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銀座線・丸ノ内線利用時に痛感! 赤坂見附駅の「乗り換え」がとっても便利なワケ

  • 2021.3.14
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東京メトロ「赤坂見附駅」は銀座線と丸ノ内線が同じホームに発着し、乗り換えが便利です。いったいなぜでしょうか。フリーライターの弘中新一さんが解説します。

複雑かつ便利な東京の地下鉄

筆者が初めて東京を訪れたのは修学旅行のときです。

旅行時の注意事項はさまざまでしたが、なかでも不思議だったのは「地下鉄の乗り換えには時間がかかる駅があります」というもの。駅のホームは多くてふたつ、汽車(ディーゼル)は1時間に1本来るか来ないかの田舎に住んでいた筆者にとって、これは想像もつきませんでした。「東京は駅も広いのか」と驚いたものです。

田舎に住んでいると「何時何分の汽車に乗ろう」と前もって時間をキッチリ決めますが、東京はJRも地下鉄も時刻表は数字だらけで、乗り換えにどのくらい時間がかかるのか皆目見当もつきません。

その後に進学で上京したわけですが、乗り換えを含めて時間がどの程度かかるのかを体が覚えるまで、かなりの時間がかかりました。今ではスマートフォンアプリが正確に教えてくれるので、世の中は便利になったとつくづく実感しています。

さて、東京で暮らしていると地下鉄の乗り換えに今でも困るときがありますが、その対極にあるのが赤坂見附駅(港区赤坂)です。

ここは東京でも随一の、乗り換えがスムーズな駅です。銀座線の新橋方面行きと東京方面行きが同じホームに、渋谷方面行きと新宿方面行きが同じ階にあるからです。このスムーズさに都会の洗練を感じるのは、筆者だけではないでしょう。

なぜ赤坂見附駅の乗り換えはこんなにスムーズなのでしょうか。その理由を探ると、駅のできた経緯に関係していました。

日本初の地下鉄は1927開業

現在の東京メトロのルーツとなる東京地下鉄道が1927(昭和2)年、上野~浅草間に日本初となる地下鉄を開業しました。その後に路線は延長され、1934年には銀座~新橋間まで開通。路線需要の伸びは著しく、別の事業者が東京高速鉄道を設立します。

東京高速鉄道がこのときに得た免許は、

・渋谷~東京間(渋谷線)・新宿~築地間(新宿線)

のふたつでした。

工事はまず、渋谷線から始まりました。計画では赤坂見附駅で路線が分岐し、渋谷方面と新宿方面にそれぞれつながることになっており、新宿線が開通した際には新宿から新橋方面まで直通させるつもりでした。

このように赤坂見附駅は当初から分岐駅としてつくられたことで、駅のホームの乗り換えが便利な構造になったわけです。

赤坂見附駅(画像:写真AC)

工事は進み、1939年に現在の銀座線が全通します。この後、東京地下鉄道と東京高速鉄道が1941年、帝都高速度交通営団に継承されます。

新宿線の工事は新たな組織で始まりましたが、戦争による資材不足の影響もあって中止に。戦後になり、新たに丸ノ内線が計画され、現在の形となりました。

分岐を想定して、赤坂見附駅の丸ノ内線ホームは既に建設されていました。戦前の想定ではホームの幅員が狭く、またホームの長さが短かったことから、駅の改造が行われています。幅員は4.85mを8~11mに拡張。長さは銀座線側が96m、丸ノ内線側は120mになるように改造されました。この工事によって赤坂見附駅はスムーズな乗り換えが可能になったというわけです。

駅の便利さの背景にあるもの

前述のように、新宿方面との乗り換えが想定されていた赤坂見附駅ですが、連絡線は設けられており、現在の銀座線と丸ノ内線も線路がつながっているのをご存じでしょうか。

銀座線の車両は中野車両基地でメンテナンスを行うため、時々回送列車が走っています。ただ、丸ノ内線は車両のサイズが銀座線よりも一回り大きいため、銀座線の車両は丸ノ内線を走ることができるのに対して、その逆はできません。

過去には、路線がつながっていることを生かして両線を直通する列車が走ったこともあります。

1987年にイベント列車として一度運行。その後1992~1998年には、隅田川花火大会のために臨時列車・花火ライナーが運行されています。これは、荻窪発浅草行きの片道で銀座線の車両を利用したものでした。

赤坂見附駅(画像:写真AC)

1992年に初めて実施された際には、営業運転で両線を接続する列車は初めてとして話題になりました。その後、2002年の大みそかと翌元日には初詣のための新春ライナー浅草号が運行しています。

ちなみにこの年にはイベント列車の運行が多く、小田急線唐木田駅から千代田線を経由し有楽町線新木場駅まで直通するカウントダウンベイエリア号と、タイムトラベル号(こちらはトンネル内で新年を迎える趣向)が運行されています。

駅の便利さの背景には、さまざまな建設の歴史がある。それを知れば普段なにげなく乗っている地下鉄も楽しくなってきます。

弘中新一(フリーライター)

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