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最近、肌の調子が悪くない?…「春のゆらぎ肌」すぐ試したい改善ケア  #103

  • 2021.4.9
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寒暖差や紫外線の増加で、肌の調子がイマイチ…と感じる人が多いよう。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、季節の変わり目のターンオーバーを整える簡単な方法をお伝えします!

季節の変わり目、肌荒れしていませんか。

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 103

今年も温かい日と雨の日を繰り返す、春らしい気候が続きますね。また、温かくなるのが例年より早いせいか、ツツジの開花も早まり桜にツツジと華やかな景色を至るところで目にすることができます。

ただ、春につきものである寒暖差や紫外線の増加は、私たちのお肌にダメージを与えます。お肌のターンオーバーが乱れ、角質が厚くなりガサガサ、ゴワゴワのお肌になることも…。特に花粉症で悩む人は、鼻のかみすぎで赤みや乾燥などの肌トラブルも加わっているのではないでしょうか。そこで、今週は季節の変わり目のお肌のターンオーバーを整える食薬習慣を紹介します。

今週は、お肌のターンオーバーを整える食薬習慣

漢方では、春はのびのびと開放的に過ごすことが望ましいとされています。服装も黒系からパステルや白系など明るい色に、メイクもピンクなど春らしい発色のものを使いたくなりますよね。ただ、今年の春も昨年に引き続き、のびのびと過ごすことができず、ひっそりと季節の移ろいを眺めて過ごすことになりました。春の楽しみもお友達と共有する機会が少なくちょっと切ないですよね。

そして、春の季節の変わり目といえば、寒暖差により皮脂分泌のバランスが乱れたり、外気が乾燥している季節でもあるため、保湿を怠ると乾燥肌になったり、紫外線の増加が肌へのダメージを与えたり、花粉による皮膚炎が起こったりとターンオーバーが乱れやすくなり肌トラブルを感じやすい季節です。

さらに今年はマスクをする習慣もあるため、マスクの擦れや蒸れ雑菌の繁殖などにより肌トラブルの改善に時間がかかり、長引くと色素沈着を起こしてしまうこともあります。ターンオーバーが乱れている状態を漢方では「気虚」、炎症を起こしやすい状態を「湿熱」といいます。外からの刺激が多いときこそ体の中から整えることを忘れないようにしなければなりません。

そこで今週は、「気」を補い「湿熱」を取り除く食薬習慣です。食べるとよい食材・メニューは【鮭と香味野菜の炊き込みごはん】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材:鮭と香味野菜の炊き込みごはん】

ご飯を炊くときに鮭、干し椎茸、玉ねぎなど好きな食材とお出汁を入れ、炊き上がったら刻んだミョウガや大葉などをたっぷり混ぜたら完成です。仕上げにすり胡麻をかけるとさらに栄養価がアップします。

【鮭】

「気血」を補いつつも「湿熱」を取り除く食材です。ターンオーバーに欠かせないタンパク質、鉄、亜鉛、ビタミンB群などを含み、炎症を抑えるEPAやDHA,抗酸化作用をもつアスタキサンチンを含んでいます。さまざまな悩みを解消する万能な食材です。

【香味野菜】

ミョウガ、紫蘇、玉ねぎは香りの高い食材ですよね。香りの高い食材には、炎症を抑える働きや抗酸化作用をもつファイトケミカルが豊富に含まれています。赤みの強い肌トラブルを感じる時には、香り高い野菜を選ぶようにしましょう。

いつもマスクをしているからとはいえ、ちょっとお茶をするときなどには、短期的にマスクをはずさなければなりません。マスクで隠していても、肌トラブルが明らかになってしまいます。この時期の肌トラブルは、早急に治したいですよね。外からのケアと並行して体の内側から食薬をとりいれていくこともおすすめします。

ほかにも炎症を軽減するレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

Information

大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika

『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。

『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。

©Francesco Carta fotografo/Gettyimages
©PeopleImages/Gettyimages
©Vincent Besnault/Gettyimages

文・大久保愛

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