1. トップ
  2. ダイエット
  3. 身体ナビゲーションVol.55「リンパの働きと代謝」

身体ナビゲーションVol.55「リンパの働きと代謝」

  • 2015.6.12
  • 739 views

こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

前回は、私たちが思っているよりさまざまな働きをするリンパの仕組みについてご紹介しました。今回は、さらに減量やアンチエイジングのキーワードとなっている2つの“代謝”と、リンパの働きについて解説していきたいと思います。

●基礎代謝とリンパの働き

私たちは体を動かさないでじっとしているときでも、心臓を動かしたり、呼吸をしたり、体温維持をしたりしています。また、食後であれば消化活動が行われます。

このような人間が生きていくために行なう活動に最低限必要なエネルギーのことを、基礎代謝といいます。基礎代謝は、一般的には男女ともに20歳をピークに加齢とともに低下していきます。また、筋肉量が多い方が基礎代謝量が増えるので、筋肉が少ない女性や高齢者では基礎代謝が少なくなりがちです。

基礎代謝は、1日のエネルギー消費の60~70%を占めているために、加齢や運動不足で基礎代謝が低下すると、同じ食事量にもかかわらず太りやすい体になってしまいます。

基礎代謝アップによって血液循環がよくなると、必要な栄養素が各細胞にスムーズに運ばれます。それによって、多くの臓器や組織の活動が向上し、エネルギーが作られやすい体になります。さらに、酵素の合成や分解も進み、循環機能の向上につながります。

リンパ管においては、リンパ液を運搬する機能を果たすのも全身の筋肉なので、筋肉がよく使われていると基礎代謝が上がるだけではなく、リンパの循環も整っていきます。

●新陳代謝とリンパ

新陳代謝とは体の古い細胞を新しい細胞へと分解・合成させる仕組みをいいます。たとえば、転んで膝をすりむいたり、包丁で手を切ったりした場合に、傷ついた皮膚の下に新しい皮膚が作られると、古い皮膚は剥がれ落ちて、新しい皮膚に変わることも新陳代謝の仕組みです。

細胞が新しいものに入れ替わる周期は体の部位によって異なり、たとえば、皮膚細胞は約28日、胃腸の細胞は2~5日、筋肉や肝臓は約2か月だと言われています。

細胞が生まれ変わるためには、栄養素と酸素が必要となってきます。体の中の各細胞は動脈から栄養素や酸素を受け取り、それをもとに細胞の活動によって生命の維持に必要なエネルギーが生み出されます。

同時に、体にとって不必要な物質も作り出されます。これが老廃物といわれるものです。新陳代謝が活発になると、老廃物はより多く作られます。これら体内の老廃物を収集して運び出すのが、静脈やリンパ管の役割です。血液やリンパ液によって老廃物が排泄されると、新陳代謝が活発になります。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

長年の医療機器メーカー勤務の経験から健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーの資格を取得し、健康管理士事務所『優縁』を設立。現在、食で愛を育む食愛ナビゲーターとして、食育の講演や執筆活動を中心に、NPO法人『予防医療推進協会』理事長として、成人向けの生活習慣改善のさまざまな提案を発信中。

の記事をもっとみる