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Netflixで話題「アンオーソドックス」、原作もすごい。宗教の支配から脱出した女性の、衝撃の実話

  • 2021.4.10
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2020年にNetflixにてドラマ化され、世界中で配信された話題作『アンオーソドックス』の原作が日本でも刊行され、注目を集めている。Amazonベストセラーでも第1位を獲得した本書は、閉鎖的宗教コミュニティに生き、性教育を一切受けることのなかった女性の「衝撃と苦悩」を描いた回顧録だ。

舞台は、2009年秋のニューヨーク。23歳のデボラ・フェルドマンは、ユダヤ教超正統派〈ウルトラ・オーソドックス〉という全てのしきたりが決められているコミュニティのなかにいた。そこでは女性に対して、正しい服装、言葉を交わして良い相手、読むことが許された本、人前で歌ってはいけない、など様々な「しきたり」が課せられていた。ほかにも、ニューヨークにありながら、英語を話すことは禁じられ、結婚後は全て髪の毛を剃り、カツラをかぶることが強制されていたのだ。

しかし、そんな環境のなかでも、デボラ・フェルドマンだけは違った。幼い頃からジェイン・オースティンなどの小説を隠れて読み、その自立した主人公たちに想いを馳せ、自分も自由な生き方をすることを思い描いていたのだった。

そしてついに、徹底した監視の目と不自由のなかから、自立と自由を求め、幼い息子と少しの荷物だけ持ってコミュニティからの脱出を図った。勇気ある彼女のアンオーソドックス(=異端、型破り)な半生を綴った作品である。

本書を読んでたくさんの共感の声が届いている。これはどこか違う国の誰かの物語ではなく、わたしたちの物語なのだ。

作家の西加奈子さんは下記のようなコメントをしている。

心から信じられるものがある人は強い。デボラのように、それが与えられたものではなく、みずから選びとったものである場合はなおさら

そのほかにも様々な共感コメントが。

・自らの幸せをただただ求めた信念の強さに圧倒された。かなり秀逸で心に残る作品
・デボラの不自由さ、屈辱、そして反抗心。読み進むにつれ、昭和の片田舎に生まれた左利きである ことを揶揄され、「赤毛のアン」に跳躍する未来を読んだ少女だった私が顔をもたげてきた。これは、人種や性別を超えた「わたしの物語」だ
・当たり前は決して当たり前ではないのだ。 自分らしく生きることの素晴らしさを実感できる作品である

著者のプロフィール。

デボラ・フェルドマン(Deborah Feldman)
ニューヨークにあるユダヤ教の「超正統」、ハシド派のコミュニティに生まれ育つ。故郷を去るまでの半生を綴った本書『アンオーソドックス』は、NY Times ベストセラーリストに入り、センセーションを巻き起こした。自伝をもとにしたミニシリーズは Netflix 配信中。現在はベルリン在住。

彼女の勇気ある行動に私たちは何を感じるのだろうか。

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