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道具のプロ・スタイリストchizuさんの台所で活躍する才色兼備な道具とは?

  • 2021.3.6
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スタイリストとして、食卓・台所と向き合い続けて数十年。今心地いいのは、手をかけなくても心が浮き立つような食卓の整え方。賢い道具や裏技調理法を駆使して「前向き手抜き」を。これなら、慌ただしい日々の中でも無理なく続けられそうです。

道具や器の力を借りて、簡単でも豊かな食卓に。

「ていねいな暮らし」、「手間をかける楽しみ」。そんなキーワードがもてはやされている今日この頃ですが……。「そうできたらベストだけど、忙しくてそんなことしていられないという方も多いはずよね」。そうchizu さんはつぶやきます。毎日、仕事はパンパン、帰宅するのは夜。それから料理をしてご飯となると、あれこれと手間をかけている時間もエネルギーもないというのが実際のところ。簡単でパパッとできるお料理がchizu さんの基本です。

そこで活躍するのが、「手間いらずなのに手抜きに見えない」よう仕立ててくれる道具たち。耐熱の器は大中小のサイズを揃え、何かと重宝しています。「火にかけてオイルを敷いて、お肉や野菜を焼いたり、残りご飯とスープを入れてリゾットにしたり。出来上がりをそのまま食卓に出せて楽。土鍋は火の通りが早く、温かさも長持ち、食卓での見栄えもいい、料理上手になった気にさせてくれる器なんです」

調理と盛り付けも兼ねる直火OKの陶器

頼りにしているのが、耐熱の陶器。ザクッと適当に切った野菜を並べて、オリーブオイルを回しかけ、直火にかけ、火が通ったらそのまま食卓へ。シンプル料理なのに食卓に出したときは、どーんとかっこ良く、ごちそうに見えてしまうから不思議。お肉を焼いたり、すき焼きを作ったり、いろいろに活用しています。「できたてをそのまま食卓に出せるから、使う道具は最小限。火の通りも早く、短時間でさっと完成するので重宝しています」

右の土鍋は「ヨーガンレール」で購入。
厚揚げといろいろ野菜の蒸し焼きをつくります。油を熱し、ねぎを香ばしく焼いてから、野菜を放り込んで蓋をして焼くだけで豪華な一皿に。厚揚げやお肉を入れるとボリュームも旨味もアップ。
仕上げに乗せたブルーチーズを付けながらいただくのがchizuさん流。
「Zakkaworks」で購入した耐熱ココット皿も大活躍。
ヘタをとったトマトを入れ、オリーブオイルを回しかける。パラリと塩を振って、蓋をして火にかける。5分もすれば、トマトがトロトロになってスープのような状態に。「夏の朝ごはんの定番です」
蓋は適当なお皿で代用してしまいます。

漆の小丼が何かと重宝します

もうひとつおすすめなのが、漆の小丼。柔らかな手触り、滑らかな朱や黒の塗りは存在感大。土ものの多い食卓で映えます。たとえば、具だくさんのお味噌汁、にゅう麺、混ぜご飯など、「今日はこれだけで」と済ませる簡単な一品献立も、漆の小丼に盛り付けると、侘しさはまったくありません。「軽く扱いやすいのもいいですね。木のカトラリーを合わせると、より食卓が楽しくなりますよ」

chizuさん
chizu/チズ

食回りを中心に、インテリア、コスメなどのスタイリングを雑誌や広告などで担当。ファッションセンスにも定評があり、『私をぐっと素敵に見せる大人のおしゃれのひとさじ』(PHP研究所)の著書も。

『ku:nel』2019年5月号掲載

写真 大森忠明 / 取材・文 鈴木麻子

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