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つみたてNISAの商品はどう選ぶ?FP厳選おすすめ商品3つ

  • 2021.3.31
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「つみたてNISAを始めたい!でも、どの銘柄に投資すればいいのかわからない……。」という方も少なくありません。この記事では、つみたてNISAで投資できる商品やその選び方について解説します。特におすすめの具体的な商品名もご紹介しますよ。

■FPがおすすめするつみたてNISAの商品はこの3つ

つみたてNISA には多くの銘柄があるので、「どう選んだらよいか見当もつかない」という初心者の方もいるでしょう。

そこで、まずはFPからのおすすめ銘柄を3つ紹介します。

・eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
・楽天・全米株式インデックス・ファンド
・ひふみプラス

おすすめする理由をそれぞれ説明しますので、銘柄選びの参考にしてください。

●eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)

失敗しにくい投資の基本は「長期・積立・分散投資」ですが、その「分散投資」を1本で叶えてくれるのがこの銘柄。

自分でいろんな投資対象を選んで何本も抱えるということをしなくても、以下の8つにほぼ同数ずつ投資してくれます。

・国内株式
・先進国株式
・新興国株式
・国内債券
・先進国債券
・新興国債券
・国内リート(不動産)
・先進国リート(不動産)

運用管理にかかる手数料(信託報酬)が、比較的安いのも魅力です。

●楽天・全米株式インデックス・ファンド 【愛称】楽天・バンガード・ファンド(全米株式)

世界最大の運用会社「バンガード」が運用するETFを主な投資対象とするシリーズです。この商品は特にアメリカの株式に特化しています。アメリカの株式市場は規模が大きく、成長も著しいのが特徴です。

この投資信託ではマイクロソフト、アップル、アマゾン、フェイスブックなどの大企業から中小企業まで幅広く投資できます。こちらも手数料が安く抑えられています。

●ひふみプラス

つみたてNISAの中では数少ないアクティブ運用(積極的に高いリターンを狙う運用方針)の商品です。投資先は国内中小企業の株式が中心ですが、海外株式も1割程度含んでいます。

つみたてNISAの商品群の中ではコストが高い方ですが、その分を補えるほどの運用実績があるため人気です。

■タイプ別おすすめ つみたてNISAの商品

上記で紹介した商品以外も検討したい方に向けて、タイプ別におすすめ商品を紹介します。

・積極的に運用したい人
・コストを抑えたい人
・幅広く投資したい人

つみたてNISAを始める際は、「自分が投資をする目的は何か」を考えながら商品を選ぶことをおすすめします。
馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)

●「積極的に運用したい人」におすすめの商品

「せっかく投資するなら多少リスクが高くても、できるだけ高いリターンを狙いたい」という積極派の方は、以下の投資信託はいかがでしょうか。

✔︎SBI・先進国株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(先進国株式))
……先進国の株式に投資する投資信託。信託報酬(運営管理にかかる手数料)を抑えながら投資できます。

✔︎eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
……S&P500は、アメリカの代表的な株価指数の一つです。ニューヨーク市場の時価総額の80%程度をカバーしていて、市場全体の動きがわかります。この指数に連動する運用成果を目指す投資信託です。

✔︎年金積立Jグロース(愛称:つみたてJグロース)
……日本株の中でも成長性が高く、株主への利益還元が期待できる銘柄を選定して投資するアクティブ運用の投資信託。

投資先のエリアでいうと、「日本<先進国<新興国」の順でハイリスク・ハイリターンになります。投資先の資産では「債券<株式」、投資方針では「インデックス<アクティブ」です。
高いリターンを狙うなら「海外×株式」や「株式×アクティブ」を組み合わせた投資信託がおすすめです。
馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)

●「コストを少しでも抑えたい人」におすすめの商品

投資でいくら利益が出るかは最後までわかりませんが、「いくら手数料がかかるか」は事前にわかります。

できるだけコストをかけずに運用して、手元に残るお金を増やしたい方は、以下のような投資信託がおすすめです。

✔︎eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
……投資対象は日本株で、TOPIX(東証株価指数)と連動する運用成果を目指す投資信託。信託報酬(運用管理にかかる手数料)は0.154%以内と、TOPIX連動を目指す他の投資信託と比べて安めです。

