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<俺の家の話>磯山晶CPがドラマを、そして長瀬智也を振り返る「50歳の長瀬くんも、60歳の長瀬くんも見たい」

  • 2021.3.24
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3月26日(金)に最終回を迎える長瀬智也主演の金曜ドラマ「俺の家の話」(毎週金曜夜10:00-10:54[最終回は15分拡大、夜10:00-11:09]、TBS系)は、“長瀬主演×宮藤官九郎脚本”というTBSの連続ドラマでは11年ぶりの2人のタッグで描かれる、濃過ぎる家族が織りなす、まったく新しい形のホームドラマ。このたび、WEBザテレビジョンでは、同ドラマの磯山晶チーフプロデューサーにインタビューを実施。最終回に向けて注目してほしいポイントや、撮影現場で印象に残ったことなど、作品への思いを語ってもらった。

【写真を見る】「俺の家の話」では、長瀬智也が「池袋ウエストゲートパーク」のオマージュも!

本作は、長瀬演じるピークを過ぎたプロレスラー・寿一が、能楽の人間国宝である父・寿三郎(西田敏行)の介護のために現役を引退し、名家の長男として家族と謎の女性介護ヘルパー・さくら(戸田恵梨香)を巻き込んで、家族と一致団結し、一家をまとめていくストーリーだ。

ドラマ内には、寿一の父・寿三郎の一番弟子にして芸養子でもある寿限無(じゅげむ)を演じる桐谷健太、寿一の弟・踊介(ようすけ)役に永山絢斗、寿一の妹・舞役に江口のりこも登場。

また、能楽とは別世界で生きるプロレスラー・プリティ原役を井之脇海が、寿一の別れた妻・ユカを平岩紙が演じるほか、ロバート・秋山竜次、なにわ男子・道枝駿佑、ジャニーズJr.・羽村仁成、長州力や総合格闘家・勝村周一朗ら個性的な登場人物が物語を盛り上げている。

想像以上の仕上がりになっている

――ドラマ放送後に寄せられた視聴者からの反響や感想などはいかがですか?

ドラマが始まる前は、「介護」という重たいテーマが視聴者の皆さんに避けられてしまうかな?と少し感じていたのですが、ドラマを見て、介護をされていない方も自分自身の近い将来の可能性や、両親の今後に対して前向きに受け止めていただいているようで、とても嬉しいです。

宮藤さんにも現役の能楽師のご家族の方から励ましのお手紙が届いたり、視聴者の皆さんが制作側のメッセージをしっかりと受け止め、多くの方が前向きに捉えてくださっているように感じます。

――ドラマ制作当初に磯山さんが抱いていた作品のテーマは現在、実現できていますか?

そうですね。出演者の皆さんが、とても細かいところまで(作品のテーマを)受け取ってくださっていて、宮藤さんが書いたセリフを実在する誰かの人生の1ページのように演じてくださっているので、想像以上の仕上がりになっていると思っています。

――現場では宮藤さんの脚本について皆さんで相談をすることはあるのでしょうか?

前室などの日常会話で脚本について相談することはあまりないんですが、実際、現場に立ってセリフを言ってみた時に、「こっちのほうがいいんじゃない?」と、積極的な議論になって、より自然な方向を模索していく感じはありますね。

誰か一人がセリフを言わされているような感じになっていると、「それはこうした方がいいんじゃないか?」と、全員で意見を出し合っていて、プロの現場という感じです。

長瀬くんが急に一点を見つめてじーっとしている時

――磯山さんは長瀬さんと長くお仕事をされてきましたが、改めて今作の現場で見る長瀬さんの姿はどのように写っていますか?

長瀬くんは自分の役に対して行う準備がとても早く、体作りの仕上がりも完成度が高くて、とても感動していました。撮影が始まってからは、毎回、脚本に書いてあることをさらに面白くする努力を長瀬くんが本当にギリギリまで考えていて、いろいろなアイデアを自分の体を使って表現してくれています。今回、「長瀬さんと宮藤さんの相性がばっちり」と、よく言われるのですが、私も本当にそう思います。

――長瀬さんが具体的に提案されたことがありましたら教えてください。

第5話で寿一が、羽衣の謡いを稽古場で練習しながら、だんだん顔が怪士(あやかし)の顔になっていくというシーンや、第7話のオープニングでさくらに「私のプロポーズに応えてない」と言われて、「好き」って言われたことを思い出した後、回想戻りの顔を怪士の顔にするといったアイデアは、長瀬くんの提案ですね。

他にもたくさんあるんですけど、本当にちょっとした表情までアイデアを出してくれています。長瀬くんが急に一点を見つめてじーっとしている時は、どうしたら良くなるかを考えている時なんです。

――長瀬さんとのやり取りで印象に残っていることはありますか?

