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「お陰で見る目が変わった」 年配客が『食べないのに数人分注文』の理由とは

  • 2021.3.25
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飲食店が頭を悩ませる、客の食べ残し。

飲食店側は残された料理を廃棄せざるを得ず、社会問題となっている『食品ロス』につながります。

まだ食べられる料理を捨てるのはもったいないだけでなく、調理した店員が悲しむ原因になることも。

ネット上には飲食店の嘆きが多数投稿されており、撮影や遊びの一環として、客がわざと大量に注文して残した料理の写真も公開されています。

しかし、中にはまったく別の理由から、あえて多く注文して残す人がいるようです。

若い人には知られていない?お供えの膳

『複数人分を注文して残す年配客』について言及したのは、占い師で漫画家の、いすず(@takieisuzu)さん。

3~4人分のコース料理をオーダーして、ひと口だけ食べて残すような行為は、一見すると飲食店への嫌がらせのように見えてしまいますが、その行動には文化的な背景がありました。

いすずさんは、年配客の行動は日本に昔からある慣習の1つ『陰膳(かげぜん)』であることを指摘しています。

陰膳とは、旅行中の人や戦地にいる人などが飢えないよう祈願してお供えしたり、故人を想ってお供えしたりする食膳のこと。

いすずさん自身も、山で修業を行う人のために、安全祈願として陰膳をお供えすることがあるそうです。

ただ現代においては、年配客が陰膳を行っている場合は故人への弔いが多いかもしれません。自分のことのように考えたいすずさんは、続けてこのように投稿しています。

いすずさんの投稿で、「初めて陰膳を知った」という人が続出。大きな反響が上がりました。

・供養のためとは知りませんでした。教えていただき、ありがとうございます。

・確かに、理由を知らないと怖い光景かも。この投稿のお陰で見る目が変わりました!

・姿が見えなくとも、ご家族にとっては一緒にいるんですね…。

・そうか、今の人は陰膳を知らないのか。失われつつある文化なのかな。

また、「バイト中に、故人の写真立てを持参されたお客様の対応をしたことがあります。もちろん人数に含みます!」というコメントも。

「故人とおいしいものや、楽しい時間を分け合いたい」という気持ちには、多くの人が共感しています。

でも飲食店は困るから…

一方で、「時代は変わりつつあるから、食品ロスのない形に変えていこうよ」という声も相次ぎました。

持ち帰る形で陰膳を提供できれば、食品廃棄になることもないでしょう。また周囲からの視線を配慮して客に個室を用意するなど、よりよい提案ができるかもしれません。

しかし、客から事前に陰膳であることを知らされなかった場合、飲食店側も十分な対応ができないのです。

客と飲食店の双方が事情を理解し合い、時代に合った陰膳を行うことが、お互いにとって最良なのではないでしょうか。

いすずさんも、こちらのように想いをつづっています。

一連の投稿は「食べ物を残しましょう」とか「陰膳しようよ」って話ではないです。

陰膳をしたいならどうぞ。ただ、「事情を話して予約してほしい…!」と思っています。

何も知らない飲食店側からしたら、不安になりますよね。食べ物は粗末にしてほしくありません。

何か新しい…未来の弔いの習慣ができますよう、祈っています。

故人への想いに寄り添い、また飲食店の迷惑にならない方法を模索していきたいですね。

[文・構成/grape編集部]

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