✔︎<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
……日本以外の先進国の株式に投資するファンドで、信託報酬は0.1023%以内。2020年の楽天証券ファンドアワードで、海外株式部門の最優秀賞に選ばれた投資信託です。

✔︎SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・バンガード・S&P500)
……米国株に投資。信託報酬0.0938%程度と、つみたてNISAで選べる商品の中でもトップクラスの低コスト。

「インデックス」と呼ばれる運用方針を取っている投資信託は、手数料を抑えられる傾向があります。一見少しの差しかないように見えても、今後20年近く積み立てていくことを考えると、手数料はできるだけ抑えておきたいですね。
馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)

●「幅広く投資したい人」におすすめの商品

1つの投資信託で、できるだけ多くの投資エリアや投資資産をカバーしたい方には「バランス型」の投資信託がおすすめです。

✔︎たわらノーロード バランス(8資産均等型)
……「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」同様、8つの投資対象に均等な割合で投資する投資信託。コストの安さも同水準です。

✔︎ニッセイ・インデックスバランスF 4資産均等型
……こちらも、低コストで分散投資ができる投資信託。国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券に25%ずつ投資します。

✔︎DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)
……国内債券を中心とする投資信託。「リターンは少なくてもよいから、極力リスクを抑えたい」という方に向いています。

投資の世界には、「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります。「全財産を1箇所に置いておくと、そこで非常事態が起きたときにすべて失ってしまうため、複数の場所に分けて置いておけ」という意味で、分散投資の大切さを説くものです。

エリアや資産を集中せず、できるだけバラバラにしておくことで、リスクを抑えることができます。バランス型投資信託は、1本で分散投資をしたのと同じ効果を得られるのがメリットです。
馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)

■つみたてNISAの商品の特徴

よく「つみたてNISAは投資初心者向き」といわれます。その理由の一つは、つみたてNISAで選べる商品のラインナップです。つみたてNISAの商品の特徴や、投資経験がなくても取り組みやすい理由を確認しておきましょう。

商品の特徴を知ることで、「投資は怖いかも……」という方でも不安がなくなり、始められるかもしれませんよ。

●つみたてNISAで扱う商品は「投資信託」のみ

つみたてNISAは、通常のNISAと違って投資できる先がかなり限られています。株式は対象外ですし、投資信託もすべてが対象になるわけではなく、ごく一部の公募投資信託もしくは上場投資信託(ETF)のみです。

ただ、選択肢が少ないからイマイチ、ということではありませんのでご安心ください。

つみたてNISAの商品は、金融庁が「長期・積立・分散投資に適した銘柄」と太鼓判を押した商品だけが厳選されているのです。つみたてNISAで選べる銘柄はすべて、以下のような基準をすべてクリアしています。

・販売手数料がゼロ(ノーロード)
・信託報酬(運用管理にかかる費用)が一定水準以下に限定(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)
・顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
・信託契約期間が無期限または20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと
・ヘッジ目的の場合などを除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

これらは、初心者でも失敗しにくい投資商品の条件といえるでしょう。

自分で一つひとつ確認しなくても、条件を満たしたものから選べるのは、つみたてNISAのメリットといえます。

●つみたてNISAの商品ラインナップは全部で173本

商品ラインナップを見てみると、インデックス投資信託167本、アクティブ運用投資信託等19本、上場株式投資信託(ETF)7本の合計173本となっています。

投資信託は約6,000本ありますので、つみたてNISAの対象となる投資信託はかなり限定されていることがわかります。

【つみたてNISAの商品ラインナップ:合計193本】
・インデックス投資信託……167本
・アクティブ運用投資信託等……19本
・上場株式投資信託(ETF)……7本

ただ、どこの金融機関でもすべての商品を扱っているわけではなく、中には取り扱いは3本だけという証券会社もあります。

なるべく多くの種類から選びたいなら、SBI証券や楽天証券など大手ネット系証券会社がおすすめです。

■つみたてNISAの商品選び4つのコツ

●1.分散投資をする

投資信託を選ぶときは、投資先のエリアは日本、アメリカ、先進国、新興国などのうちどこなのか、投資対象は株式、債券、リート(不動産投資信託)などのうち何なのか、考える必要があります。

