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イタリアに「PTA」はない!? 学校&教師&保護者の関わりはどうしてる?

  • 2021.3.25
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今更だけど・・・そもそもPTAって?

日本におけるPTA(ピーティーエー、英語: Parent-Teacher Association)とは、各学校で組織された、保護者と教職員(児童を含まない)による社会教育関係団体
出典:ja.m.wikipedia.org

イタリアの学校にPTAはない!?

イタリアの教育施設には、日本の様な強制的に全員参加のPTAは存在しない
出典:borderless-learning.net

日本のような形でのPTA団体は確かにありません。そもそも日本のPTAも、本来は任意加入で行うボランティア活動のはずなのですが、自分だけしない訳にはいかない、という義務・強制参加的な雰囲気があるのでは?

そもそもイタリアには、入学式・卒業式・運動会がない!登校班や地域活動もない!

イタリアでは、入学式や卒業式もなければ授業参観も運動会もありません。日本ではPTA委員の仕事とされる広報活動や登校班の見守り、地域活動などもそもそもありません。

ですが、子どもたち・保護者・先生との関わりは密接です!

しかし!毎日の送り迎えでは必ず親同士と先生とが触れ合いますし、クラスのSNSツールには毎日のように先生から、子どもたちの授業や生活態度についてメッセージが届きます。また年度末には親子&先生とで食事会をするのが恒例です。

年度始めにカポクラッセ (各クラスの保護者代表) を選挙

そのためイタリアでは、年度始めに、自薦・他薦問わず、候補者の父親&母親から、クラスの保護者代表1人を投票で決めます。イタリア語でカポクラッセと呼ばれる係です。色々煩雑な連絡事項をしたり集金したりと大変なのですが、いい人になって貰えるとみんな安心。何年も続けてもらうこともあります。

【主な仕事】

・クラス貯金の集金 (年度始めに1人5ユーロなどの定額を集金)

・先生とのやり取り (連絡事項を皆にメッセージ)

・クラス貯金から授業で使う備品やトイレットペーパーなどを購入

・年度末の食事会の場所決めや予約

・先生へのプレゼントの購入 (クリスマス、イースター、学年末には恒例)

兄弟姉妹がいて掛け持ち出来ない人、仕事上時間が取れない人ももちろんいますが、とにかく1人この代表者になってもらわないと、日々の連絡や取りまとめに困ります。生徒数22人前後のクラスで最終的には誰かしら引き受けてくれる人がいます。また、代表ではない保護者もできる範囲でサポートし、集金や情報伝達がスムーズにいくよう協力します。

また、学校全体の組織として Consiglio di classe (クラス評議会) がある

また、クラスの保護者代表とは別 (同じ人でももちろんOK) に、学校全体の組織としてクラス評議会というものがあります。教員、学校長も入っている組織で、参加する保護者は各クラスから1名。自薦・他薦の候補者の中から、同じクラスの他の保護者たちが投票して決めます。

主な活動としては、授業カリキュラムの進捗具合をチェックしたり、特別なプログラムを企画提案したり、教科書の選択に意見したり、ということらしいです。

でも実際、少なくともうちの子の小学校では、彼らが日々の学校生活や保護者への連絡に関わることはほとんどありません。「そういや評議会の委員選んだっけ・・・」くらいの感覚で、すっかり忘れていました。他の学校では違うのかもしれませんが、重要なのはやっぱり、上記のクラス代表のパパまたはママ!

子ども同士の揉め事から先生へのクレーム、何でもかんでもこのカポクラッセに頼んじゃう!

ちょっとした質問から子ども同士のケンカから、クラス内の問題ごと、先生への進言やクレームなど、何かあれば皆がこのカポクラッセに連絡します。国際化が進んでおり親世代の人種や出身国がバラバラで、経済的・社会的な背景もかなり違うファミリーが集まるイタリアの学校。一人一人の話を聞き上手くバランスを取るのは大変。でも親として、子どもたちが安心して楽しく学校生活を送り勉強できるようにという願いは一緒です。うちの子たちのクラスではどちらも、何かあってもちゃんと話し合い、カポクラッセはじめ皆で協力し合おうという雰囲気なので、本当にありがたいです!

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