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梅雨を楽しむ、和の情緒あふれる旬の花々~紫陽花とトルコキキョウ、涼やかで優しい花あしらい~

  • 2015.6.13
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六月、水無月、水の月。
「ああ、梅雨になっちゃったあ」と湿った空を仰ぐ今日この頃ですが、街角でふと出会う紫陽花の冴え冴えとした青色に心洗われます。とはいえ、梅雨入りしたはずの東京はこの週末も夏日の晴れ模様。紫陽花もちょっと乾いてる!? 紫陽花が輝くなら、雨も悪くないですね。

花屋さんには早くも鮮やかな黄色のヒマワリやトロピカルムードの花々が出番を待つかのように並んでいますが、旬の紫陽花やトルコキキョウ、デルフィニウムやアリウムなど、ブルーやラベンダー色の涼しげな花も増えてきました。
優しい雨の季節には、雨が似合う美しい花を探しにぜひ花屋さんへ。

夏を告げる花々を集めれば、梅雨のはしりの湿った空気に溶け合うしっとりした花あしらいに。
きりっとした紫色や、青みのピンク、夏モミジのような明るい緑色......といった和の情緒ただよう色をチョイスすれば、花で「涼」を演出することができます。目にも涼やかな簡単アレンジをご紹介しましょう。

実は冒頭の2枚の写真、トルコキキョウの色が異なりますが、全く同じ花材で作ったアレンジなのです。飾る場所やシチュエーションに合わせて試してみてくださいね。
まず画像左、和のしつらえのテーブルにぴったりな、はんなり美しいアレンジ。このウィークエンド、夕暮れ時から楽しむとっておきの日本酒のお供にいかがでしょう?

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●バージョン1
紫陽花で彩る、日本酒が似合う和のテーブル
水に浮かべるだけの簡単アレンジ!

<材料>
紫陽花(アジサイ) 花1房と葉のついた枝少々
トルコキキョウ・八重咲き 2輪(1/3本程度)※リシアンサスともいいます
スモークツリー 2房(1/3本程度)※モフモフしたグリーンの枝もの
利休草 1本

和テイストの鉢皿 1点(直径20cm、深さ7cmくらい)
切花栄養剤(最近は小袋をつけてくれる花屋さんが増えています)

<作り方>
1. 材料を短くカットします。トルコキキョウとスモークツリー、葉の部分は水に浸かってしまうので葉は取り除きます。

2. 紫陽花は花持ちをよくするためにひと工夫します。いろいろな方法が紹介されていますが、ご家庭で最も簡単な方法をご紹介します。茎はできるだけ鋭角に斜めにカットします。茎の中に白い綿状のものが詰まっていますが、これをハサミの先端などで掻き出し、白い綿をきれいに取り除きます。これだけでだいぶ水揚げがよくなり、花を長く楽しめますのでぜひお試しを。(下の画像は、太い枝部分になりますが、画像上のように短くカットした花の細い枝や葉部分の枝でも同じように行ってください)

3. 鉢皿の8分目ぐらいまで水を入れ、切花栄養剤を分量通りに加えます。

4. あとは、お皿に料理を美しく盛りつけるように花を水に浮かべていきます。テーブルの中央に置くイメージで、四方どこから見ても美しいようにあしらいます(四方見のアレンジといいます)。
順番としては、紫陽花の葉→紫陽花の花→トルコキキョウ2輪→スモークツリー2房→最後にスモークツリーの間に引っ掛けるように利休草を挿し、軽やかに飛ばすようにあしらえば完成!!

