1. トップ
  2. 井頭愛海「公開される頃には女優を辞めてるんじゃないかと…」“挫折”を乗り越え新人女優賞受賞<Interview>

井頭愛海「公開される頃には女優を辞めてるんじゃないかと…」“挫折”を乗り越え新人女優賞受賞<Interview>

  • 2021.4.1
  • 242 views
井頭愛海 撮影:阿部岳人
井頭愛海 撮影:阿部岳人

【写真を見る】新人女優賞受賞&20歳のお祝いの花を持ってニッコリ

2020年10月に公開された映画「鬼ガール!!」で主演を務めた女優・井頭愛海が「おおさかシネマフェスティバル2021」の新人女優賞を受賞した。新型コロナウイルスの影響で、3月7日に開催が予定されていたイベント(表彰式など)は中止となってしまったが、地元・大阪で撮影した初主演映画で、大阪の映画賞の新人賞を受賞したうれしい気持ち、そして3月15日に20歳になった心境を聞かせてもらった。

井頭愛海が「おおさかシネマフェスティバル」新人女優賞受賞の喜びを語った 撮影:阿部岳人
井頭愛海が「おおさかシネマフェスティバル」新人女優賞受賞の喜びを語った 撮影:阿部岳人

――「おおさかシネマフェスティバル2021」新人女優賞受賞おめでとうございます。

ありがとうございます! こういう映画の賞を頂くのは初めてで、それが地元・大阪の映画賞というのもすごくうれしいです。「おおさかシネマフェスティバル」は、地元の方の投票とかで決まるみたいなので、皆さんの大阪愛も感じました。

――井頭さんが大阪出身で、「鬼ガール!!」の撮影も大阪。いろんなことが重なって。

はい。ロケ地が大阪なので、見ていただいた方も親近感を持っていただいたのかなって。私にとって、「鬼ガール!!」は映画初主演作で、ターニングポイントにもなった作品です。

――公開されたのが2020年秋。新型コロナウイルスの影響で公開延期になった作品も多かったですが、「鬼ガール!!」は予定通りに公開されました。

ちょうど映画館も上映を再開した時期だったので、タイミングが良かったと思います。撮ったのは一昨年(2019年)なので、コロナの影響はなかったのですが、コロナ禍でも上映できたことが感慨深かったです。

――映画初主演作ということで、やりがいもあったと思いますけど、プレッシャーもあったのでは?

撮影の時期に壁にぶち当たってしまって、いろいろ考えることがありました。落ち込みましたし、精神的に今まで味わったことのないような挫折を感じていました。作品に対してマイナスのイメージになってしまうんじゃないかと思って、公開前には前向きな発言をしてきたので、こういう話をしてきませんでした。

でも、毎日3時間ぐらいしか寝られなくて、「この作品、上映できないんじゃないか」っていうくらい追い込まれていて…。自分の演技が(観客に)受け入れられないんじゃないかとか、ハードなスケジュールの中でたくさんの人が動いているけど完成するんだろうかとか、公開される頃には自分は女優を辞めてるんじゃないかとか、考えてしまうのはそんなことばかり。

でも、「いつも応援してるよ」とか「完成楽しみにしてるから」とか、地元の方からの言葉が励みになって、それを力に頑張れました。ですので、こうして賞という形で残せたことに自分でもすごく驚きました。

――不安を抱えながら撮影した作品だったんですね。

そうですね。その時は誰にも相談できなくて、ご飯も食べられなくて、どんどん痩せていって、本当に過酷な状況だったんですけど、監督さんは気付いていたそうです。後から聞いた話ですけど、「悩んでいる姿が主人公の“ももか”と重なって見えた。主人公がもがきながらも成長していくという映画だったので、分かっていたけど、逆に放っておいた」って(笑)。

きっと、あの状況でしか出せない自分もいたんだろうなって思います。状況も重なって、自分自身も悩み過ぎてて、結果的にももかと重なることができて、自分自身も成長できたのかもしれないなって今は思っています。

――乗り越えるべき壁だったのかもしれませんし、今、このお話ができるのはそれを乗り越えたということなんでしょうね。

私もそう思いました。撮影が終わった時は写真も見返したくないぐらい精神的にもやられていました。でも、取材をたくさんしていただいて、つらい過去と向き合って、その時のことを自分の言葉で話すことで、それを乗り越えた瞬間がありました。

それ以降は、次の作品に入った時でもスッと物事を考えられるようになりました。「鬼ガール!!」では演技指導がほとんどなくて、そういうのも初めてだったんですけど、それによって自分で考える力もついたんじゃないかなって後で思いました。

――「鬼ガール!!」を見た人たちの反響、そして今回の受賞によって、さらに自信につながったのでは?

はい。映画って作ったら終わりじゃなくて、そこから作品がどんどんいろんなふうに進化していくと思うんです。自分が「こういうふうに見てほしいな」と思って演じていても、違う視点で見ている方もいて、逆に気付かされることも多くて、そういうのも面白いなって。

自分が出演した作品とか演じた役とかに対していろんな意見を頂くと頑張る糧にもなりますし、クセになるというか、達成感のようなものもあって、だからやめられないんだろうなって(笑)。

井頭愛海 撮影:阿部岳人
井頭愛海 撮影:阿部岳人

――今回の受賞を最初に知らせた人は?