ローリスク・ローリターンなら日本債券、ハイリスク・ハイリターンなら新興国株式など、どのくらい増えてほしいか、どのくらいリスクを許容できるかなどに応じて選びます。

つみたてNISAの商品は1つしか選べないわけではありません。ひとつの出来事ですべての投資信託が大打撃を受けてしまうのを避けるため、投資対象や地域が重なりすぎないよう分散させておくのがおすすめです。

「分散投資」は、リスクを抑える投資の王道です。海外株式の投資信託を1本選んだら国内債券メインの投資信託を組み合わせるなど、まったく違う値動きをする投資信託を組み合わせるのがポイントです。

「分散のやり方がわからない」「面倒」という方は、「バランス型」の投資信託を選ぶのも一つです。バランス型は、投資のプロがさまざまな地域のさまざまな資産を組み合わせているため、1本選ぶだけで簡単に分散投資ができます。

●2.純資産総額をチェックする

純資産総額はその投資信託の規模をあらわしています。投資を判断するひとつの目安になります。

同じカテゴリーに投資する投資信託でどれにしようか迷ったら、純資産総額の大きさや最近の増減を比較してみましょう。純資産総額は、証券会社の公式サイトなどにある銘柄紹介ページで確認できますよ。

純資産総額が大きい、増えているということは、運用がうまくいって預けられたお金をしっかり増やせたか、投資家に人気でどんどん資金を集められているかのどちらか、もしくは両方です。

●3.なるべく手数料が安いものを選ぶ

せっかく運用がうまくいってお金が増えても、手数料が高いとその分手元に残る金額が少なくなってしまいます。

つみたてNISAの商品は販売手数料や口座管理手数料はかかりませんが、信託報酬(保有中にかかる運用管理手数料)はかかりますし、商品によっては信託財産留保額(解約時にかかる費用)も必要です。

手数料は商品ごとに違うので、確認するようにしましょう。

投資信託の手数料は、証券会社の銘柄詳細ページにも記載してありますし、投資前に必ず確認する「目論見書(もくろみしょ):投資信託の取扱説明書」でも確認できます。

●4.初心者はインデックス投信を選ぶ

投資信託は、その運用方針によって

・「インデックス」
・「アクティブ」

の2つに分けられます。

「インデックス」は「指数」という意味がある単語で、「インデックス投信」は日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など経済の動きを示す指数に連動した値動きになるように運用されている投資信託のことです。パッシブ(=受動的、消極的)運用と呼ばれることもあります。

一方、「アクティブ」はその真逆の能動的、積極的という意味があり「アクティブ投信」はインデックスの運用結果を上回るように積極的に運用する投資信託ということです。

初心者は、基本的にインデックス投信を選ぶのがおすすめです。アクティブ投信のほうが大きな成果を期待できるので魅力的ですが、こちらは高いリターンを目指して手間をかけて運用しているぶん、インデックス投信よりコストやリスクが高くなりがちです。

つみたてNISAの商品の大半は、投資初心者でも扱いやすいインデックス投信で占められています。

NISA制度は、2024年に改正されることになっています。

・つみたてNISA……5年延長、口座開設可能期間が「2037年まで」から「2042年まで」に
・ジュニアNISA……廃止
・一般NISA……2階建ての制度に変更

一般NISAは年間の非課税投資額が120万円まででしたが、1階部分20万円、2階部分102万円、合計122万円に変更されます。

原則、1階部分の投資をしてからでないと2階部分の投資ができない仕組みになっています。1階部分ではつみたてNISAと同様、金融庁の基準をクリアした投資信託だけに投資できます。2階部分では従来の一般NISAと同じように、投資信託や株式などへの投資が可能です。

■つみたてNISAを始める時の心構え

つみたてNISAの商品はリスクが低めで初心者にもやさしいとご紹介しましたが、100%確実にお金が増えるというわけではありません。あくまで投資ですから、マイナスが出る可能性もあるということは知っておきましょう。

また、長期で積み立てていくことが前提となるため、日々値動きをチェックして一喜一憂して売買するといったデイトレーダーのような運用とは全く違います。

一度選んで購入したらしばらく放置して気長に待つだけで大丈夫ですから、数年、数十年といった長い目で見て冷静に判断しましょう。

文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)
関西学院大学商学部卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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