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長瀬智也、“ど真ん中”を宿命づけられた少年マンガの主人公 大物たちが絶賛する役者としての“凄み”

  • 2021.3.24
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「運動神経良いんですねぇ!体も大きいし、一からプロレスを始めてたらきっと一時代を築いてましたよ!」

【写真を見る】戸田恵梨香を軽々と“抱っこ”する長瀬智也

「俺の家の話」(TBS系)でプロレスラーを演じる長瀬智也の動きを見て、「天才」と称される武藤敬司がそう絶賛したという(木曽大介「note」2021年2月5日)。

「俺の家の話」は表舞台最後の仕事、集大成に!?

手足の長い恵まれた体躯、色気が詰まった男臭い端正な顔立ち、明るく、ちょと抜けたキャラクター、そして何より、持って生まれた“華”がある。武藤は熱心にプロレス界に“スカウト”したそうだが、そう思ってしまうのも無理はないだろう。このドラマのために体重も増量し、幼馴じみでもあるプロレスラー・格闘家の勝村周一朗の所属するガンバレ☆プロレスの道場で練習に励んだ。

彼ほどの運動神経があれば、撮影用に技を習得するのはそれほど難しくはないだろう。だが長瀬は「俺は道場に魂の勉強に来てるんだ」と語ったという(勝村周一朗ブログ、2021年2月8日)。つまり、レスラーがどういう思いで練習してるのかという気持ちの部分まで会得しようとしたのだ。

これに加え、長瀬は能も練習している。ものすごい力の入れようだ。それも無理もない。何しろ、彼にとってこのドラマが俳優として表舞台最後の仕事になるかもしれないのだ。 2021年4月1日にジャニーズ事務所を退所し、「裏方としてゼロから新しい仕事の形を創り上げていく」ことになると発表された。

「生まれ変わるなら、クドカン」転機になった宮藤官九郎との出会い

「俺の家の話」は、彼の集大成になるドラマにふさわしい座組だ。脚本は、「生まれ変わるなら、クドカンになってみたい」(「まんたんウェブ」2016年6月25日) と言うほど信頼を寄せる宮藤官九郎。

長瀬にとって大きな転機となった「池袋ウエストゲートパーク」(2000年、TBS系)を皮切りに、「タイガー&ドラゴン」(2005年、同)や「うぬぼれ刑事」(2010年、同)、映画でも「真夜中の弥次さん喜多さん」(2005年)、「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」(2016年)とその節目、節目でコンビを組んできた。

西田敏行が絶賛「俳優としてのポテンシャルは限りなくある」

プロデューサーも「ラブとエロス」(1998年、TBS系) 以来ずっと彼を起用してきた磯山晶。父親役も「うぬぼれ刑事」でやはり親子役だった西田敏行だ。ゲスト出演者も阿部サダヲや佐藤隆太など過去のドラマで関係の深い間柄だった共演者たちが並ぶ。

長瀬への最高の花道を用意しているようにも見えるが、それ以上に全力で引き止めているようにも見える。「長瀬くんの俳優としてのポテンシャルっていうのは、限りなくある」(「CREA」2021年1月号)と西田敏行が称賛するように、役者としての可能性が広がっているからだ。

「こういう人になりたい」という人を自然に演じられる俳優

長瀬智也の凄さを端的にあらわすエピソードがある。それは映画に出演し、泣きのシーンで監督の宮藤官九郎から細かな演出を受けていた時だ。長瀬はそれを途中で遮り「それはギャグの方ですか?マジですか?」と尋ねた。「マジの方だ」と答えると見事に監督の思い描く通り演技をしたのだ。

「ふたつしかないんだ…」と宮藤は唖然としつつ感服したという(「A-Studio」2010年7月2日)。宮藤は長瀬の良さを「やっぱり思い切りがいいところ。自分で限界を決めずに向き合ってくれるのは気持ちいいですね。笑わせるところも、テクニックや小手先だけでやろうとせずに力いっぱいやってくれる」(「オリコンニュース」2021年1月16日)ことだと表現する。

磯山も「実際は細かいことを気にされながら演じられているのに、画面上ではものすごくスケールが大きい。もし、私が男子だったら“こういう人に生まれたい”という体現化。顔がいいとか、カッコいいからではなくて、『こういう人になりたい』という人を自然に演られる人」(同)と絶賛。

ナインティナインの矢部浩之が「成長の早い小6みたい」(「ぐるぐるナインティナイン」2014年9月25日、日本テレビ系)と形容するように天然エピソードも数知れない彼だが「バカだからこそ、『考えたけど、わかんねぇから、もうやるしかねぇ!』ってリミッターを解除してきた」(「週刊SPA!」2014年9月16日・23合併号)と言う。

大胆な動きと豪快な表情、ぶっきらぼうな口調でいて、そこからにじみ出る繊細さや優しさ。それはまさに少年マンガの主人公、あるいは戦隊ヒーローのレッド(=リーダー)のよう。そう、長瀬智也は“ど真ん中”にいることを宿命づけられた男なのだ。きっとヒーローはいつか僕らの前に戻ってきてくれるに違いない。

文=てれびのスキマ

1978年生まれ。テレビっ子。ライター。雑誌やWEBでテレビに関する連載多数。著書に「1989年のテレビっ子」、「タモリ学」など。近著に「全部やれ。日本テレビえげつない勝ち方」

※『月刊ザテレビジョン』2021年5月号

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