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清原果耶、19歳の瞳に宿る“意志” 若き朝ドラヒロインへ高まる期待

  • 2021.3.28
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清原果耶さん
清原果耶さん

“若手女優の登竜門”として毎回、幅広い世代から注目されているNHK連続テレビ小説、通称「朝ドラ」。現在は杉咲花さん主演の「おちょやん」が放送中ですが、物語も後半戦に突入し、5月17日からは新たに「おかえりモネ」が始まります。ヒロインに選ばれたのは、現在公開中の映画「花束みたいな恋をした」や「まともじゃないのは君も一緒」に出演している女優・清原果耶さんです。

始まりはアミューズの新人オーディション

清原さんは2014年、吉高由里子さん、上野樹里さん、賀来賢人さんら名だたる俳優陣が所属するアミューズの新人発掘イベント「アミューズオーディションフェス2014」に参加しグランプリを受賞。翌年から芸能活動を始め、数社のCMに出演したところ、その透明感あふれる容姿が視聴者の視線を引きつけました。当時は、子役から活躍している芦田愛菜さんに容姿が似ているとうわさされたことも。

その話題性が続いたまま、清原さんはファッション誌「nicola」(新潮社)の専属モデルに抜てきされ、さらに、朝ドラ「あさが来た」(2015年度後期)に出演。実は清原さんは別の役でオーディションを受けていたのですが、当時のプロデューサーの目に留まり、「今後大きくなる人材。この子の女優人生のスタートに立ち会いたい」という理由で女中のふゆ役に抜てきされました。

女優デビュー作でありながら、ヒロインの夫・新次郎(玉木宏さん)に抱く淡い恋心を見事に表現した清原さんは翌年、約500人の中からオーディションで選ばれ、映画「3月のライオン」で神木隆之介さん演じる主人公に大きな影響を与える川本ひなた役を演じます。

ひなたは幼くして母親を亡くし、中学生にして、妹の面倒や家事をこなすしっかり者の次女という役どころで、明るい性格の中にも繊細なところがある女の子。作中ではいじめを受けていた同級生をかばい、自身がターゲットになりながらも「後悔なんてしない」と歯を食いしばりながら涙を流すシーンも。このときの“泣きの演技”が評判となり、実力派若手女優として注目されるようになりました。

そして、2018年にドラマ「透明なゆりかご」(NHK総合)でドラマ初主演を果たした清原さん。沖田×華さんによるコミックエッセーを原作に中絶・死産といったセンシティブなテーマを扱いながら、見習い看護師が産婦人科で働く姿を通じて命の重さを伝えた同作は「第73回文化庁芸術祭(テレビ・ドラマ部門)」で大賞を受賞。他の人とはちょっと違う豊かな感性を持つ主人公アオイを演じた清原さんも、その演技力が高く評価されました。

思春期のほろ苦い気持ち、みずみずしく

清原さんは2020年に地元・大阪から上京して以降、目覚ましい活躍を見せています。今年に入り、まずは映画初主演となる「宇宙でいちばんあかるい屋根」が公開され、劇場アニメ「ジョゼと虎と魚たち」では中川大志さんとダブル主演を務めました。前者では主題歌も担当し、CDデビューを果たしています。

清原さんの透明感あふれる歌声について、ファーストシングル「今とあの頃の僕ら」をプロデュースしたCoccoさんは「包み隠さず、何もごまかすことなく放たれる彼女の歌声は、かわいくて尊いほどで、丁寧に真摯(しんし)に、詞や旋律を探求するという感動も、教えてもらいました」と絶賛しています。

また、興行収入30億円を突破した映画「花束みたいな恋をした」では少ない出演時間の中で強い存在感を放ち、成田凌さんとダブル主演を務めた「まともじゃないのは君も一緒」ではラブコメに挑戦するなど、話題作にはほとんど清原さんが出演していると言っても過言ではないほどの躍進ぶり。

そんな彼女が演じる人物の多くは、大人へと成長していく段階に差し掛かった10代の女の子です。誰かを愛する気持ちや生きるということを知り、その中で葛藤し、悩み苦しみながら、直面した問題を乗り越えて階段を上っていく――。誰もが思春期の時期に味わったほろ苦い気持ちをみずみずしい演技で表現する等身大の姿はりりしく、瞳の奥には強い意志が宿っています。

「宇宙でいちばんあかるい屋根」で共演した桃井かおりさんは「本気で映画が見えている。だけど彼女の表現しようとしているものが見えなくて、冗談抜きに私が付いていった」と清原さんを評価していますが、役と向き合い続け、演じる中で湧き出てくる気持ちを表現できる彼女だからこそ、カメラが回るまで、共演者にもどんな演技をするのかが見えてこないのでしょう。大人びている清原さんですが、まだ19歳。将来が楽しみな若手女優の一人です。

以前から、次期朝ドラヒロイン候補として期待されていた清原さんは「おかえりモネ」で、宮城・気仙沼湾沖の島で生まれ、気象予報士を目指して上京するヒロイン・永浦百音を演じます。雲一つない青空が似合う清原さん演じる百音が天気予報を通じて、地元に貢献しようと奮闘する姿が私たちにどんな感動を届けてくれるのか。ストーリーと合わせて、百音の人物像に期待が高まります。

ライター 苫とり子

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