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「驚くほど会話がスムーズに」場回し上手の名MCが事前に必ずチェックする"あること"

  • 2021.4.1
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「営業」「会議」「面接」どんなことでも、事前の準備はとても大切なことです。7年以上「ホリエモンチャンネル」でMCを務め、多くの著名人のトークを回し続ける寺田有希さんが語る仕事の事前準備のコツとは――。

※本稿は、寺田有希『対峙力 誰にでも堂々と振る舞えるコミュニケーション術』(クロスメディアパブリッシング)の一部を再編集したものです。

チェックリストを作成する女性の手元
※写真はイメージです
仕事の準備はどこまでするか?

どんな仕事も、事前の準備から始まります。準備が足りないと、自信を持てずに緊張して失敗したり、その仕事の目的を果たせなかったりすることもあります。

ただ、ここで立ちふさがってくるのは、「どこまで準備していくか?」という問題。私もチェックリストをつくるとき、「どこまで細かく準備したらいいんだろう?」「ここまでやっておけば大丈夫かな?」と悩みます。

正直これには、答えがないと思います。

現実問題、準備するにも時間の制限というものがあります。それに、準備しすぎたせいでかえって柔軟性を失ったり、おごりが出てきたりして、失敗する可能性だってあります。

私が行き着いた事前準備のポイントは、「その仕事の最終的なアウトプット」と、「それを受け取る人」をなるべく想像することです。

ポイントは“受け取る人を意識”すること

たとえば番組の収録なら、最終的なアウトプットは動画であり、受け取る人は視聴者です。そして、自分は「視聴者」と「目の前にいる話し相手」の間に立つ立場なんだと理解します。その上で、お互いの架け橋になるようなイメージで、話し相手への質問を考えていきます。

そうすれば、視聴者の知りたいことを質問しやすくなるので、楽しんでもらえるんですよね。

そのために、まずは視聴者のことをよく調べています。

たとえば、番組のファン層を確認して「どの年齢層が多いのか」「性別は」「何を目的に見るのか」などを探っていく。

はじめて担当する番組だったら、スタッフさんに「ファン層はどんな感じですか?」と直接聞くこともあります。

そのうえで、視聴者に刺さりそうな質問を予想していきます。

次に、メインの話し相手(番組ならゲスト)について調べていきます。

このときのポイントは、視聴者と目線を合わせられるように調べること。

たとえば、世間的にそこまで有名ではない相手の場合は、あまり調べていきません。というのも、ほとんどの視聴者は、その人について知らないことが多いからです。

本番で「何のお仕事をしているんですか?」と基本的なことを聞いたほうが、視聴者の知りたいことを話してもらえます。

SNSから読み取れる性格

一方、著名な相手の場合、その人を知る視聴者は多いので、なるべくたくさん調べます。そうすれば、視聴者も知っている基本的なことを質問しなくて済むからです。

たとえば『ホリエモンチャンネル』のゲストが西野亮廣さんだったとき、ほとんどの視聴者は西野さんのことを知っています。だから、西野さんのプロフィールなどに時間を割かず、「普段はどうやって仕事を処理しているんですか?」などと視聴者の知りたそうなことを聞いていきます。そのほうが視聴者は楽しんでくれるんですよね。

ちなみに、話し相手について調べるとき、Wikipediaなどの情報まとめサイトよりも、その人のSNS(TwitterやInstagram、Facebookなど)を確認します。

というのも、SNSは本人が文章を書いていることがほとんどなので、「人となり」を知れるから。それがわかれば、「本番でどう対応すればいいのか?」をイメージしやすくなります。

スマホ画面に並ぶソーシャルメディアのアイコン
※写真はイメージです

たとえば、SNSを頻繁に更新していなくて、投稿内容が仕事の情報だけだったら、

「自分のことを話すのは苦手な人で、プライベートな話は聞き出すのが難しいかもしれない」と想像できます。

ほかにも、SNSのコメント返しをよくする人だったら、「自分の気持ちを言葉にするのが好きそうだから、たくさん話してくれそうだな」と想像できます。

「あえて何もしない」が一番NG

ただし、視聴者の気持ちになったからといって、「何も準備しない」のはNGです。ゲストがどんな相手であっても、基本的な情報だけは必ず調べていきます。

そうするようになったのは、5年前、『ホリエモンチャンネル』のゲストに来てくださったチームラボ代表の猪子寿之さんから、ある言葉を言われたことがきっかけでした。

当時、チームラボの事業について知らない視聴者もいました。だから、一般目線でいるために、という思いもあり、チームラボの映像を何も観ずに本番に臨んだんです。

そうしたら、猪子さんに「いまはネットの時代で、社名を調べるだけで映像も検索できるんだから、1分くらいの映像は観てきなさい」と言われてしまいました。

ごもっともですよね。深く反省したのを覚えています。

そのときの痛い経験もあって、事前に話し相手の最低限のプロフィールだけは調べるようになりました。

「アウトプット」と「受け取る人」を意識する

私の場合は「仕事の最終的なアウトプット=動画」で、「それを受け取る人=視聴者」のことが多いので、その例を挙げていきましたが、これはどんな仕事でも使える考え方だと思います。

寺田有希『対峙力 誰にでも堂々と振る舞えるコミュニケーション術』(クロスメディアパブリッシング)
寺田有希『対峙力 誰にでも堂々と振る舞えるコミュニケーション術』(クロスメディアパブリッシング)

たとえば、メーカーの営業さんが、自社の新製品を小売店に営業しに行くとします。すると、「仕事の最終的なアウトプット=新製品」だと思います。だから、「この新製品はここを工夫して開発しました!」といったように、製品自体をアピールしたくなるのではないでしょうか。

けれどこの場合、「受け取る人=そのお店で新製品を買う人」だと思います。だから、そのお店にどんな層が来るのか調べた上で、中でもその製品を買ってくれそうなのはどんな人か考えてアピールする。さらに、このとき「目の前にいるメインの話し相手=小売店の仕入れ担当者」ですから、どんな人なのか、どんな話し方をすれば打ち解けることができるのか、できるかぎり調べる。こんなイメージです。

SNSは情報の宝庫

SNSもいまやほとんどの人がやっていて、お店の公式アカウントなんかも多いですよね。それを事前にチェックしておくのもいいかもしれません。フォロワーや「いいね」をしているのはどんな人で、どんなお客様が多そうなのか。どんな商品をプッシュしているのか。

SNS担当者は男性なのか女性なのか。フレンドリーな雰囲気の投稿が多いのか、告知だけを淡々と投稿しているのか……得られる情報は意外に多いと思うんです。特にFacebookなんかは記事を公開にしている人も多いので、情報収集の方法として、真似してもらえるんじゃないかなと思います。

「アウトプット」と「受け取る人」を意識すれば、おのずと何をどのくらい準備していくべきかが見えてきます。これがそのまま、チェックリストの項目になるんです。

寺田 有希(てらだ・ゆき)
ベンチャー女優・タレント・司会
1989年生まれ。大阪府堺市出身。明治大学文学部文学科演劇学専攻卒業。2004年芸能界デビュー後、2012年芸能事務所との専属契約を終了して独立。YouTubeチャンネル「ホリエモンチャンネル」や「B.R. channel」等でMCを務めるほか、自ら作詞・作曲したストリートラグビー公式応援ソング『さあ いこう』で歌手として日本コロムビアよりメジャーデビューするなど、多岐にわたり活動。7年以上「ホリエモンチャンネル」のアシスタントMCを務め、堀江貴文氏をはじめ、数々の著名人のトークを回し続けている。

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