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京都・山科の隠れ家カフェで、春色にきらめく生琥珀のフルコースを

  • 2021.3.15
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ゼリーのような透明感にあふれ、宝石のように輝く「生琥珀」。伝統的な和菓子である琥珀糖を今風にアレンジしたお菓子が、スイーツ女子の間で話題です。 京都の郊外、山科の「瑠璃菓」は、生琥珀とドリンクのペアリングを楽しめる唯一のカフェ。完全予約制のスイーツだけのフルコースが味わえると聞きつけ、さっそく訪れてみました。

京都・山科の隠れ家カフェで、春色にきらめく生琥珀のフルコースを
京都・山科の隠れ家カフェで、春色にきらめく生琥珀のフルコースを
京都の中心部から山ひとつ隔てた山科へ
京都・山科の隠れ家カフェで、春色にきらめく生琥珀のフルコースを
小さな木の看板が目印です

観光地としては、なじみのない山科ですが、「瑠璃菓」さんのある付近は、忠臣蔵で有名な大石内蔵助が討ち入り前の1年を過ごしたという由緒ある土地です。
京都駅からも四条河原町からも京阪バスが出ており、大石神社バス停で下車。そこから南に約6分、閑静な住宅街に工房兼カフェがあります。

生琥珀誕生のきっかけは海外からのお客様
京都・山科の隠れ家カフェで、春色にきらめく生琥珀のフルコースを
床の間に飾られているオブジェは石井さんのガラス作品

店主の石井佳鶴子さんは、ガラス作家、茶道教室の先生としての顔をもつマルチな方。海外からのお客様に茶道体験をする際、生菓子のあんこを好まれないゲストが多いことに悩んでいました。

そこで試しに出してみたのが琥珀糖。外側はシャリシャリ、内側はゼリーのように柔らか、その食感の違いが大いに受けました。やがて試行錯誤をするうちに、乾燥させる前の生の琥珀を、お客様にお出しできるのではないかと気づいたそうです。

生琥珀のフルコースを召し上がれ
京都・山科の隠れ家カフェで、春色にきらめく生琥珀のフルコースを
「ブルーベリーの生琥珀とブルーベリー&苺の琥珀糖」(ペアリングはほうじ茶)

コースは、スイーツ5種とドリンク3種。内容は、その日その日で異なります。
(※この春から、スイーツ4種とドリンク3種で3500円に変更。よりお手軽に楽しめるようになります。)

ひと皿目は、一口大の生琥珀と通常の乾燥した琥珀糖のコンビ。着色料は使わず、素材の色だけでパープルの濃淡が表現されています。ペアリングのほうじ茶は、もちろん京都産の宇治茶。これから始まるコースの前奏曲として、期待が高まりますね♪

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「苺の生琥珀」

2品目は、季節のフルーツが入った大きめの生琥珀。ゼリーや寒天よりも弾力があり、生琥珀ならではのぶるんとした食感が魅力です。

「寒天をぐつぐつと煮詰めることで弾力が増し、独特の歯ごたえが出ます。以前はフォークを添えていましたが、つるんと滑ってしまうので今はお箸で食べてもらっています」と石井さん。

京都・山科の隠れ家カフェで、春色にきらめく生琥珀のフルコースを
「丹波大納言ぜんざい」(ペアリングはコーヒー)

3品目は琥珀を離れて、ぜんざいとコーヒーのペアリング。ふたを開けると、小豆の香りがふわり。汁気が少ないのは、小豆そのものを味わって欲しいからとのこと。

まずは、「赤い宝石」ともいわれる丹波大納言小豆を堪能。コーヒーはそのままいただいてもいいし、石井さんおすすめのコーヒーぜんざいにしても面白い風味が楽しめます。

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「レモンの淡雪琥珀」(ペアリングは薔薇和紅茶)

4品目は、メレンゲを寒天で固めた淡雪琥珀。酸味が強めのレモン味で、そこにバルサミコソースがかかっています。

見た目も、味にも変化があり、ちょうど懐石でいう箸休めのような役割です。また、箸を入れた際に出る「ギシッ」という音は、雪を踏みしめたときの音にそっくり。ペアリングの和紅茶にも有機バラが一輪浮かび、気分が華やぎます。

京都・山科の隠れ家カフェで、春色にきらめく生琥珀のフルコースを
「苺の淡雪琥珀 フローズン」

最後は、琥珀のフローズン。ガラス作家石井さん作のグリーンの紋様が素敵な器に、淡いピンク色が浮かび上がります。フローズンはカチコチに固まっているのではなく、ムースとシャーベットの間くらいのやわらかな舌ざわり。口に入れるとすっと消えゆくように、溶けていきます。

おみやげには、京の味を閉じ込めた琥珀糖を
京都・山科の隠れ家カフェで、春色にきらめく生琥珀のフルコースを
「京の琥珀」と「酒琥珀」(各1728円)

「瑠璃菓」の琥珀糖は、生琥珀に負けず劣らずユニークなフレーバーが揃います。
「京の琥珀」は、白みそ山椒、抹茶、丹波大納言といった京都の名産品がスティック状の琥珀糖になっています。また「酒琥珀」は、梅酒、赤ワイン、日本酒(京都の「伊根満開」)をぎゅっと閉じ込めた大人のお菓子です。

店主の石井さんは、「最近、何を見ても琥珀にならないかな~と考えちゃうんですよね」と愉快そうに語ります。皆さんが、次に「瑠璃菓」を訪れるときには、新しい琥珀が誕生しているかもしれませんね。

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