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●バージョン2

夏の紫色を楽しむトルコキキョウと紫陽花の和モダンアレンジ

<材料>
紫陽花(アジサイ) 花1房と葉のついた枝少々
トルコキキョウ・八重咲き 4輪 = 1/2〜1本分※リシアンサスともいいます
スモークツリー 2房(1/3本程度)※モフモフしたグリーンの枝もの
利休草 2本

花器 1点
切花栄養剤(最近は小袋をつけてくれる花屋さんが増えています)

<作り方>
1. トルコキキョウは1本に複数の花がついていますが、それを小分けにカットします。

2. 花器に水を8分目ぐらいまで入れ、切花栄養剤を分量通りに加えます。

3. 紫陽花の葉のついた茎と、紫陽花1房を片側に活けます。

4. 反対側にトルコキキョウを集めて活けます。背景にスモークツリーを2房いれます。
(このように、1種類の花ごとに集めてブロックのように構成するアレンジ方法を「グルーピング」といいます)

5. 仕上げに、利休草を2本あしらいます。1本は長めに流すように、もう1本を軽やかに飛ばすように活けます。

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夏の蔓、清涼感のあるグリーンとして人気が高い「利休草」。ちょうど今の時期には、葉の間に小さな小さな緑色の星のような花を見つけることができます(冒頭右の画像をご覧ください!)。千利休がこよなく愛した茶花「利休草」、この控えめな花姿が、侘・寂の境地に導いた茶人の美意識にかなったのでしょう。

トルコキキョウのお話を少し。「リシアンサス」「ユーストマ」という名前もありますが、日本人には「トルコキキョウ(トルコギキョウ)」の呼び名の方が馴染みがあるでしょうか。植物的にはリンドウ科の植物で、「トルコ」とも「キキョウ」とも何の関係もないのですが、「トルコ帽のような形をしたキキョウのような色の花」ということで「トルコキキョウ」と呼ばれるようになったようです。かなり適当な感じ(笑)。

一重咲きの白地に紫色やピンクの縁取りがある品種がポピュラーでしたが、ここ数十年でトルコキキョウほど新しい花形や花色のバラエティが充実してその世界が広がった花もないでしょう。最近では、今回使用しているような八重咲きのものは定番となり、さらにぶりっぶりにフリル咲きになる大輪形の品種やアンティークカラーなど、目を見張るような変わったトルコキキョウが出回るようになりました。日本のトルコキキョウ、中でも生産高日本一の長野県や千葉県で生産されているスペシャルな品種たちは世界的にも評価が高く、10年に一度オランダで開催される「フロリアード」という花の世界大会でもたくさんの賞を受賞しています。一年中手に入る花になりましたが、旬の今の季節にぜひ、素晴らしいトルコキキョウに出会ってくださいね。

そして最後に、2つのアレンジに使用した「スモークツリー」について。
梅雨空の合間に天に向かい煙立つスモークツリー、自然の山中に突如大木を発見した時の驚きは今でも忘れられません。6月のこの季節だけに自然が与えし神秘的な姿、糸状のものは花後の花がらで、羽毛状の花穂がケムリに似ていることが名前の由来だそうです。今回はグリーンのものを使用していますが、ピンクがかった色目や、ワインレッドのような赤色の種類もあります。モフモフ感がたまらなく愛おしいのですが、「今年はすごくスモークツリーがいいみたい!」と花屋さんの間でも評判です。枝1本はちょっとボリュームがありますが、ぜひ季節の紫陽花やクレマチスなどとあわせて、このモフモフをたっぷりと楽しんでいただけたらと思います♪ 和の風情の花も、洋の花もどちらもよく似合いますよ。

人間にとっては憂鬱なばかりの梅雨時期ですが、植物や花々にとっては瑞々しさを享受する大切な季節なのでしょう。愛する花たちを思えば、雨もイヤではなくなるかしら......!? 夏本番までしばし、露をたたえて潤う花々を愛でながら、女っぷりをあげていきましょう。

<INFORMATION>

6月15日からスタートするFMラジオ局「J-WAVE」の、雨の日を楽しむキャンペーン
「Happy Rainy J-WAVE 2015」。
<ネガティブなキモチになりがちな雨の日をポジティブに変えよう!>ということで、毎年人気の企画です。

(一社)花の国日本協議会に所属するフラワーショップからも、このキャンペーンに参加するお店が複数ございます! 雨の日にこそ、雨を楽しむお花を楽しんでいただきたくて、各店でさまざまなサービスを展開していますので、ぜひJ-WAVEの特設サイト(6月15日公開)をご覧いただきながら、雨の日には花屋さんへGO!!

◆J-WAVE 81.3FM 公式サイト
http://www.j-wave.co.jp/

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