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吉田恵輔監督、松山ケンイチを絶賛「自分が描いた以上に膨らませてくれる」

  • 2021.4.9
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吉田恵輔監督
吉田恵輔監督

映画「BLUE/ブルー」でメガホンを取る吉田恵輔監督(「吉」は正しくは「土」に「口」)。同作は、プロボクサーの瓜田(松山ケンイチさん)はどれだけ努力しても負け続きの一方で、ライバルで後輩の小川(東出昌大さん)は瓜田の幼なじみ、千佳(木村文乃さん)と結婚を控えており、さらに日本チャンピオンも目前。ある日、瓜田は抱え続けてきた思いを彼らに吐き出し、関係が変わり始める…ボクシングに情熱をかける挑戦者たちのドラマです。

オトナンサー編集部では、吉田監督に単独インタビューを実施。松山さんとの仕事やボクシングの魅力などについて聞きました。

手しか使えないボクシングの魅力

Q.ボクシング映画はずっと撮られたかったのでしょうか。

吉田監督(以下敬称略)「デビューしたらこういう映画を撮りたいと思って、ネタはいろいろありました。実際、撮るまでに時間がかかったので、話はいろいろな方向に広がって、映画が決まったときに落ち着いた話がこれです。

映画を撮る前、他のボクシング映画が公開されて、ネタを先に使われたりしました。東映ビデオの方が、ボクシング映画に興味があると言われたときの台本がこれでした。もし時期が違ったら、話も変わっていたと思います」

Q.松山ケンイチさんとのお仕事はいかがでしたか。

吉田「変なことをするわけじゃないんだけど、イメージしたものとは違う絵になっていることが多かったです。ボーっとする表情も、そんなにキュンとするようなシーンで描いてないんですけど、松山さんが演じると持って生まれた華があるからか、キュンとなっています。自分が描いた以上に膨らませてくれる人でした。ストイックにしてくれているんですが、役者役者している人ではなくてフラットでいいなと思いました。

役者さんと仕事をしているとはいえ、僕は単純にボクサーのドキュメンタリーでもいいという感覚で撮りたかったんです。松山さんは役者がボクシングをしているというより、普通の人がボクシングをしている感じでいてくれたので楽でした」

Q.何となくボクシングを始めて、プロボクサーになる方は実際にいらっしゃるのでしょうか。

吉田「多いです。ダイエット目的や、本当に近所にあったから、ボクシングに興味ないのに始めて、気が付いたらプロ5戦目という人、いまだになんでボクシングをしているのか分からないという人、ダイエット目的で始めたのに会長から、『試合組んだ』と言われる人もいます。

ボクシングをしていて楽しかったり、ジムメートができると居心地がよくなります。2年くらい続けていると、プロの資格を取ってみろとか言われたりもします。勝てないけど、これに懸けているという時間が抜けている分、続けられるんですよね」

Q.ボクシングはどれくらいされているのでしょうか。

吉田「14歳から今も続けているので30年以上です。映画監督はオフも多いので、撮影の前日も練習していることもあります。写真を撮られる立場なので、取材の前はあまり練習しません。練習しても打たれないことをメインにします」

Q.ボクシングの魅力を教えてください。

吉田「格闘技はいろいろありますが、手しか使えないところが面白いです。手のほかに足も使えると、大きく避けることはありますが紙一重で避けることはできません。ボクシングは手だけなので、紙一重で避けることができます。ミリ単位で避ける、研ぎ澄まされた世界が好きです。だから、総合格闘技は大味に見えてしまいます。けんかになるとボクシング以外の方が強いですが、美しさは感じないです」

Q.今回のロケでこだわったところはありますか。

吉田「ジムですね。ボクシングジムは関東圏で借りられるところを全部調べていました。休業があるジムじゃないと借りられません。僕の通っているジムの会長が詳しいので、絞り込んでいきました。撮影に借りたジムは日本では珍しく、真ん中にリングがあるところです。普通のジムだとリングがあります。日本ではここでしか見たことがありません。試合ができるように造られたジムでした。こんなジムが日本にあるのかと思いました」

映画「BLUE/ブルー」は全国公開中。

オトナンサー編集部

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