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体に吸収されるビタミンDの量を増やす方法は?

  • 2021.3.24
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自然科学情報誌『Nature Communications』に掲載された新たな論文によると、腸の健康状態はビタミンDの吸収量に関係している。

健康な腸では、善玉菌が酪酸(らくさん)という物質を豊富に作る。酪酸は善玉菌が食物繊維を分解したときに生じる副産物でビタミンDを増やすため、酪酸が増えれば増えるほど、体に吸収されるビタミンDの量も増える。

フルーツや野菜を豊富に食べれば、食事から摂取するビタミンDの量は増やせるそう。詳しく見ていこう。

ビタミンDが栄光の瞬間を楽しんでいる。最近言われている通り、ビタミンDは新型コロナウイルス感染症の重症度を低くする可能性を秘めている。そして今回、新たな研究により、ビタミンDには免疫機能、ホルモン調節、骨の健康に欠かせない腸内細菌叢を元気にする潜在的能力もあることが分かった。

自然科学情報誌『Nature Communications』に掲載された論文によると、この研究では、骨粗しょう症性骨折のリスクに関する大規模な研究に参加した男性567名のデータが分析された。

研究チームは、RNAシーケンシングという方法を使って便サンプルに含まれる細菌の種類を特定し、その結果を血清サンプルに含まれるビタミンD量と照らし合わせた。すると、ビタミンDが多い人は、細菌叢の多様性が高いことが分かった。細菌叢の多様性は、腸の健康に欠かせないと言われている。

米カリフォルニア大学サンディエゴ校の骨粗しょう症クリニックディレクターで、この論文の執筆に加わったデボラ・カド医学博士によると、ビタミンDと細菌叢のつながりには、酪酸という物質が関係している。酪酸は善玉菌が食物繊維を分解したときに生じる副産物で、健康な腸では善玉菌が酪酸を豊富に作る。酪酸はビタミンDの量を増やすため、酪酸が増えれば増えるほど、体に吸収されるビタミンDの量も増えるというわけ。

でも、ここで重要になるのが“活性”という言葉。カド博士によると、日光やサプリメントから十分なビタミンD(米国立衛生研究所は1日600IUを推奨している)を摂取しても、それを体が代謝しなければビタミンDの有効作用(骨の再生や維持、除脂肪体重の増加、有酸素機能の向上、免疫機能の強化など)は得られない。

でも、ビタミンDの吸収量は健康的な習慣によって増やしていける。

「生活習慣を変えて腸内細菌を元気にすれば、健康状態が全体的に良くなるでしょう」とカド博士。

そして腸機能が改善すれば、ビタミンDの吸収量も増えてくる。

「ビタミンDのシグナル伝達を最適化する方法は沢山あります」とカド博士は続ける。「一番簡単なのは、新鮮なフルーツと色とりどりの野菜を豊富に食べることですね。重要なビタミンとミネラルが摂取できるだけでなく、善玉菌が育ちやすい腸内環境づくりにも繋がります」

今回の研究の対象となったのは高齢の男性だけで、女性や若年層でも同じ結果が出るかどうかは分からない。でも、これまでの研究をもとにカド博士は、この結果が誰にでも当てはまると考えている。

この話の要点をひと言でまとめると? 腸をいたわれば(これには定期的な運動も含む)、ビタミンDの吸収量が増えるということ。

「腸内細菌が健康であれば、ビタミンDの体内代謝が最大化されます」とカド博士。ビタミンDの体内代謝を高めるのは、「骨粗しょう症の予防や免疫機能の強化など、さまざまな健康効果を得る上で重要です」

※この記事は当初、アメリカ版ランナーズワールドに掲載されました。※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。

Text: Elizabeth Millard Translation: Ai Igamoto

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