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信号機より多い!?美容室が増え続ける理由

  • 2021.3.22
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平成以降、美容室の数は年々増え続け、2019年は過去最高となりました。では、なぜそこまで美容室が増えているのでしょうか。その疑問に答えるため、美容室が増えている理由やその裏側について探ってみました。

■2019年の美容室店舗数は過去最多の25万4,422軒

厚生労働省が公表している「令和元年度衛生行政報告例概況(2019)」によれば、2019年の美容室数は、1991年からの28年間で過去最多の25万4,422軒となっています。前年より3,282軒も増加したことになります。

全国にある信号機の総数(20万8,168基)を大きく超えた数字となりました。

美容室が増えた主な理由として、美容室が比較的新規開業しやすいことが挙げられます。また、大手美容室チェーンが年々店舗数を増やしていることも理由の一つとなっているようです。

■美容室が増え続ける裏で倒産数も増えている

美容室が年々増え続ける裏で、倒産する美容室の数も増えています。

帝国データバンクが公表している最新の情報によれば、美容室を含めた2019年の美容業倒産数は過去最多の162件。うち、負債5,000万円未満の小規模倒産が9割となっており、規模が小さな美容室が数多く倒産していることがうかがえます。また、東京商工リサーチは、「解散や廃業などで閉店した美容業者数も含めると、美容業の閉店数は数千店舗にのぼる可能性がある」と述べています。

美容室が次々と新規開店している分、美容室の競争が激化し、競争力がない小規模な美容室が数多く閉店していることがうかがえます。

■新型コロナの影響で美容室の閉店が相次いでいる

さらに悪いことに、2020年からは新型コロナの影響で多くの美容室の経営が急激に悪化、倒産や廃業などによる美容室の閉店が相次いでいます。

美容室は多くの人と近距離で接する業種ですが、多くの自治体では休業要請の対象にはなっていません(一部自治体では美容院も対象)。しかし、客足が減少しているという事実は否めない状況です。

また、休業要請の対象外ということで、「感染拡大防止協力金」も給付対象外となっており、各美容室は苦しい経営を余儀なくされています。そのことから、今後は経営が成り立たなくなって閉店する美容室がさらに増え、店舗数が激減する恐れもあります。

■美容室の新規出店は容易だが継続的な経営は難しい

美容室数が年々増えている一方、競争の激化や新型コロナの影響による経営悪化で閉店する美容室も増えています。美容室の新規出店は容易でも、継続的な経営は難しいことがわかるでしょう。

しかし、美容室の中にはYouTubeやオンライン相談などに活路を見出して、生き残りを図るところも出てきています。新たな経営手法を模索し積極的に取り入れることで、生き残りにつながるかもしれません。

文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。

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