お母さんです。撮影していた時もお母さんに連絡して「どうしよう。セリフ大丈夫かな?」って弱音を吐いたりしてたんですけど、いつもお母さんは支えてくれたので。「頑張った証だね」って喜んでくれて私もうれしくなりました。この賞は私一人で取れた賞とは思ってなくて、監督さんやスタッフさん、キャストの皆さん、みんなで取った賞だと感じています。

今回は新人女優賞を頂きましたけど、いつか助演女優賞とか、また違う賞で「おおさかシネマフェスティバル」に帰ってこられたらうれしいです。

――「鬼ガール!!」は本当にいろんな思いが詰まった作品になりましたね。

撮影が行われたのが、高校を卒業してすぐぐらいの時期だったので、新たな青春をした!っていう感じです。私は部活をしていなかったので、もし部活をしていたらこんな挫折を味わっていたのかな?とか思ったりして、楽しさも苦しさもあった“甘苦い”作品でした(笑)。でも、甘苦いっていうのが青春の醍醐味(だいごみ)なんですよね。

――今回の賞状とトロフィーはどこに飾りますか?

実家に私の棚みたいになっている場所があって、お母さんがそこに最初の美女コン(2012年の「第13回全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞)のトロフィーとかいろいろ飾ってくれているので、そこに追加されると思います(笑)。

――3月15日に20歳になりましたが、19歳と20歳、気持ち的にも変化はありましたか?

3月生まれなので、同じ学年だった4月生まれの子はもうすぐ21歳になるわけじゃないですか。いつも「何歳ですか?」って聞かれると「19歳なんですけど、20歳になる年です」って答えていたので、「やっと20歳になれた」っていう感じですね。でも、たくさんの方が祝ってくれましたし、お酒が飲めるようにもなったので20歳って特別だなって。

――家族ともお祝いを?

実家に帰った時、シャンパンでお祝いしてもらって、味はよく分からなかったですけど「これが大人になったっていうことなんだな」って思いました(笑)。両親に「今まで育ててくれてありがとうございました」って感謝の気持ちを伝えたりしました。20歳になる時にこの賞を頂けたのは、今後に向けていい弾みになりそうです。

「ここからだ!」って気持ちになっているので、貪欲に頑張っていきたいです。10代は結構長く感じたんですけど、周りの人から「20代は秒だよ」って言われることが多いので、自分でちゃんと目標を立てて過ごそうと思ってます。まだ子どもでいたい気持ちもあるんですけど(笑)、周りからの見られ方も変わってくると思いますので、自分の行動に責任を持ちたいです。

――新しい出演作品としては、4月6日(火)スタートのドラマ「ガールガンレディ」(毎週火曜夜0:59-1:29ほか、MBSほか)に水野千鶴役で出演されますね。

アクションが多い作品で撮影が大変ですけど、同世代の共演者が多いのでみんなで何か一つのことをするのが楽しいです。銃を撃ち合うシーンとか、CGを使ったシーンも多くて、完成したのを見せていただいた時、その迫力にも驚きました。

撮影している時は「ここが破裂します」とか説明してもらって、ないものに対してリアクションするので「あぁ、こうなってたんだ!」って(笑)。血糊とかも使っていて、飛び散り具合もすごかったです。

私、運動神経が良くないんですけど、うまく編集していただいていて、ちゃんとアクションできてる感じになっていたので安心しました。

_D5A7119 撮影:阿部岳人
_D5A7119 撮影:阿部岳人

――今後、やってみたい役は?

20歳になったので、会社員の役をやってみたいです。まだまだ学生役もやってみたいですけど、バリバリ働く女性ってかっこいいなって思うのでキャリアウーマン役とか(笑)。すぐには無理かもしれませんけど、経験を積んでそういう役もできるようになりたいです。

あと、運動神経は良くないんですけど、以前、殺陣と技斗のライセンスを取らせていただいたので時代劇にもまた出てみたいです。

――ちなみに、コロナ禍の中、家で過ごす時間も多いと思いますが、最近も料理はよくされてますか?

しています! ひとり鍋セットを買ったので、鍋を作ることも多いです。コロナ太りするって言われてますよね。私もお正月頃、結構ヤバかったです(笑)。なので、麺の代わりにモヤシを使ったヘルシーラーメンを作って、自分で作った煮卵を入れて食べたりしてます。

――最後に、井頭さんがポジティブに気持ちを切り替えている方法と、読者に向けてのメッセージをお願いします。

はい。私も最初は「外に出られない」とか悪い方向に視点を向けていたんですけど、考え方一つで気持ちが全然違ってくるなって思ったんです。今できることとか、コロナが収まったらやってみたいこととか、明るい方向に目線を向けるだけでも気持ちが軽くなると思います。

映画でもドラマでも、私もいろんな作品に出演して、それを見てくれた人がちょっとでも「面白かったな」「楽しかったな」って思ってもらえるように頑張りたいと思っていますので、いろいろ楽しみにして待っていてくれたらうれしいです。

◆取材・文=田中隆信

元記事で読む