には「制作の途中からコロナ禍に見舞われて、日本中、世界中、大変な時期がいまも続いています。厳しい時期になっても、映画館に足を運んでいただけることに感謝しています。本当にありがとうございました!」とお礼を述べた庵野総監督。何度も観客に頭を下げ、その姿に会場からは万雷の拍手が贈られていた。

取材・文/成田 おり枝

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