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本物の味がする、老舗〈こくぼ〉のあんみつ。/フードディレクター・野村友里さんが信頼する美味しさと、生産者たち。

  • 2021.4.11
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フードディレクター・野村友里さんのおすすめ食材を紹介する、3月29日(月)発売『会いたくて、食べたくて 私が信頼する101の美味しさとその生産者たち』より、〈こくぼ〉のあんみつをご紹介します。

〈こくぼ〉のあんみつ

小倉あんみつ、こしあんみつ各380円。天草は100g 1,000円~。店頭販売、全国発送も行っている。電話で注文できる。

東京都目黒区東山1-16-16
03-3713-3974
9:00~18:00日、第3土休

お店に伺えば、奥のあんみつ工場からおばさまたちの楽しそうな声が聞こえてきて、直結する売り場に、ハイハイと出てきてくれる。その明るい雰囲気がなんとも好きな〈こくぼ〉。聞けば、家族経営かつ、古くからご近所の方がずっと働いているからとのこと。中には70歳を超えるベテランの方もいらっしゃるといいます。その昔ながらの雰囲気が、そのまま味になっているようなあんみつは、神津島をはじめ伊豆七島の天草を使った寒天に、北海道産の小豆のあんこが入っています。潮の香りが漂い、程よい歯ごたえのある寒天は、天草が海藻であることを思い出させてくれます。つまり、本物の味がするんです。

昭和22年の創業以来、喫茶店や甘味処に卸していた寒天を、卸業も続けつつ、自分たちでも直接販売するようになったのだといいます。あんみつに入った求肥も、創業当時から付き合いのある専門店が作っているもの。個人に販売するようになった以外、当時からほとんど変わっていないんです。幾度も天日に干して、手間暇かけて乾かされた天草も販売しています。あんみつももちろんおいしいけれど、きちんと天草から作ってみようかと、そんな気にさせてくれるお店です。

Profile…野村友里(のむら・ゆり)

eatrip 主宰・料理人。長年おもてなし教室を開いていた母の影響で料理の道へ。ケータリングの演出、イベントの企画・プロデュースなどの傍ら、雑誌の連載、ラジオのパーソナリティなどの分野で活躍。2009 年にはドキュメンタリー映画『eatrip 』を監督。著書に『Tokyo Eatrip』(講談社)。12年、原宿に〈restaurant eatrip〉を、19年には表参道にグローサリー〈eatrip soil〉をオープン。

(『会いたくて、食べたくて 私が信頼する101の美味しさとその生産者たち』掲載/photo:Yurie Nagashima text:Toshiya Muraoka styling:Yuri Nomura)

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