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作曲家が超厳選、いま聴くべき「東京発」Jpopアーティスト3選

  • 2021.3.22
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流行の発信地として、さまざまなアーティストが活動の拠点にする街・東京。いま注目すべきアーティストは誰なのでしょうか。作曲家でwebライターの中村スバルさんが紹介します。

躍動する東京発Jポップアーティスト

音楽市場がSpotifyやApple Musicといったストリーミングサービスへ移行している昨今。音楽の聴き方が変化した現代において、多くのアーティストが創意工夫しながら楽曲制作に取り組んでいます。

そんな変わりゆく音楽業界の中で、特に活躍が目立つ「東京発」のJポップアーティスト3組をご紹介します。

1. Kan Sano

Kan Sanoは東京を拠点に活動を行う、1983(昭和58)年生まれのキーボーディスト、音楽プロデューサーです。

JazzやNeo Soulといったブラックミュージックの影響を受けた楽曲が多く、心地良く踊れるおしゃれなサウンドは、多感な若者から音楽通の大人まで幅広い世代を虜にしています。

キーボーディスト・音楽プロデューサーのKan Sano(画像:origami PRODUCTIONS)

Kan Sanoは10代のときに独学でピアノと作曲を始め、ボストンのバークリー音楽大学を卒業しています。本場でJazzを学び、在学中に有名ジャズフェスティバルに出演するなど、若いうちから音楽の才能を開花させていました。

大学卒業後は東京を拠点に音楽活動を続け、2011年にデビュー。2014年にリリースした2ndアルバム『2.0.1.1』はオリコンチャートにランクインし、アルバムリード曲の「Here and Now feat. Monday Michiru」は恋愛リアリティ番組『テラスハウス』の挿入歌として起用されました。

「テラスハウスの挿入歌」と聞いて、ピンと来る人もいるのではないでしょうか。

Kan Sanoの楽曲は、聴いていて気持ちが良いものばかりです。カフェで作業しながら聴くとはかどりますし、眠りながら聴くと良質な睡眠を取る事ができます。

嫌なことを忘れてリラックスしたい、静かにひとりの時間を楽しみたい、そんな人にはKan Sanoの音楽をおすすめします。

長いキャリアで培った高い音楽性は、Jポップ界で唯一無二といえるでしょう。

2. SIRUP(シラップ)

SIRUP(シラップ)は1987(昭和62)年生まれのシンガーソングライターです。元々は「KYOtaro」という名義で大阪で活動していましたが、活動の幅を全国へ広げるため東京へ拠点を移し、現在の名義に変更しました。

ラップと歌を自由に行き来するボーカルスタイルと、R&Bやゴスペル、Neo SoulやHIPHOPなどさまざまなジャンルを融合した洗練されたサウンドで、若者を中心に絶大な支持を得ています。

音楽通にも高く評価されるサウンドに、誰もが思わず口ずさんでしまうキャッチーなメロディ。このバランス感覚こそがSIRUPの最大の魅力だと思います。

音楽ストリーミングサービス「AWA(アワ)」でも特集プレイリストが組まれるなど、注目のSIRUP(画像:AWA)

2017年にデビューして以降、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍の場を広げています。

日本国内では「SUMMER SONIC、ROCK IN JAPAN」など大型主要フェスに出演し、各会場で入場規制を記録。2019年12月に行われた初のワンマン2公演は、両公演即日ソールドアウトしました。

海外では中国、台湾、韓国といったアジア圏を中心にライブを行っており、今後さらにグローバルな活動が期待されています。

そんなSIRUPの代表曲は「Do Well」です。この楽曲は2019年にHONDAのCMで起用されました。HONDAのVEZELという青い車が都会を走る中、

「ターラタッタッタ、ドゥーウェル」

という軽快な歌声が流れるCMを覚えている人も多いのではないでしょうか。

今後さらなる活躍に期待

また、2019年にリリースした1stフルアルバム『FEEL GOOD』は、Apple MusicのR&Bチャートで9か月連続1位を獲得し続けるという快挙を達成。

2020年には最も活躍した新人アーティストに授与される「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2020」でBREAKTHROUGH ARTISTを受賞しました。

まだデビューして間もないSIRUPですが、今後、日本を代表するJポップアーティストとして世界的に有名になる可能性は非常に高いです。今後最も注目すべきアーティストだと言えるでしょう。

音楽性の高さとキャッチーさの両方を兼ね備え、短いキャリアにも関わらず、驚くべき速さでスターダムを駆け上がっています。

3. 星野源

星野源は1981(昭和56)年生まれのミュージシャンで、俳優としても知られています埼玉出身で、東京を拠点にキャリアをスタートさせました。

R&Bやソウルミュージックに影響を受けた自身の音楽ジャンルを「イエローミュージック」と定義付けしており、その高い音楽性と魅力的な人間性で多くのファンに支持されています。

雑誌『Numero TOKYO』2020年12月号の表紙を飾るなど、マルチな活動を続ける星野源(画像:扶桑社)

元々は「SAKEROCK」というバンドで活動していましたが、2010(平成22)年にソロデビュー。地道に音楽活動と俳優活動を並行して続けていく中、2016年にTBSテレビ系のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』に出演し、主題歌も担当しました。

この「逃げ恥」は高視聴率を記録し、星野源は俳優として多くの賞を受けました。

また、ドラマのエンディングで主題歌「恋」に合わせて出演者たちが踊った「恋ダンス」も話題になり、社会現象になりました。2019年には初の5大ドームツアーを開催し、全国5か所8公演を行いました。さらに同年、自身初となる海外ツアーを開催するなど、活躍の場を日本だけでなく世界へ広げています。

また、自身の冠ラジオ番組「星野源のオールナイトニッポン」では、ミュージシャンや俳優としては見せない一面で人気を博しています。ポップでありながら音楽的に優れた楽曲を作り続け、ライブパフォーマンスにも力を入れています。俳優としても活躍し、ラジオでは自身の面白い部分を前面に押し出しています。

ほかにも注目のアーティスト多数

星野源はこういったマルチな活動を通して、老若男女を全力で楽しませる「エンターテイメントの天才」といえるでしょう。マイケルジャクソンのような世界的スターになる日もそう遠くはないかもしれません。

また彼は、テレビドラマの主題歌などを担当しても、コマーシャリズムに傾倒することなく、自身の音楽に対する信念を貫くことで、堅い支持を獲得しています。今回紹介したアーティストの中でも、圧倒的に知名度が高いでしょう。

流行の発信地・東京。ここでは数多くのアーティストたちが、自身の世界観を歌にのせて表現しています。

ストリーミングサービスや動画配信の普及によって、音楽へのアクセスが容易になった今こそ、自分だけのお気に入りアーティストを探してみるのはいかがでしょうか。

中村スバル(作曲家、webライター)

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