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物語を描く、猫の擬人化絵画「クスっとしてもらえたら」

  • 2021.4.7
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猫の擬人化オーダー絵画を描く、京都の画家・田嶋香里さん

猫の擬人化オーダー絵画を描く、京都の画家・田嶋香里さん。今年1月にオープンした、宇治橋商店街のアトリエ『3軒のねこと庭』(京都府宇治市)でカウンセリングをおこない、人間のように振る舞う猫をオーダーメイドで描く彼女に、なぜありのままの猫を描かないのか? 猫を擬人化する思いは? 話しを聞いてみた。

幼少絵画教室から絵の道へ
宇治橋商店街のアトリエ『3軒のねこと庭』

——絵画を始められたきっかけはなんですか?

元々は大学でデザインを専攻していましたが、子どもを絵画教室に通わせたときに子どもの絵が変わってしまったんです、先生の手が入ったように。それで自分が教えたいと思い、幼少絵画教室を始めたことがきっかけです。

——今も教室はされているんですね。

はい。絵を描く・・・というのは人間の本能だと思っていまして、この文化が消えていくのはもったいないと思い、社会人が手ぶらで通える教室も実施しています。

「人間社会」を猫で表現する理由
1月にオープンした『3軒のねこと庭』では、作品を多数展示

——猫の絵を描き出したのはいつごろから?

15年くらい前ですね。元々は人物画が好きだったんです。でも、あるとき突然描けなくなってしまって・・・。

——絵を描けなくなった? なぜですか?

わたし、人間の持つ「嫉み」や「嫉妬」といったマイナスの感情が本当に嫌いなんです。それを避けて絵を描くと、薄っぺらい絵画しか描けなくなってしまって・・・。

——画家さんにとって、描けなくなるのは致命的ですね。どうされたんですか?

どうしても作品を描かなければいけない機会があり、ふと「猫を描いてみるか」と思ったんです。そして、猫で人間社会を描き上げた時に、「意地悪」も「憎たらしい」も猫で描くと笑えるということに気がついて。

——確かに、なんでもかわいく思えます。

みんな悩み事とか苦しいことがあると思うんですけど、わたしが描いた猫の擬人化を見ると、その瞬間は嫌なことを忘れて、みんなクスっと笑うんですよ。そんな絵がもっと描ければと思うようになりました。

意地悪猫と母のエピソード
「この子がもし人間だったら? 本当に家族だったら? を描いています」と田嶋さん

——それがきっかけで本格的に猫の擬人化を?

一番のきっかけは、3年ほど前に亡くなった母です。

痴呆症が始まった母が、どうしてもわたしの作品を見に行きたいと言うので、車いすで天王寺美術館に連れて行ったんですよ。絵の前で車いすを止めて母の様子を見ていたら、母が私の絵に話しかけ出したんです。

——なんと話されていたんですか?

意地悪な猫に「なに意地悪な顔してるの!」って、笑いながら。それを見ていたら涙が出てきて、この絵を描いていこうと決めました。

——「なぜ擬人化するのか?」という疑問がすごく腑に落ちました。

よかったです。お食事マナーがきれいだとか、お気に入りのぬいぐるみがあるだとか、それぞれの猫ちゃんに個性やエピソードがあります。それを伺って、この子がもし人間だったら? 本当に家族だったら? を描いています。

トートバッグやスマホケース、プリントクッキーなどの雑貨がずらり

これまでは百貨店などのポップアップストアでのみ絵画のオーダーをおこなってきた田嶋さん。『3軒のねこと庭』では、予約制で対応しており、写真を持ち込めば16000円〜で描いてくれる。また、店内では、猫をモチーフにした絵画の展示をはじめ、トートバッグやスマホケース、プリントクッキーなどの雑貨がずらりと並び、猫好きにはたまらない空間となっている。営業は木・土・日曜の朝11時~夕方4時。

『3軒のねこと庭』

住所:宇治市宇治妙楽166-24
営業:11:00〜16:00 ※オーダー絵画は予約制
電話:0774-26-8735

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