寿一がマスクで涙を拭うカットは本番で急に長瀬くんがやったんですけど、そこがとても素晴らしくて、「あれは撮影前からやろうと思っていたの?それとも咄嗟に思いついたの?」と尋ねたんです。

そうしたら、「もしかしたら、そういうことも出来るかな?って思ったけど、練習したわけじゃなくて、ちょうどいい感じに涙が出たからやってみた」って言ってました。

長瀬智也&宮藤官九郎とゆかりのあるスペシャルゲスト

――第6話の家族旅行の回で、みなさんが歌われていたシーンの反響がとても大きかったですが、あのシーンは最初から決まっていたのでしょうか?

1クール前に私が担当していたドラマ「恋する母たち」(2020年)で、阿部サダヲさんが「まんじゅうこわい」という落語の演目をやったのですが、その動画を「タイガー&ドラゴン」(2005年)の時に同じ演目をやっていた西田さんにお送りしたら、「『俺の家の話』にもサダヲちゃんに出てもらえないかな?」と、お返事が来たのが始まりですね。

そこで、宮藤さんに「西田さんが阿部さんに出て欲しいって言ってますけどどうします?」と相談しました。家族旅行でハワイアンズに行くことは決まっていたので、「じゃあ、そこにいる人物と(観山家が)交わることによって、何か面白いことにならないかな?」というアイデアが上がりました。

そして、阿部さんをゲストで出すにあたって、どうしたらいいか話し合っているうちに「潤 沢(じゅんたく)」っていうのがいいねという話になりましたね。

――阿部さんを筆頭にこれまでの放送で、長瀬さんと宮藤さんとゆかりのある方がスペシャルゲストとして登場されていますが、キャスティング理由などがありましたら教えてください。

最初はカメオ出演に関しては消極的だったんです。でも、第8話くらいになってきたら、台本が出来上がった時に「この役は誰にしよう?」って考えた時に、ほんのちょっとの役でも知らない人が来るの嫌だな…って、段々思ってきてしまって(笑)、「知っている人に頼んでみよう!」ということになりました。

第8話の佐藤隆太君は、宮藤さんに直に「通行人でいいから出してください!」って、連絡があったと聞いたので、「整形外科医の役しかないけどいい?」って聞いたら、「いいです!」って言ってくれてお願いをした次第です。

長瀬くんのことが本当に好きなんだなって…

――戸田さん、西田さんの演技もすごく話題になっておりますが、磯山さんからご覧になったお二人の魅力を教えてください。

戸田さんが演じるさくらさんは、とても難しい役だと思うんです。でも、さくらの様などっちつかずみたいな役を、こんなに大きく演じる女優さんっていないなって、とても魅力的なお芝居だなって感じています。

さくらは「その場に応じていい顔をする人」という役どころなのに、そういうところが全く嫌味に見えないし、とにかく可愛いですね。

シーンによってマスクを着けるか、着けないか、相談しながら撮影をしているのですが、そういった計画も、捉えどころのない魅力の一部になっているなって思います。第7話のさくらと寿一の「ラーメンのシーン」の時も、二人の会話はかみ合っていないのに、すごく甘い気持ちになれましたよね(笑)。

西田さんは、そのままの自分を、今の年齢の自分をさらけ出してくださっています。歌声からお風呂のシーンの裸まで、隠すところなく全部出してくださっていますね。あとは、長瀬くんのことが本当に好きなんだなって感じることが多くて、長瀬くんとの芝居の時はすごく生き生きされていて、今作ではノリにのった西田さんを見ることができて、とても幸せです。

――秀生君役の羽村さんも個性のある役柄を絶妙に演じられていますが、磯山さんから見られていかがですか?

羽村くんはオーディションで選んだのですが、本当に彼がいてくれて良かったなって思っています。声変わりをすると能の舞台は難しいらしいんですけど、この三カ月で身長も伸びて、だんだん声がかすれてきて、大丈夫かしら?って…成長が著しくて、すごく変化してきていますね。

学習障害という役に対してもとても準備をしてくれて、実際にそういうお子さんを持つ親御さんからも「すごくリアルだ」と、言っていただけました。あと、「動」と「静」を使い分けているなって思いますし、彼が笑うとその場が華やぐ感じがいいなって思います。

私は50歳の長瀬くんの芝居も見たいですね

――最終話の撮影を行っている現場での長瀬さんの様子はいかがですか?

「寂しくなってきた」という、感じですね。西田さんと長瀬くんの二人のお別れのシーンでは、目と目が合うだけで二人とも泣いちゃって、感傷的な感じでした。でも、面白いシーンの撮影の時は、爆笑しながらやっているので、楽しそうでもあります。

プロレスと能の大きなシーンの撮影はだいぶ終わったので、精神的にも少し楽になったのではないかな?と思っています。

――磯山さんの中で今作の「俺の家の話」は、長瀬さんの集大成という感覚はあるのでしょうか?

長瀬くんは「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)の時が21歳で、「タイガー&ドラゴン」の時が27歳、「うぬぼれ刑事」(2010年)の時が32歳で、今、42歳なんですけど、その時々で異なる年齢に合った表現や演技を見せてきてくれました。

本人はあまり意識していないと思うんですけど、今まで経験を積んできたことを全部出してくれていて、42歳ならではの良い部分が出ているなって思います。今作が「最高傑作」って言うと、今後もう見れない気がしてしまうし、私は50歳の長瀬くんの芝居も見たいですね。

――これまでのシーンで磯山さんが印象に残っているシーンや、心に残っているシーンがありましたら教えてください。

1番楽しかったのは「潤 沢」のステージですね。本当に楽しかったです。心に残っているのは、第9話で、寿三郎の枕もとに立った“スーパー世阿弥マシン”が「肝っ玉!しこたま!さんたま」って言うシーンが、出演者全員でエールを送っているみたいですごく良かったなって思いました。

――最終回に向けて改めて注目して欲しいポイントがありましたら教えてください。

最終話は、「隅田川」というお能の演目をきちんとやるのですが、第8話からずっとその演目の練習を物語の中でしていて、それが最終話に向かっていきます。

お能の演目とドラマの内容をリンクさせるのはとても難しかったのですが、「隅田川」という演目は、“親子の生き死に”をテーマとして取り扱っているお話なので、それがすごく効果的になったんじゃないかなって思います。

あとは、家族が茶の間で食事をするシーンで、寿一が「いただきます!」と言うことが、“長男っぽい”というのがこのドラマのテーマでもあって、そこも最終回に向けて1つのフックになっているので、見逃さずに見ていただければと思います。

――お話にもあった食事のシーンが毎話、とても印象的なのですが、何かこだわっている部分はあるのでしょうか?

宮藤さんは「あんな大人数で食卓を囲むことなんて、今どきドラマの中でしかないから」と、言っていたのですが、そういうのもすごく意識していますね。わざとみんなが違うことを考えている食卓というのも描いていて、幸せな記憶と家族の食事はひもづいているのかな?って、思っています。

現時点での最高傑作にはしたい

――磯山さんが撮影現場で見た印象に残っているエピソードはありますか?

長瀬くんがとにかくみんなに「おいしいお肉を食べさせたい!」ということで、行きつけのステーキハウスの店長さんが、緑山スタジオまでステーキを焼きに来たくださって、超絶においしいお肉を食べられたことですね(笑)。

あと、演者の皆さんは前室で全然セリフ合わせとかをしないんですけど、本番でセット入って撮影が始まると、ものすごくちゃんと出来るんです。大人数で撮影をしているので、誰かがNGを出すとすごく大変だし、誰もが「間違えたくない、俺が止めたくない」っていうプレッシャーがすごくあって、とてもいい緊張がありますね。

でも、誰かがくだらないことを言って、笑ったりすることもあって、皆さんすごく楽しんでやってくださっていて、「この現場に入れて良かったな」っていう雰囲気があって嬉しいです。

――磯山さんご自身にとって今作はどのような作品になりましたか?

長瀬くんがジャニーズ事務所を退所する前の最後の作品ということで、すごく責任を感じていて、「こんなんで終わりかよ」って言われてはいけないと思っていたので、ものすごい責任感を持って取り組みましたし、宮藤さんともそのように話していました。

長瀬くんが今後どのような活動をしていくのかは分からないのですが、現時点での最高傑作にはしたいなって思っています。でも、ドラマを作ってみると、やっぱり50歳の長瀬くんも、60歳の長瀬くんも見たいので、これはこれでいい仕事ができて良かったな、という思いですね。

――最終回を楽しみにしている視聴者に向けたメッセージをお願いします。

観山寿一という人がどういう人で、25年ぶりに家に帰ってきて親の介護をして、観山家にとってどういう役割を果たしているのかというのがハッキリします。彼の生きざまが、見ている人にとって良いものになるといいなと思っています。最終回は、あらすじなどの前情報を見ずに、気持ちをまっさらにして見て欲しいです!

“俺の家の最後の話”―忘れないで!家族の時間―

第9話(3月19日放送)ラストでは、グループホームを抜け出し観山家にやってきた寿三郎(西田敏行)が、3度目の脳梗塞で危篤に…。多くの門弟や家族たちに囲まれ、最後の時を迎えようとしていた寿三郎の前に、いままで正体を隠してきた寿一(長瀬智也)が“スーパー世阿弥マシン”として現れる。

“スーパー世阿弥マシン”の「肝っ玉!しこたま!さんたま!」の掛け声により、奇跡的に寿三郎は一命を取り留める。そして、寿一は新春能楽会で舞う予定の「隅田川」の稽古に励んでいた――という物語が最終話に向けて描かれた。

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